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「ポストコロナの行方/音楽とスポーツと僕らのこれから」

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今、スポーツだけでなくさまざまな分野において夢を追いつづけることが難しくなっています。そんな中、2020年12月に実施されたのが、ライブ番組「Dream Studio by TEAM BRIDGESTONE」。チームブリヂストン アスリート・アンバサダーをはじめ、さまざまな分野で活躍する9人の豪華出演者たちが、時代に向き合いながら夢や目標へと挑戦することをテーマにトークセッションを行う番組です。最初のセッションは「ポストコロナの行方/音楽とスポーツと僕らのこれから」をテーマに、チームブリヂストンの萩野公介選手(水泳・競泳)、いきものがかりリーダーの水野良樹さんが対談。ちなみに萩野選手は、合宿中の長野県東御市からリモートでの出演となりました。

泳ぐこと、演奏することのあり方を考え直した2020年。

トークは、ふたりの出会いを振り返るところから始まりました。水野さんが萩野選手の存在を知ったのは、2012年のロンドンオリンピックの時。いきものがかりの『風が吹いている』が、NHKのロンドン2012放送テーマ曲になったこともあり、大会開催中に現地へ。萩野選手の試合を観戦することはできませんでしたが、銅メダルを獲ったという一報を聞き、そこからご縁が始まったといいます。

萩野公介 × 水野良樹 in Dream Studio by TEAM BRIDGESTONE

2020年は新型コロナの影響で不測の事態に見舞われた年となりましたが、ふたりにとってどんなことが印象に残っているのでしょうか? 萩野選手にとって大きな出来事となったのは、東京2020オリンピック・パラリンピックの延期です。練習や試合は自粛を余儀なくされ、大会が再開しても無観客での開催が続きました。「お客さんが不在の中で泳ぐのは今までにない状況でした。次は何を目標に頑張ったらいいんだろう、次の大会はいつあるんだろうと思い、競技のあり方をイチから考え直した年だったのかなと思います」と萩野選手。一方、水野さんもライブができなくなったことが印象に残っていると話し、「お客さんの前で演奏できないのはつらいことです」と心情を明かしました。

夢を後押ししてくれるのは、仲間やライバルたち。

萩野選手が水泳を始めたきっかけは、母親に連れられて生後6ヶ月からベビースイミングに通ったこと。小学校の頃から全国大会出場を目標にし、出場するなら勝ちたいという思いで一生懸命練習していたそうです。「本当は野球やサッカーなどもっといろいろなスポーツをやりたかったんですけど、基本的に運動音痴なので、試そうにもあまりにもへたくそすぎて次に進まなかったんです(笑)」。一方で水野さんは、小さい頃はプロ野球選手に憧れていたんだとか。「でも、母は僕にピアノを習わせたくて、楽器も買ってくれたんです。さらに小学校5年生の時の担任がギターを弾く先生で、演奏する姿に憧れて音楽の道を志しました」

萩野公介 × 水野良樹 in Dream Studio by TEAM BRIDGESTONE

その話を聞き「ギターを弾かれる先生とは、運命的な出会いだったのかもしれないですね」と萩野選手。「そういう出会いのひとつひとつが、大人になっていく時の夢や進路につながるような、大きな影響をもつのかなってすごく思いました」

一方で萩野選手が運命を感じるのは、仲間でもありライバルでもある選手たちとの出会いです。「これまでともに歩んできた選手やその時々の彼らの泳ぎが、自分の人生に影響していると思います」。合宿や練習をしながら、誰よりも長い時間をともに過ごしている仲間たち。お互いに大きい存在でいられたらいいと話します。それは水野さんも同様。「お互いに胸を張れるもの同士でいるのはいいですよね。僕はグループで活動していますけど、ボーカルの吉岡(聖恵)にいい曲だって思ってもらいたいですから」。そして、いい意味での競争が互いを成長させるのだそう。

コロナ禍でライブができなくなっている音楽業界ですが、その影響について、水野さんはこう話します。「お客様に対してはもちろん、ライブができないと仲間たちも大変な状況なんですよ。ライブは僕たちだけで作っているわけではなくて、舞台チームやPAチーム、会場をおさえるイベンターチームなど、多くの人がライブという興業に関わっています。その人たちみんながつらい思いをする状況は苦しいですね」。一方で、希望も見えてきたと続けます。「お客様のほうから待ってるよって言ってもらえたり、この状況をなんとかするためにいろいろなアイデアを出し合っていたりはするので、その前向きな気持ちをどうにかつなげていけたらいいかなって思いますね」

スポーツと音楽、コロナ渦で引き立つエネルギー。

萩野公介 × 水野良樹 in Dream Studio by TEAM BRIDGESTONE

東京2020オリンピック・パラリンピック延期による、選手のモチベーションの話題へ。萩野選手は一年延びたことは自分にとってプラスととらえたいと話します。「コロナの影響で練習がなかなかできない状況により、泳げることは当たり前のことじゃないと思うことができました。さきほど水野さんがおっしゃったようにこういう時期だからこそ、人とのつながりがあたたかく感じられるようになり、がんばりたいという気持ちが前よりも素直に出てくるようになったんです」

水野さんは、すべての人が当事者で、すべての人がいろいろなレベルで、いろいろな意味で苦しい思いをしているコロナ禍で、多くの人に夢を与える立場にもあるのがアスリートだと言います。「アスリートとしては、どういう使命を感じていますか?」。水野さんの問いかけに萩野選手はこう答えます。「僕自身、やはりスポーツにしかできないことがあると思います。暗いニュースが多い中で、誰かがいい記録を出したり、いい演技をしたというニュースがあったりするだけで、私も頑張ろうって思ってくださる方はいらっしゃるんじゃないかと思いますし。だからこそ頑張っていい泳ぎをして、少しでも見ていてくださる方に泳ぎからエネルギーを伝えられるようにしたい。それが今の目標です」

萩野公介 × 水野良樹 in Dream Studio by TEAM BRIDGESTONE

「スポーツファンとして、みんなで一緒に観て応援するものがあることは素晴らしいですよね。スポーツじゃないとできないことです」そう話すのは水野さんです。「一緒に悔しさを分かち合い、気分を味わわせてもらうっていうか、そこで生まれる物語がたくさんあるのかなって」。もちろん勝負の世界は勝ち負けもありますが、いろいろなドラマを見せてくれるアスリートのみなさんはやっぱり素晴らしいと感じるのだそう。

そして話題はスポーツから音楽へ。コロナ禍だからこそ音楽が持つ人に対するエネルギーについて、水野さんはこう話します。「僕らの『YELL』という曲が、今年いろいろなところで流れたんですね。卒業式や入学式ができない学生が多かったりして。そこでこの歌がスポットを浴びて、多くの学校で歌われたんです」。音楽は作った本人の意思よりも曲のほうが成長してくれたり、勝手にいろいろな役割を背負ってくれたりすると話す水野さんはこう続けます。「今年はどうしても地元に帰れないとか、本当だったら対面でさよならを言えた人にさよならを言えないとか、どうしても叶わなかった思いが多い一年だと思うんです。叶わなかったところをちょっと補うものとして、僕たちだったら『YELL』という曲が、みんなの空洞を埋めるものとしてあったんじゃないかなと」

思いを継ぎ、物語を継いでいく
それぞれの夢に向かって。

最後はこれからの夢の話に。萩野選手の夢は、どれだけ自分の泳ぎで自分の人生を表現できるか。「観た方が心から感動してくれるように、僕はただ全力で泳ぎに集中することしかできません。それを突き詰めていくことが今一番の僕の夢ですね」

萩野公介 × 水野良樹 in Dream Studio by TEAM BRIDGESTONE

一方で水野さんは自身の夢についてこう話します。「たくさんの曲を残したいという思いが強いですね。もうすぐ40代に入る中で、自分の人生の残り時間を考えるようになっていて。一曲でも多く残して、自分の想像を超えて、多くの人のためになる曲を出せたらいいなと思います」。音楽は、時間を越えて未来へ残していくことができるもの。そこには"ロマン"があるのだそう。水野さんは続けます。「僕が仮に死んでも曲は残るんですよ。こんな世界になってほしいなとか、人と人はこういう風に想い合ってほしいなっていう願いみたいなものは、僕が死んでしまえば伝える人がいなくなってしまうけど、曲が残れば、たとえ僕が書いたことが忘れ去られても、その思いだけはつながっていくのかなって」。そして、それはスポーツも同じだと話します。「萩野選手が一生懸命、競技に身を捧げた物語っていうのは何度も振り返られると思うんですよね。あの時萩野がメダルをとった! とか、その時俺はこんなことしてたとか。たぶん萩野選手が現役を引退されてもずっと続いていくと思います」

「つながっていく思いであったり、育っていくことであったりとか。そこでプツって終わらないで、それぞれがまた進んでいくわけじゃないですか」と萩野選手。だからこのコロナ禍を経験して、いろいろな方がまたそれぞれの道を進む中で成長していくのだと、萩野選手は強く感じたそう。それを受け、オリンピック・パラリンピックの素晴らしさは物語が続いていることだと話す水野さん。「何十年も前から四年に一度行われていて。延期も新しい物語だと思っています。どんなにキレイごとだと言われても、違う考えをもった人たちが一緒に競技をしたり、応援し合ったりしていることは素晴らしい。その物語を続けたいですよね」

萩野公介 × 水野良樹 in Dream Studio by TEAM BRIDGESTONE

「東京2020オリンピック・パラリンピックの実現を信じながら、萩野さん、トレーニングを頑張ってください。ご活躍を祈っています」「ありがとうございます。水野さんもたくさん曲を作っていただき、僕たちに届けてください」と、最後はお互いに未来に向けてYELLを交わしたふたり。ポストコロナへの期待や、スポーツやエンタメの今後について、少しだけ明るい希望を抱くことができるセッションとなりました。

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