社会貢献活動

「地域特有の課題」に取り組む社会貢献活動|各地域での活動事例|日本

イルカ人工尾びれプロジェクト

  • プロジェクトについて
  • 人工尾びれ開発ドキュメント
  • 開発者インタビュー

2.世界初のプロジェクト、始動。

レプリカの製作

2003年4月30日、フジの尾びれの傷が完治したとの報告を受け、世界初のイルカの人工尾びれの開発が、沖縄美ら海水族館とブリヂストンの共同プロジェクトとしてスタートすることになりました。水族館側では、人工尾びれの装着に向けて、フジの尾びれに異物をつけて慣れさせる訓練が始まりました。
一方、人工尾びれの開発を任されたブリヂストンでは、(1)フジの体を傷つけないこと (2)装着が容易であること (3)耐久性があり丈夫であること (4)フジの遊泳能力を高めること、といった条件を満たすものを作るという目標が掲げられ、まずはフジの尾びれの型を取り、正確なレプリカを作製することからはじめました。

尾びれのレプリカの制作
フジの尾びれの型を取り、液状のシリコーンゴムで尾びれのレプリカを作りました

初のモデル製作

作製したレプリカに合わせて、初めての人工尾びれを作りました。初期型人工尾びれ(通称:長靴型)と呼ばれるこのモデルは、簡単に装着できてフジにあまり負担をかけないよう、尾びれの付け根部分までを覆い、ベルトで固定するタイプのもの。素材には生体適合生が高く、型に流し込んで作ることができる液状のシリコーンゴムを採用。フジの尾びれと接触する部分には、スポンジ状の発泡ゴム「モラン」を貼り、体を傷つけないよう配慮しました。
そして、2003年9月、このモデルを装着して初めてのテストが行われました。フジは人工尾びれを装着しても嫌がる様子もなく、懸命に水を蹴ろうとします。しかし、人工尾びれをつけたフジはいかにも泳ぎにくそうで、推進力がありません。胴体近くまで人工尾びれを固定しているために動きが制限されてしまうことや、尾びれがフジには小さく水の抵抗が大きすぎることなど、さまざまな課題が見えてきました。
とはいえ、久しく見せることのなかったドルフィンキックで泳ごうとするフジの姿に、プロジェクトメンバーは確かな手ごたえを感じていました。

初期型人工尾びれ(通称:長靴型)[2003年9月]
材質:硬度40度シリコーンゴム
横幅:48cm
縦幅:30cm
重量:2.0kg
実物のバンドウイルカの尾びれより小型(幅50センチ)で、フジの尾びれにかぶせるようにはめ、付け根部分をベルトで巻いて固定。内側にはひれずれを起こさないよう、EPDM製発泡ゴム(ブリヂストン製エバーライトモランTM)を貼っています
バンド型による固定
長靴型では装着時にフジの胴体に近いところまで固定してしまい、動きが制限されるという問題があったため、付け根部分を短くカットしたバンド型モデルが作られました