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特集2事業を通じたグローバルな社会課題への取り組み

ブリヂストングループはグローバルに事業を展開するにあたり、世界のあらゆる場所でそこに住む人々のニーズに対応し、先進的で高品質な製品・サービスを安定供給しています。

それだけでなく、各国の社会状況をふまえ、持続可能な社会の実現にいかにブリヂストングループが貢献できるかを考え、事業を通じてグローバルな社会課題への取り組みを行っています。

環境長期目標の策定

世界最大のタイヤ会社・ゴム会社として、ブリヂストングループの取り組みは「地球環境」に大きく影響するものと認識しています。グループ全体で環境に対し具体的なアクションを起こすことによって、持続可能な社会の実現にブリヂストングループとして貢献していけると考え、2050年を見据えた環境の長期目標を策定しました。

2050年を見据えた環境長期目標

環境宣言

2050年、世界の人口は90億人に達し、自動車の保有台数は現在のほぼ2倍となる20億台超にまで到達するともいわれています。このような社会情勢の中、ブリヂストングループは、人やモノの移動(モビリティ)を支える企業として、ますます高まる需要に応え続けていかなければなりません。

一方で、モビリティの発展は地球温暖化、大気汚染や資源枯渇問題と切り離して考えることができません。タイヤのリーディングカンパニーとして、持続可能な社会の実現に貢献していく役割と責任があると考えています。

そこで2011年に環境宣言のリファインを行い、「自然と共生する」「資源を大切に使う」「CO2を減らす」の3つの環境活動を推進していくことを公表しました。更に2012年、一人ひとりの持つ様々なニーズに応えながらも、社会や自然と調和し共生することで、真に「安心・快適な移動」を将来にも約束し、持続可能な社会を実現することを目指し、環境宣言で示した3つの活動それぞれに対して、2050年を見据えた長期目標を策定しました。

ブリヂストングループ 環境長期目標
ブリヂストングループ 環境長期目標

100%サステナブルマテリアル※化

サステナブルマテリアルの考え方
サステナブルマテリアルの考え方

「資源を大切に使う」ために、ブリヂストングループは「100%サステナブルマテリアル化」を掲げました。

①そもそもの原材料使用量を削減(資源生産性の向上)

②資源を循環させる、効率よく活用する

③再生可能資源の拡充・多様化

の3つの具体的な活動を通じて、2050年を見据えて「100%サステナブルマテリアル化」を目指していきます。

※ブリヂストングループは、「化石資源などのように、消費を続けるといずれ枯渇することが予想される資源以外のもの」をサステナブルマテリアルと位置付けています。例:生物由来の原材料や使用済みタイヤを再利用した台タイヤ、リサイクルされた原材料など。

温室効果ガス排出削減に関するグローバル目標への貢献(CO2排出量50%以上削減)

売上高あたりのCO2排出量(トン/億円)
売上高あたりのCO2排出量(トン/億円)

ブリヂストングループでは、低炭素社会の実現に向けた2020年目標(モノづくりで排出されるCO2を売上高当たり35%低減、更にタイヤの転がり抵抗係数を25%低減し、モノづくりで排出される以上のCO2削減に貢献)を策定し、実現に向けて取り組んでいます。更に今回、2050年に地球上の温室効果ガス排出量を半減というグローバル目標を見据え、ブリヂストングループ全体でCO2排出量50%以上削減という目標を掲げました。モビリティに携わる企業として、CO2排出量を削減し、低炭素社会の実現を目指します。

生物多様性ノーネットロス

ブリヂストングループは2010年、生物多様性に関する取り組み姿勢を制定したのに続き、2012年に長期目標として自然生態系への「ノーネットロス」を掲げました。「ノーネットロス(No Net Loss)」とは、生物多様性への影響を最小化しながら、他の生物多様性の復元等の貢献活動を行うことによって補い、生態系全体での損失をプラスマイナスゼロとするという考え方です。事業活動全体での生態系に及ぼす影響を、貢献量で上回ることをブリヂストングループのノーネットロスとして、取り組みを進めます。

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地域社会と事業のサステナビリティ実現

地域社会と共に豊かになるために

ブリヂストングループは、世界25カ国・約180拠点で事業活動を行っています。それぞれの地域で、そこに住む人々一人ひとり、更に地域社会と共生することが重要と考え、これまでにも地域貢献活動を行ってきました。

活動にあたっては、各地域の社会課題の解決に対してブリヂストングループが自らの事業を通じてどのように貢献できるか、地域社会からブリヂストングループに期待されている役割は何なのかを常に考えています。地域がこれまで以上に活性化し、同時にブリヂストングループの事業に役立つような仕組みを生み出し、根付かせること。それこそが、「持続可能な社会への貢献」であると考えています。

地域社会の発展と高品質な原材料の安定調達を両立させた活動をご紹介します。

インドネシア:天然ゴム調達における地域支援と原材料安定供給

ブリヂストングループのゴム農園と小規模農家とのかかわり

小規模農家に生産性の高い天然ゴムの苗木を提供

提供する天然ゴムの苗木を確認する様子

タイヤの主な原材料の一つである天然ゴム。ブリヂストングループは、この天然ゴム農園を自社で所有している数少ないタイヤメーカーであり、天然ゴム生産で世界第2位を誇るインドネシアでもゴム農園を運営しています。

しかし、インドネシアにおける天然ゴム栽培の大半を占めるのは、小規模農家です。これらの農家が育てる天然ゴムの木から採れるラテックス(ゴムの原料となる、天然ゴムの木から採れた樹液が乳化したもの)は生産性が低く、また品質や産出量にばらつきがあり、安定した採取量が維持できていませんでした。原生の天然ゴムの木のため生産性が低いこと、また多くの小規模農家が正しい採取技術を学ぶ機会に恵まれていなかったことがその原因です。

そこで、インドネシアのスマトラ島でゴム農園を運営するピーティー ブリヂストン スマトラ ラバー エステート(BSRE)では、周辺の小規模農家で採取されるラテックスの品質と採取量の両方を向上させることを目指し、生産性の高い天然ゴムの苗木の無償提供と採取・接ぎ木の技術指導を行っています。この取り組みは小規模農家の経済的支援につながるとともに、BSREが小規模農家から買い付けるラテックスの品質と採取量の安定化にも寄与しています。

天然ゴムの苗木を無償で提供

BSREはまず、小規模農家に対する支援として苗木の提供を開始しました。BSRE周辺の小規模農家に提供しているゴムの苗木は、ブリヂストングループが独自に栽培した生産性の高いクローン苗。2001年から、アフリカや東南アジアにおける小規模農家支援を行っている研究団体・アグロフォレストリーセンター等と協働で年間数万本規模でこの苗木の無償提供を行っています。

ラテックスの採取・接ぎ木技術を指導

2008年からは二つの新たな支援を開始。その一つがゴムの木を切りつけてラテックスを採取するタッピングの技術支援、道具提供です。適切な切れ目の角度や切れ目を入れる場所など、できる限り長期にわたって高い品質のラテックスを採取するためには様々なコツがあります。多くの小規模農家にはそのノウハウがなかったため、ゴムの木に必要以上の負担がかかる採取方法をとっており、本来採取できるはずの時期まで採取を続けられないという状況が見られました。一つの木からより長い期間ラテックスを採取できるように、タッピング技術指導を毎年続けています。

もう一つの支援は接ぎ木の技術指導です。生産性の低い木の種子から発芽した苗でも、生産性の高いクローンの芽を接ぎ木することで、その木から採れるラテックスの量を確実に増やすことができます。生産性の高い苗を育てた小規模農家が、次は自分たちでその苗を接ぎ木し、生産性の高いゴム苗木を育てられるようになれば、自らの手でより高い品質と生産性を保ち続けることが可能になります。

接ぎ木技術を指導している様子

生産性の高いゴム苗木を提供すること、タッピング技術・接ぎ木技術の教育訓練活動を行った結果、小規模農家の中には単位面積あたりの天然ゴムの生産性が従来の約2倍となったところもありました。これによって品質と採取量が共に向上し、小規模農家の収入増加につながりました。

小規模農家に対する研修の様子
小規模農家に対する研修の様子
天然ゴムに関する取り組みの更なる広がり

指導を受け、接ぎ木を行っている様子

正しいタッピングをする前(左)と後(右)

接ぎ木した苗木(上)と接ぎ木後に成長した様子(下)

スマトラ島での取り組みの成功を受けて、2008年からはブリヂストン カリマンタン プランテーションでも同様の取り組みを展開。カリマンタン島の小規模農家に対し毎年、生産性の高い天然ゴム苗木の提供やタッピング技術の指導を行い、農家の生産性向上につなげています。更に、天然ゴムの接ぎ木方法やメンテナンスについての研修も実施しています。

また、アフリカのリベリア共和国でも2006年から同様の取り組みを開始しており、天然ゴムの生産性と品質の向上を通じた、地域社会の発展とブリヂストングループの高品質な原材料の安定調達を両立する取り組みは各地域に根付きつつあります。

プログラムの継続によって小規模農家の夢実現サポートを

Abdus Salam氏

MALINTANG SEJAHTERA(現地農家組合)
チェアマン
アブドゥス・サラム氏

私たちは、BSREによる天然ゴム苗木の提供や、タッピング技術・接ぎ木技術の指導などのプログラムを受講できることに、大変感謝しています。小規模農家の人々が、ゴム農園を維持するにあたって必要な管理方法など、豊かな知識を得ることができていると思います。この支援が長期にわたって続くことを望んでいます。このプログラムによって、各農家の収入も増え、暮らしも豊かになりました。これからも、このプログラムが続くことによって、小規模農家の人々が望むより良いゴム農園が実現することを私たちも心から期待しています。

コミュニケーションを取りながら今後も更なる支援の拡大を

フェリー・サモサ氏

スイスコンタクト
プロジェクトマネージャー
フェリー・サモシール氏

私たちスイスコンタクトは、BSREと協働で、インドネシアの小規模ゴム農家を支援するプロジェクトに携わっているNPOです。BSREのゴム農園に対する支援は大変に理想的なプログラムだと思います。BSREの研修は、タッピング技術と接ぎ木技術の習得のみならず、ゴム農園経営についての知識も身に付けることができ、小規模農家にとって非常に良い効果をもたらしています。また、ラテックスは通常仲買人を介し販売しているので、小規模農家は需要家と接することはありませんが、研修を通じBSREから需要家のニーズを直接把握できることも大きなメリットです。これからも小規模農家の方々とコミュニケーションを取りながら、支援を拡大していただきたいと思っています。

地域社会とブリヂストングループの発展のために

インドネシアゴム協会からの感謝状

生産性と品質の高い天然ゴムを栽培する技術を自社内に留めることなく、広く社会に提供していくことで、ブリヂストングループは事業そのものを通じて社会課題を解決し、地域社会とブリヂストングループが共に発展することを目指しています。

2001年から続けてきたこの取り組みは着実に実を結んでいます。小規模農家のラテックス採取量増加がインドネシア全体の天然ゴム生産量増加につながり、天然ゴム産業自体が発展していることに対し、2011年、インドネシアゴム協会より感謝状が贈られました。

今後もこのような取り組みを継続・拡大させ、事業を通じて地域社会とブリヂストングループの両者が共に成長し、発展していけるモデルを各地域で生み出していきます。

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グループ全体の力で社会課題の解決を目指す

世界各国・各地域で事業を展開しているブリヂストングループは、グローバルで社会課題解決のために取り組むことが、社会的責任の一つであると考えています。様々な社会課題がある中でも、グループ全体で統一して取り組むべき社会課題と、それぞれの国や地域個別の状況を考慮し、それぞれの拠点が主体となって取り組むべき社会課題の双方を意識しています。環境長期目標のように、グループで統一した取り組みにより成果を追求する活動。そしてインドネシアにおける小規模農家への天然ゴム栽培支援のような、地域とのサステナブルな関係を構築・維持していく活動。ブリヂストングループは、これからもこの二つの領域で社会課題の解決に向けて活動を続けていきます。