
ブリヂストンでは、「環境」を経営の最重要課題の一つと位置づけており、経営戦略により密接した環境戦略の策定を推進する「環境戦略企画部」を2010年に創設し、設定した目標の達成に向けた活動を実行に移す「環境推進部」と連携して活動を推進しています。
また、地球温暖化問題の対応をグループ全体で進めるため、環境戦略企画部の創設と同時に、部内に「カーボンマネジメント推進ユニット」を設置し、全社横断的なプロジェクトとして計画的なCO2削減に向けたカーボンマネジメント体制の構築を推進しています。
ブリヂストングループは、「事業」と「環境」の両立を目指してグループ全体で環境マネジメントを推進しています。
グループの環境統括機能(GMP)が、各SBUに対し方針や活動の方向性を示しており、各SBUは、方針や方向性に基づく環境活動を自立的に推進しています。各SBUの環境活動や環境関連データなどは、グループのPDCAサイクルの中で共有・分析され、改善に活用しています。
また、このグローバル環境マネジメント体制を支える仕組みとして、ブリヂストングループ独自のグローバル統一環境マネジメントシステム「TEAMS(Total Environmental Advanced Management System)」を構築し運用しています。
ブリヂストングループTEAMSガイドライン
ブリヂストングループのグローバル環境マネジメント体制を支える仕組みが「TEAMS(Total Environmental Advanced Management System)」です。これは、ISO14001を基盤とする従来の「EMS(環境マネジメントシステム)」を進化させたものであり、「Total(グループ全体・SBU・生産拠点で全従業員が参加する最適なPDCA)」、「Advanced(従業員一人ひとりが「環境」を意識し、自発的に個々の業務に折り込むこと)」という要素を追加したブリヂストン独自の仕組みです。ブリヂストングループは、すべてのグループ会社で製品の開発・設計から生産、物流、販売まで一貫した環境活動を推進するために、このグローバル統一環境マネジメントシステム(TEAMS)を活用しています。
(1)国内・海外生産系グループ会社のISO14001認証取得
ブリヂストングループの国内・海外の生産系グループ会社では、2010年12月現在、180拠点※でISO14001認証を取得しています。新たに建設される生産拠点についても、ISO14001に準じるブリヂストングループ独自の工場生産認定システムによる環境マネジメントシステムを速やかに構築しており、順次ISO14001認証を取得していく計画です。
※対象拠点の統廃合により拠点数が減少しています。
(2)ブリヂストンのISO14001認証全社統合化
ブリヂストンは、本業における環境活動を推進するため、工場と本社、技術センターを合わせたISO14001全社統合認証に取り組み、2005年12月に取得しました。
(3)国内販売系グループ会社のブリヂストン環境ガイドラインの順守
ブリヂストングループの国内の販売系グループ会社及び一部の代理店においては、ブリヂストングループの環境活動の考え方、具体的な活動方法などが盛り込まれた「ブリヂストングループTEAMSガイドライン」に基づき、ISO14001に準じた環境活動を行っています。


※2009年から2010年の対象拠点減少理由:統廃合・売却などのため、16拠点減少
※2009年から2010年の取得拠点減少理由:取得拠点数8拠点増加、統廃合・売却などのため9拠点減少したことにより、拠点数は1減少
第41回グループ環境委員会(2010年10月開催)
ブリヂストングループの環境活動の進捗状況の確認と、新たな課題への対応方向を決定するため、「グループ環境委員会」を設置しています。環境関連の方針、目標、重要環境問題の対応策などについて、社長をはじめとする執行役員などで審議、決定しています。
グループ環境委員会で決定したブリヂストングループ各社が注力すべき環境課題ごとに、会議・部会を設置しています。会議・部会では、執行役員が統括責任者を務め、それぞれの目標の達成に向けた具体的な取り組み内容の決定や進捗状況の確認を行っています。
ブリヂストンの地区環境委員会・連絡会議では、部会・会議での決定に基づき、具体的な環境活動推進についての議論を行っています。また、廃タイヤや環境対応商品など多くの部門がかかわる課題については、全社にまたがる組織体制を構築し、迅速な対応に努めています。
ブリヂストングループの環境関連会議の統括事務局として、環境推進本部を設置しています。
グローバル環境会議の様子(2011年3月)
ブリヂストングループでは、社内での環境関連の会議・部会などに加え、国内グループ会社の環境責任者が集う「環境責任者会議」と、各地域の環境責任者が集う「グローバル環境会議」をそれぞれ年1回以上開催しています。これらの会議では、独自のグローバル統一環境マネジメントシステム (TEAMS)の運用レベルを確認するほか、各地域での環境要求の変化やグループ全体で対応すべき取り組みについて議論しています。
グロ-バル環境会議では、各地域の環境責任者のほか、日本の設備開発担当者や生産技術担当者も交えて、今後の具体的な環境活動の目標や推進方法などについて活発に議論を行い、そのまとめとして発行される「環境インストラクション」への内容についての合意を形成します。2011年3月に開催されたグロ-バル環境会議では、環境リスクマネジメントの更なる強化、カーボンマネジメントや化学物質管理の今後の在り方などについて全体で課題を共有し、今後の進め方について議論しました。
また、2010年6月には中国の3地域にて、中国国内の計19拠点を集めた環境担当者会議を、マレーシアでも同じく6月に5拠点を集めた地域環境担当者会議を開催しました。更に9月にはアメリカや欧州、中国、インドネシア、トルコ、南アフリカなど、各地域の環境担当者が集う「グローバル環境担当者会議」を開催し、各拠点が抱える課題について共有するとともに担当者間の連携を強化しました。
このたび、ブリヂストングループは、環境宣言をリファインしました。このリファインという言葉には、これまで築き上げてきた財産を更に磨き上げるという意味が込められており、これまでの環境宣言の「未来のすべての子どもたちが『安心』して暮らしていくために・・・」という当社の変わらない思いはそのままに、「持続可能な社会」の構築に向けた環境活動の長期的な方向性を明確にしています。
このリファインの背景にあるのは、当社の掲げる「持続可能な社会」をどのように実現していくのかについて、グループのすべての従業員が意識して日々の業務に取り組むこと(「事業と環境の両立」)にあり、そのための具体的な方向性として、「自然と共生する(自然共生社会<生物多様性>)」、「資源を大切に使う(循環型社会)」、「CO2を減らす(低炭素社会)」 という「3つの社会の実現」を環境宣言に折り込みました。これら3つの社会については、母国語や文化が異なる世界中の皆様にも分かりやすいように表現しており、世界中に広がるブリヂストングループの総力を結集し、共通の課題に取り組むため、「お客様とひとつに」、「ビジネスパートナーとひとつに」、「社会とひとつに」、「従業員とひとつに」というコンセプトを明確にしました。
ブリヂストングループでは、目まぐるしく変化する環境に関する社会の要求を先取りし、設定した目標を各事業部の中期経営計画に落とし込むことで、グループ全体で環境活動に取り組んでいます。グループの従業員一人ひとりが「環境」を意識しながら事業活動に取り組むという、ブリヂストングループ独自の環境マネジメントシステムである「TEAMS」の仕組みを生かしながら、「事業と環境の両立」、そして「持続可能な社会」に向けた活動をレベルアップさせていきます。
2011年以降も、リファインした環境宣言でうたう「持続可能な社会」の構築に向け、商品・サービス、モノづくり、社会貢献のそれぞれの領域において、世界中に拠点を持つブリヂストングループの利点を生かし、グループ全体で3つの方向性に沿った活動を推進していくとともに、環境活動に対する考え方やパフォーマンスデータ等の情報をステークホルダーの皆様に適切にお伝えしていきます。
2010年におけるEU域内の環境に関する検討課題においては、特に気候変動防止や化学物質管理の面で、産業界にとって重大な局面が見られました。
環境面からのサプライチェーン・マネジメントに関して見ると、REACH規制の申請が開始されたこともあり、2010年は化学メーカーにとって重大な基礎となる1年となりました。この枠組みにおいて、BSEU(ブリヂストンヨーロッパ)は、コンプライアンス順守の観点から、サプライヤーに対するフォロー及び支援を綿密に実行し、すべてのビジネスパートナーとの事業継続性について問題がないことを確認しました。
ブリヂストングループの環境に対する弛まぬ取り組みの姿勢は、製品ライフサイクル全体を通してCO2を削減するという明確な目標にも表れています。BSEUはグループの一員として、環境活動の一環としての地球温暖化対策のために、このCO2削減目標に取り組んでいます。
タイヤ工場においては、前年の景気後退からの回復の一方で、資源保全や水使用量の低減等いくつかの環境パフォーマンスが強化され、また更に改善されました。昨年12月には、BSEUは欧州のエネルギーマネジメントシステム認証であるEN16001をイタリアにある技術センターにおいて取得しました。EN16001に従い、技術センターではエネルギーに関する方針を策定し、消費が著しい分野を特定しました。エネルギー使用の効率化と再生可能エネルギーを導入するプロジェクトにより、温室効果ガスの排出量削減を推進しています。これらの活動は、今では技術センター内の日々の業務手順に完全に結び付けられています。
また、来るべき2012年より施行される欧州のタイヤラベリング制度をリードすべく、BSEUは研究開発活動において多大な努力を続けてきました。このタイヤグレーディング制度によって、低燃費性能、ウェット性能、静粛性という3つの主要な評価指標について、各社の商品を格付けすることが可能となります。これにより、欧州のお客様は、タイヤの安全性と環境性能の両方についてより多くの情報を得ることが可能となります。
このたびリファインされたブリヂストングループの環境宣言は、かねてからブリヂストンの環境活動の軸としてきた「生物多様性」、「資源循環」、「地球温暖化防止」に関して、より魅力的な領域へのチャレンジングな目標を設定するための明確な指針となっています。BSEUはブリヂストングループの一員として、リファインされた環境宣言に掲げる3つの社会の実現にむけて、環境活動の強化のために最大限の努力をしていきます。
ブリヂストン アメリカス・インク(BSAM)は、2010年も商品・サービス、モノづくり、社会貢献の領域における環境活動を継続的に推進し、環境配慮型店舗の展開や環境関連テレビ番組等のメディアに対する支援、環境教育プログラムの提供などのさまざまな環境活動に対して、政府機関、お客様、NGOなどから数多くの認証を受賞することができました。
モノづくりの領域では、廃棄物の削減に取り組んでおり、2010年は前年対比12%削減、2003年対比30%削減できました。BSAMの販売部門では、タイヤの交換の際に発生する廃タイヤや使用済みエンジンオイル等を100%有効利用するための活動を継続して推進しており、また顧客自らが交換したエンジンオイル等についても無償で引き取りを実施しています。ナッシュビルのアメリカサポートセンターとブルーミングデールにある販売グループの本部では、オフィス空間における環境負荷の低減を目的としてTEAMS(Total Environmental Advanced Management System)活動を開始しました。
商品・サービスの領域では、革新的な製品を通してお客様と一つになって環境に貢献するため、幅広い車種に対応した「Ecopia EP422」及び「Dueler Ecopia EP422」をシカゴオートショーで発表しました。Ecopiaファミリーのラインナップを広げることで、「当社の革新的な商品の使用を通じて、低燃費と経済性を両立させ、かつ環境負荷を低減することができる」という重要な環境メッセージを、より多くのドライバーに伝えることができます。また、年間を通じて高校生グループの電気自動車開発プロジェクトの支援を行いました。学生による「世界一低燃費な車」の開発を支援するため、技術的な指導や資材の提供ならびにテキサスにあるプルービンググラウンド(タイヤのテストコース)をテスト走行用に提供しました。戦略的な訴求活動を通じて、本プログラムはEcopiaファミリーの商品ならびに当社の環境保護活動に対する消費者の注目を喚起することができ、メディアでの紹介も数多くされました。
社会貢献の領域では、清掃活動の実施や、野生生物の生息地保全活動や店舗及び施設周辺における環境活動を通じて、環境教育の機会を提供しました。販売部門では、19以上の地域のイベントで廃タイヤ回収を実施し、数千の廃タイヤをリサイクルできました。
BSAMはアイオワ州のマスカティーンにおいて11番目の野生生物生息地の認証を野生生物生息地審議会(the Wildlife Habitat Council)から受けました。また、BSAMにおける最も確立された環境教育プログラムの一つであるウォーレン工場におけるブリヂストン環境教育(BEECH)では、年間を通じて数千名の受講生を受け入れました。
2011年のブリヂストングループの環境宣言リファインによって、私たちの目指すゴールや日々の活動の方向性が、ステークホルダーの皆様に、より明確にお伝えできるものと考えております。
それにより、これまで以上にステークホルダーの皆様と一つになって環境改善活動を実施していけるものと確信しています。
ブリヂストンは、グローバルな規模で環境パフォーマンスデータを収集・集計する「ブリヂストン エコ・ネットワーク システム」を2002年から運用しています。このシステムは、「環境情報連絡システム」「廃棄物管理システム」「化学物質管理システム」などで構成されており、これらを活用して国内外の各拠点の環境関連データを把握・分析することで、各拠点の活動改善につなげています。
2010年は、化学物質管理システムにおいて、より詳細なデータを集計、検索できるように改修し、運用を開始しました。2011年は輸入品(原材料となる化学品)の成分の管理ができるよう、改修する予定です。将来的には、これらのシステムをブリヂストングループ全体の環境活動を推進していくためのツールとして拡大していきます。
ブリヂストングループの環境マネジメントシステム「TEAMS」の運用にあたっては、システム監査(主に仕組みの監査)、パフォーマンス監査(主にデータ結果の監査)を体系的に実施し、環境監査体制の充実を図っています。
毎年、ブリヂストンの全部署においては、ISO14001に基づく内部監査を実施しており、外部監査も毎年受審しています。更に、工場だけでなく本社など生産拠点以外も含めて計画的に内部環境監査員の育成を行っており、2010年までに累計で2,085名が研修を修了しています。
内部監査員研修の様子
ブリヂストングループでは、ISO14001を基盤とした環境マネジメント体制を更に充実させていくため、社内及びグループ会社において内部環境監査員の育成に注力しており、定期的に新任の環境担当者を中心に内部環境監査員研修を実施しています。また、内部監査を更に充実したものにすることを目的として、2008年からは内部環境監査員レベルアップ研修も開催しています。これは、内部監査に必要な知識の定着や内部監査実施時に役立つ応用力や実用力を身に付けるためのもので、2010年末現在、延べ221名が修了しています。

海外工場の環境担当者の研修の様子
ブリヂストンは、「環境教育体制の充実」を環境中長期計画に掲げ、環境教育を実施しています。環境教育は、「一般教育」と「専門教育」に分類し、役職や担当業務に応じて適宜実施しています。
一般教育では、ブリヂストンの環境活動について理解を促すほか、環境活動のリーダーとなる人材の育成を図っています。専門教育では、専門的に環境活動に携わる従業員を対象に、新任環境担当者研修や内部環境監査員研修などを実施しています。
研修ごとにアンケートを実施し、環境中長期計画に掲げる「環境教育体制の充実」に向けて、研修内容の継続的な改善を図っています。
また、ブリヂストングループ全体の環境教育体制の充実化に向けて、内部監査力アップのため、海外の環境担当者研修を実施しています。
2008年は、アジア・太平洋地域の工場環境担当者研修を実施しましたが、2009年からは更に地域をアメリカ、ヨーロッパ、アフリカにまで広げ、各地域の環境担当者の研修や情報共有のためのネットワークづくりを行っています。2010年までに、延べ24カ国、41名が参加しています。
| 区分 | 対象者 |
|---|---|
| 一般教育 | 定期採用新入社員 |
| 中途社員 | |
| 新任職長※ | |
| 管理職 | |
| 海外工場派遣者・予定者 | |
| 一般社員 | |
| 専門教育 | 新任環境担当課長 |
| 新任環境担当者 | |
| 海外工場環境担当者 | |
| 内部環境監査員 |
| 公害防止管理者・主任管理者 | 262人 |
|---|---|
| 産業廃棄物処理施設技術管理者 | 15人 |
| 特別管理産業廃棄物管理責任者 | 66人 |
| 臭気判定士 | 9人 |
| エネルギー管理士 | 72人 |
ブリヂストンでは、環境省ガイドライン(2005年版)に準拠し、環境会計データの集計を実施し、環境保全コストとして公開しています。
ブリヂストンでは、環境保全効果について集計し、省エネルギーによる節減費用及びリサイクル・売却益などを効果額として公開しています。
ブリヂストンでは、生産活動に伴って発生する環境負荷において、CO2排出量、主要原材料使用量、廃棄物発生量、VOC(揮発性有機化合物)排出量、水資源投入量の5つを使い、売上高を割った値をそれぞれの環境効率とし、効率的な環境活動に結びつける検討をしています。