社会貢献活動

「地域特有の課題」に取り組む社会貢献活動|各地域での活動事例|日本

イルカ人工尾びれプロジェクト

  • プロジェクトについて
  • 人工尾びれ開発ドキュメント
  • 開発者インタビュー

「フジはいろいろな人を結び付けてくれた不思議な存在。」
生きている限り、見守っていきたいです。

広州普利司通化工製品有限公司 総経理
斉藤 真二

─ 初めてイルカの人工尾びれ製作の依頼を受けたとき、どう思いましたか? また、この世界初の試みに挑戦しようと決意されたのはどうしてですか?

「率直に『おもしろそうな話だ』と思いましたね。自分たちの技術でイルカの尾びれの形は作れるだろうと思ったので、機能的に満足のゆくものが作れるかどうかはわかりませんでしたが、取り組んでみたいという気持ちがありました。
プロジェクトへのモチベーションとなったのは、美ら海水族館の獣医師の植田さんの熱意に押されたことが大きかったですね。それに、実際に尾びれのないフジと対面し、痛々しい姿を目の当たりにして、自分たちが力を貸せるものならなんとかしたいと思いました。」

─ プロジェクトにおいて、主に担当されていた内容は何ですか?

「私は、当初より人工尾びれの形状や材質などについて開発に携わってきましたが、主に人工尾びれを装着する部分の緩衝材について担当していました。人工尾びれを装着するときにフジの尾びれを傷つけないようにするには、柔らかいスポンジ状の緩衝材が必要なんですね。また、フジがいるのは沖縄の美ら海水族館で、プールには周囲の海水が引き込まれています。こうした環境をふまえ、屋外で長期間使用しても劣化しないものでなければならないと考えた結果、エバーライトモランを使うことに決めました。モランは主に、自動車や家電製品の緩衝材やシール材に使われている素材で、EPDMゴム(エチレンとプロピレンに少量の第三成分を含む合成ゴム)を主成分とした発泡体です。耐久性と耐候性がよく、とてもしなやかなので大切な役割を担っているんですね。」

─ 人工尾びれの開発でもっとも難しかったのはどんなことですか?

「人工尾びれの装着方法ですね。フジの尾びれを傷つけることなく、短時間で装着でき、しかも確実に固定できることを条件に、試行錯誤しながら考えていきました。」

─ 開発に携わって嬉しいと感じたことなど、このプロジェクトの醍醐味は何ですか?

「カウリングタイプの人工尾びれが完成して、フジが他のイルカと並んでプールを泳ぎ回る姿を見たときは、ものすごくうれしかったです。フジを中心に異業種の方々と知り合いになれたこともうれしい出来事でしたね。それから、やはり世界初の開発であるということには、やりがいを感じました。失敗はいろいろありましたが、モノづくりというのは技術屋の醍醐味であり、やりがいですから。」

─ 斉藤さんにとって、フジはどのような存在ですか?

「ジャンプができるまでの開発期間は、かわいくもあり、憎らしくもある……まあ、なんというか娘のような存在でした。今はそれにプラスして、いろいろな人を結びつけてくれた不思議な存在でもあると感じています。」

─ 今後、このプロジェクトをどのように見守っていきたいですか?

「フジが生きている限り、プロジェクトにはかかわっていきたいと思っています。ただ、2007年から海外関連会社での勤務になり、日本から送られてくる情報を眺めているだけなのがとても残念なのですが……。このプロジェクトがイルカの研究に少しでも役立つように願っています。」