

2012年08月20日
7/29(日)決勝日。朝から晴天。気温、湿度、路面温度共に上昇する厳しいコンディションの中、午前11:30、伝統のル・マン式スタートで一斉にライダーが駆け出し、2012年の鈴鹿8耐決勝レースがスタートしました!
ホールショットを奪ったのは2番グリッドヨシムラ スズキ レーシングチーム#12ジョシュ選手。続いてF.C.C. TSR Honda#11ジョナサン選手、MuSASHi RT HARC-PRO.#634清成選手の順に第1コーナーに進入します。東コースで#634清成選手が、最終シケインでMONSTER ENERGY YAMAHA-YART #7 中須賀選手が、#11ジョナサン選手をパスしてそれぞれ順位を上げます。オープニングラップは、#12ジョシュ選手、#634清成選手、#7 中須賀選手、#11ジョナサン選手、TOHO Racing with MORIWAKI #104山口選手のトップ5オーダー。そして2周目、#634清成選手はなんと7秒台のラップタイム2分07秒943で前を行く#12ジョシュ選手を猛追します。
3周目にHonda Team Asia亀谷選手が緊急のピットイン。マシンを修復してコース復帰します。6周目の第1コーナーで#634 清成選手が#12ジョシュ選手をとらえてトップ浮上!近年の鈴鹿8耐は8時間のスプリントレースと呼ばれるくらいハイペースで周回します。今年は早くも7周目にバックマーカー(周回遅れ)が出てきます。8周目#7中須賀選手が#12ジョシュ選手をかわして2番手浮上します。そして9周目のシケインで#634清成選手をとらえて#7中須賀選手がトップ浮上します。#634清成選手と#7中須賀選手はバックマーカーが出てくる中、2分8秒台から9秒台前半のハイペースで周回を重ねます。しかし18周目の130Rで#7中須賀選手が転倒を喫し、#634清成選手がトップに立ちます。#7中須賀選手は40分かけてマシンを手押しでピットまで戻ってきます。これでトップ#634清成選手、2番手#12ジョシュ選手、3番手#11ジョナサン選手のオーダーとなります。24周目、6番手走行中の#104山口選手がピットイン、高橋裕紀選手にライダーチェンジします。
そして25周目、トップ3チームが同時ピットイン。MuSASHi RT HARC-PRO.は青山博一選手に、ヨシムラ スズキ レーシングチームはレオン・キャミア選手に、F.C.C. TSR Hondaは秋吉耕佑選手に、それぞれライダーチェンジ。3台同時にピットアウト!オーダーは変わりません。ライダーチェンジ後のアウトラップ、130Rで#11秋吉選手が#12 レオン選手を捉えて2位浮上します。その後も勢いを緩めず猛プッシュする#11秋吉選手、30周目には2分08秒633と8秒台でラップします。トップを走る#634青山選手より約1秒速いラップタイム。そして32周目の最終シケインで#634青山選手のインを刺してついに#11秋吉選手がトップ浮上します。しかしこの後、#11秋吉選手のペースが安定しません。一度は抜かれた#634青山選手が差を詰めてトップを奪ったかと思うと#11秋吉選手が抜き返します。単独3位を走行する#12レオン選手は2分11秒後半から12秒前半の安定したラップタイムを重ね、いよいよ各チーム2回目のライダーチェンジを迎える周回となります。
50周目、市販キットマシンで参戦するTOHO Racing with MORIWAKIが手島雄介選手へライダーチェンジをします。そして52周目、またもやトップ3チームが同時ピットイン。F.C.C. TSR Hondaは#11ジョナサン選手へ、MuSASHi RT HARC-PRO.は#634高橋選手へ、ヨシムラ スズキ レーシングチームは#12ジョシュ選手へそれぞれライダーチェンジ。オーダーは変わらずにコース復帰します。54周目、エヴァRT初号機トリックスターがピットイン、左側のステップの交換に時間を要し1分30秒後に井筒仁康選手にライダーチェンジしてコース復帰します。しかしその翌周#01井筒選手が緊急ピットイン、ガソリンタンクから漏れていたようです。この2度のトラブルによりエヴァRT初号機トリックスターは13位まで順位を落としてしまいます。そして場内がざわめきます。ヨシムラ スズキ レーシングチームにストップアンドゴーのペナルティ掲示。前のスティントで#12レオン選手が黄旗無視2回してしまったためのペナルティ。#12ジョシュ選手59周目にペナルティを受けトップから約2分遅れでコース復帰しますが4番手のポジションはキープしています。76周目、TOHO Racing with MORIWAKIが山口選手へライダーチェンジをします。
そして迎えた81周目、奇しくも3チーム同じタイミングでライダーチェンジです。しかしここで#11ジョナサン選手が突然のスローダウン。原因はガス欠らしく惰性でピットロードに入ってきます。その間に#634高橋選手がパス、#634清成選手にライダーチェンジをしてトップでコース復帰します。ヨシムラ スズキ レーシングチームは#12青木選手にライダーチェンジ。F.C.C. TSR Hondaは#11秋吉選手にライダーチェンジします。#634清成選手と#11秋吉選手は14:00を過ぎ、路面温度が60度近くに達しているコンディションの中で2分8秒台、9秒台のラップタイムで周回を重ねます。96周目、#12青木選手のマシンから白煙が上がりペースが2分14秒台にまで落ちます。悔しそうにピットロードを降りてきます。マシントラブルのため緊急ピットイン。この修復に14分かかり再び#12青木選手がコースインしますがポジションを4番手から25番手まで下げてしまいます。101周目、ここまで順調にラップを重ねて5番手を走行しているTOHO Racing with MORIWAKIが高橋選手へライダーチェンジをします。108周目、MuSASHi RT HARC-PRO.は#634清成選手から#634青山選手へライダーチェンジ、109周目、F.C.C. TSR Hondaは#11秋吉選手から#11ジョナサン選手へライダーチェンジします。108周目エヴァRT初号機トリックスターも#01芹沢選手から#01出口選手へライダーチェンジします。
スタートから4時間後が経過、レースも折り返しを迎える108周終了後のトップ10の順位は以下の通りです。
| 順位 | チーム |
|---|---|
| トップ | MuSASHi RT HARC-PRO. |
| 2番手 | MF.C.C. TSR Honda |
| 3番手 | SUZUKI ENDURANCE RACING TEAM |
| 4番手 | BMW MOTORRAD FRANCE 99 |
| 5番手 | TOHO Racing with MORIWAKI |
| 6番手 | Moto Map SUPPLY |
| 7番手 | エヴァRT初号機トリックスター |
| 8番手 | YAMAHA FRANCE GMT94 |
| 9番手 | Honda鈴鹿レーシング |
| 10番手 | テルル&イー・モバイル★Kohara RT |
レース折り返しを過ぎたこの第5スティント、#11ジョナサン選手が#634青山選手より約2秒も速いラップタイムで猛追します。 そして123周目の最終シケインでついに#11ジョナサン選手がトップを奪い返します。126周目 TOHO Racing with MORIWAKIがピットイン、高橋選手から手島選手へライダーチェンジします。136周目、またもやトップ2チームが同時ピットインです。F.C.C. TSR Hondaは#11ジョナサン選手から#11秋吉選手へ、MuSASHi RT HARC-PRO.はここで勝負に出ます、本来#634高橋選手のスティントのところを#634清成選手を起用します。しかし、そのアウトラップのデグナーカーブでなんと#634清成選手が転倒!フルタンクから漏れたガソリンに引火、マシンが大炎上、場内に戦慄が走ります。 #634清成選手はなんとか自力で立ち上がり、消化剤にまみれた炎上したマシンを手で押してピットへ帰ろうとします。 #634清成選手の転倒・炎上でセーフティカー2台が出場する事態となりレースは一時中断状態となります。自らもガソリンの引火で火傷を負い、ボロボロの身体になりながらも「なんとしてもスタッフのいるピットへ帰る」その一念だけで#634清成選手は渾身の力でマシンを手で押して帰ります。場内からは悲鳴にも似た大声援と拍手がわき起こります。
セーフティカー解除後の順位は、
| 順位 | チーム |
|---|---|
| トップ | F.C.C. TSR Honda |
| 2番手 | SUZUKI ENDURANCE RACING TEAM |
| 3番手 | BMW MOTORRAD FRANCE 99 |
| 4番手 | TOHO Racing with MORIWAKI |
| 5番手 | Moto Map SUPPLY |
| 6番手 | Honda鈴鹿レーシングチーム |
| 7番手 | YAMAHA FRANCE GMT94 |
| 8番手 | エヴァRT初号機トリックスター |
| 9番手 | テルル&イー・モバイル★Kohara RT |
| 10番手 | Team Motorrad 39 |
のトップ10です。153周目、TOHO Racing with MORIWAKIが手島選手から山口選手へライダーチェンジ。Honda鈴鹿レーシングチーム#25徳留選手の背後にエヴァRT初号機トリックスター#01井筒選手が迫りテール・トゥ・ノーズのバトルが展開され、ヘアピンで#01井筒選手がかわして5番手に浮上します。163周目、F.C.C. TSR Hondaは#11秋吉選手から#11ジョナサン選手へライダーチェンジします。ここでHonda鈴鹿レーシングチームに30秒のストップアンドゴーペナルティが科せられます。セーフティカー規制中の追い越し違反によるもので、このペナルティにより8番手まで順位を下げてしまいます。エヴァRT初号機トリックスターは5番手で井筒選手から#01芹沢選手選手へライダーチェンジです。
レースもあと残り1時間半、次第に夕闇迫るサーキットで2番手走行していたSUZUKI ENDURANCE RACING TEAMバンサン・フィリップ選手が転倒、TOHO Racing with MORIWAKIが3位表彰台圏内に浮上します。 178周目、TOHO Racing with MORIWAKIは山口選手から高橋裕紀選手へライダーチェンジ。190周目F.C.C. TSR Hondaは最後のライダーチェンジで#11秋吉選手がトップでコース復帰します。 ここで、マシンが炎上ボロボロになりながらもピットに戻り懸命の修復作業を続けていたMuSASHi RT HARC-PRO.が高橋選手のライディングでコースに復活します。 会場からはわれんばかりの大歓声と拍手が沸き起こります。 2番手のBMW MOTORRAD FRANCE 99が最後のライダーチェンジ後ピットアウトしようとしたところで突如マシンをガレージに戻します。 この間にTOHO Racing with MORIWAKI、エヴァRT初号機トリックスターがコントロールラインを通過、2位、3位に順位を上げます。189周目、エヴァRT初号機トリックスターがピットイン、芹沢選手から出口選手へ最後のライダーチェンジ、4位でコース復帰です。チェッカーまであと45分というところでヨシムラ スズキ レーシングチームに再び悲劇が襲いかかります。一時は25位まで順位を下げたヨシムラ スズキ レーシングチームが#12ジョシュ選手の好走、そして#12青木選手は最終スティントをなんと2分9秒台のハイペースでラップ、順位を12番手まで上げてトップ10圏内が見えてきた矢先、ヘアピンで白煙を上げながらストップ。駆動系のトラブルです。オフィシャルからリタイア届けにサインするように促された#12青木選手はサインを拒否します。なんとしてもピットまでマシンを戻して修復、チェッカーを受ける、これは誰もが同じ思いです。 しかし、チームから提出されたリタイア届けによりヨシムラ スズキ レーシングチームの第35回鈴鹿8時間耐久ロードレースに幕が下ろされました。192周目、TOHO Racing with MORIWAKIがピットイン。高橋裕紀選手が2スティント、チェッカーまで走行します。タイヤ交換せず給油のみのスプラッシュ&ゴーで2位をキープしたままコース復帰します。
19:00を回り、残り30分。今年はこの30分間にドラマが待っていました。3位走行の94 YAMAHA FRANCE GMT94に#01出口選手が猛追をかけます。サーキットに夜の帳がおりた暗闇の中を#01出口選手はなんと2分11秒台の信じられないタイムで走行します。#94デビッド・チェカ選手と#01出口選手は夜間走行とは思えない一進一退、サイド・バイ・サイドのバトルを20分間以上続けます。この白熱したバトルに会場内は騒然、大歓声が上がります。しかし、チェッカーまであとわずか3分、エヴァRT初号機トリックスターのエンジンが悲鳴を上げます。白煙を上げながらデグナーカーブのグリーンにマシンを止める#01出口選手。あと3分、あと2周、エンジンが保ってくれれ ば。エヴァRT初号機トリックスターの熱い闘いはここで幕を閉じました。
そして19:30、8時間の長く熱い闘が終わります。F.C.C. TSR Hondaの#11秋吉選手が215周の激闘を制して栄光のチェッカーを受けます。優勝はF.C.C. TSR Honda 秋吉耕佑/ジョナサン・レイ/岡田忠之選手組!F.C.C. TSR Hondaは鈴鹿8耐2年連続優勝を達成しました。市販キットマシンで闘いに挑んだTOHO Racing with MORIWAKI 山口辰也/高橋裕紀/手島雄介選手組が見事2位表彰台を獲得しました。
ブリヂストンタイヤ装着車は7年連続の優勝をおさめました。そしてワン・ツーフィニッシュの快挙を達成しました。みなさまのご声援ありがとうございました。
鈴鹿8時間耐久ロードレース。チームの戦略に沿ってライダーは1周を決められたラップタイムで周回します。想定タイムで周回するには、わずか数センチのラインを目指し、コンマ何秒ものミスも許されません。さらに、10周を過ぎる頃からコース上にはバックマーカーがひしめき、その合間を縫って走行しなければなりません。その集中力を1時間、そしてチームは8時間も保たなければなりません。闘う者にも観る者にも過酷なレースです。しかし、過酷だからこそゴールした瞬間の感動は言葉では言い表せません。参戦するからにはどのチームも勝利を狙います。そして来年にむけての闘いのスタートは既に切られています。この素晴らしいレースをぜひサーキットの現場で、みなさんの目で、耳で、感じて、同じ感動を味わって欲しいと思います。
2012年 鈴鹿8時間耐久ロードレース第35回大会決勝上位10位の結果は以下の通りです。
| 順位 | チーム | 選手名 | タイヤ |
|---|---|---|---|
| 優勝 | F.C.C. TSR Honda | 秋吉耕佑/ Jonathan Andrew REA/岡田忠之選手組 | BS |
| 2位 | TOHO Racing with MORIWAKI | 山口辰也/高橋裕紀/手島雄介選手組 | BS |
| 3位 | YAMAHA FRANCE GMT94 | David CHECA/ Matthieu LAGRIVE/ Matthieu LAGRIVE選手組 | MI |
| 4位 | Moto Map SUPPLY | 今野由寛/津田拓也/民辻啓選手組 | DL |
| 5位 | Honda鈴鹿レーシングチーム | 徳留和樹/安田毅史/北口浩二選手組 | BS |
| 6位 | Honda DREAM RT 桜井ホンダ | Wayne MAXWELL /Jamie STAUFFER選手組 | BS |
| 7位 | テルル&イー・モバイル★Kohara RT | 辻村猛/野田弘樹/渡辺一馬選手組 | BS |
| 8位 | Team Motorrad 39 | 酒井大作/寺本幸司/矢木清貴選手組 | BS |
| 9位 | BMW MOTORRAD FRANCE 99 | Sebastien GIMBERT/Erwan NIGON/Damian CUDLIN選手組 | MI |
| 10位 | HONDA TT LEGENDS | CameronDONALD/John McGUINNESS/Jason Mark O'HALLORAN選手組 | DL |