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第三者からのご意見

ステークホルダーの皆様のご意見と対応

「CSRレポート2010」に関する第三者からのご意見やアンケート、ホームページなどを通じて、さまざまなご意見をいただきました。以下に主なご意見とブリヂストングループの対応についてご報告します。

主なご意見・ご提案 ブリヂストングループの対応の方向
CSRマネジメント 2010年に発行されたISO26000と、ブリヂストンのCSR「22の課題」との内容の突合せを行い、更に取り組むべき活動を洗い出すべき。 CSR「22の課題」の取り組み内容とISO26000の内容との照合を行い、必要に応じてCSR「22の課題」の取り組みの強化を図っていきます。
コミュニケーション ブリヂストンの実際の取り組みは、社外の人々がブリヂストンを理解しているものよりかなり進んでいると感じる。社会から大きな信頼を得ていくためにも、この差を埋めていくよう努力してほしい。 ステークホルダーの皆様にブリヂストングループの活動をご理解いただけるように、CSRレポートやWebサイト等を通じてお伝えしています。また、事業所ごとに地域社会との対話を進めています。
地球温暖化防止 世界では、2050年ターゲットとしてCO2排出量の2000年対比半減、先進国では80%減を掲げている。ブリヂストンでも2050年のCO2排出削減目標策定を期待する。 ブリヂストングループでは、2020年のCO2排出削減目標とアクションプランを設定して取り組んでいます。更に長期的には、2011年5月に公表した新しい環境宣言の中で「低炭素社会の実現」という方向性を掲げており今後、具体的な取り組みを計画していきます。
CO2排出量は、売上高当たりではなく総量で数値目標を掲げてほしい。 タイヤのライフサイクル全体で考えると、CO2排出量の約9割が使用段階で車両の排気ガスとして排出されています。そのため、使用段階での排出量削減につながる商品を広く提供していくことで、社会全体のCO2排出量削減に貢献できると考えており、売上高当たりでの目標を掲げています。また、CO2排出量の残りの約1割であるモノづくりの過程についても、環境効率の改善を進め、CO2排出量削減に貢献していきます。
生物多様性 生物多様性の取り組み強化を期待する。 生物多様性条約の目的を尊重し、持続可能で豊かな社会の実現に向けた活動をブリヂストングループ全体で推進するため、2010年に、「生物多様性に関する取り組み姿勢」を制定しました。より一層グループでの意識を高め、国内外で実施・支援している生態系の保全や研究、教育活動を推進していきます。
ダイバーシティ 本社の役員の多様性を実現してほしい。グローバル企業として女性や日本人以外の方が少ないと感じる。 2011年3月には、女性や日本人以外の方も含む4名が社外取締役に就任し、また、欧米子会社の経営層4名を執行役員に登用しました。
人権 一般論として、日本の人権認識は世界と大きく異なる。グローバル企業として、海外の人権認識も意識して取り組んでほしい。 CSR「22の課題」のひとつとして、海外の人権認識も踏まえた「基本的人権の尊重及び児童労働・強制労働禁止に向けた取り組み推進」という課題を掲げ取り組んでいます。「人権に関するブリヂストングループの考え方」に基づいて人権を尊重するとともに、人権最高責任者を選任し、その考え方の浸透を進めています。
CSRレポート CSRのWebサイト上でステークホルダーの意見や質問を受け付ける等、双方向のコミュニケーションの場を増やしてほしい。 ブリヂストンのお客様相談室で企業活動全般に関するご意見・ご質問をWebサイト上で受け付けているほか、販売店店頭でのお客様とのコミュニケーション、地域社会に関する住民の皆様とのコミュニケーションなど、直接対話する機会の充実を目指します。
環境以外の課題についても、数値情報を増やしてほしい。 コンプライアンス相談室の受付件数、従業員満足度調査の結果など、数値情報を増やすよう努めています。

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第三者からのご意見

 まず報告書全体について意見を述べたい。「22の課題」を設定しPDCAのステップをまわしながら前進するブリヂストングループのCSRへの取り組みは、体系的かつ包括的である点において傑出している。「あるべき姿」「あるべき姿を具体化した目標」「2010年までの主な成果」「2011年以降の主な計画」と整理されており大変分かりやすい。また、「ブリヂストン」「ブリヂストングループ」「国内グループ会社」「海外グループ会社」と主体を明確に書き分けてあるため、グループ一体の取り組みの進捗状況が把握できる。グローバルな取り組みという点では海外グループ会社従業員への公正取引・競争に関する研修の開始、グループ各社での人事・処遇制度、研修体系の構築など着実な前進があった。

 良く整理された報告書は今後の努力の方向性を浮き上がらせる。目標の具体化がその一つである。長年の取り組みの蓄積がある環境関連課題の目標は具体的であるが、社会的側面の課題の目標には改善の余地がある。例えば「CSR調達」の目標は「CSR調達推進状況の点検を開始」となっている。しかし、CSR調達の目標はCSR調達の実施そのものではなく、取引先に関するCSR上の問題の是正ないしは予防である。現実の問題に即して目標が設定される必要があるだろう。

 社会的側面に関しては、多様性尊重に関する女性雇用比率のように国・地域事情によって一律の目標設定が難しい面があり具体化には一定の限界があることは否めないが、これからの取り組みの成果をフィードバックさせることで可能な限り目標を具体化していくことを期待したい。目標の具体性は、ブリヂストングループのように様々な価値観を持つ社員で構成されているグローバル企業にはとりわけ重要である。
 次に環境側面についてであるが、自然共生社会、循環型社会、低炭素社会の「3つの社会」実現を掲げた環境宣言のリファイン及びカーボンマネジメント推進ユニットの設置は大きな前進として評価したい。環境省から「エコ・ファースト企業」に認定されたことは同社に対する社会の期待の高さを物語る。欧州と米州の環境責任者が紹介するそれぞれの課題と取り組みはブリヂストングループのグローバルな取り組みを強く印象付ける。実績を見てもCO2排出削減について2020年まで売上高当たり35%減とする高い目標を掲げ2010年時点で10.6%削減を達成し、中国のタイヤ4工場で「完全ゼロ・エミッション」を達成するなど顕著である。2010年の成果として注目に値するのが、日本自動車タイヤ協会とともに自主基準として構築したラベリング制度に基づく低燃費タイヤグレーディング制度である。環境保護、消費者への適切な情報提供、事業の成長の3つを満たす取り組みとして評価したい。すでに欧米でもラベリング制度に基づくタイヤグレーディング制度が導入検討されていることもあり、今後アジアなど海外への展開を強く希望したい。一方、今後の課題としては、「自然共生社会」の実現に向けた生物多様性確保についての具体的取り組みが挙げられる。

 最後にステークホルダーとのコミュニケーションについて述べたい。ブリヂストンのステークホルダー・コミュニケーションは、荒川社長ご自身の強いコミットメント、オープンで率直な意見交換に特徴付けられ建設的なものである。報告書にはタイ ブリヂストンがタイ教育省、WWFと共同で地域とのコミュニケーションに取り組んでいる様子が紹介されているが、ステークホルダーとの対話と相互学習はCSRの基盤である。2011年以降の目標として掲げられているグループ各社のコミュニケーション体制構築におけるSBU本社の役割の明確化がブリヂストンのCSR活動を真にグローバルなものと導くことを期待したい。

※2011年7月1日時点

藤井敏彦氏

独立行政法人経済産業研究所
コンサルティングフェロー
埼玉大学大学院経済学研究科客員教授

藤井敏彦氏