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どこまでも行こう

#Chapter 1 「義足用ゴムソール」

いつでもどこでも、
最大限のパフォーマンスを。
それはクルマであろうが、
アスリートであろうが変わらない。

ブリヂストン社員 小平美帆 / 2019.3.20

見ることから始まる
私たちの挑戦

ブリヂストンで働く人間には、ほかの企業にはない変わった特徴があるかもしれません。

それは「よく見ること」。

私たちが扱っている「タイヤ」や「ゴム」の多くは、様々なものを下から支えています。クルマやバイク、飛行機のタイヤは唯一地面と接する場所ですし、免震ゴム事業で使われているゴムは建物を土台からサポートします。

私たちはまず現場に出向いて、モノ・コトをよく見て、問題を見つけ、それに応える技術を開発するーー

本連載では、ブリヂストンに宿る技術への情熱やこだわりを、担当者へのインタビューを通じて掘り下げていきます。

今回取り上げる、パラトライアスロン選手・秦由加子さんに提供している「義足用ゴムソール」(非売品)は、まさにそんな私たちの姿勢を体現したモノのひとつ。

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秦 由加子YUKAKO HATA

パラトライアスロン

1981年千葉県出身。13歳で骨肉腫を発症し、右足の大腿部切断。その後スポーツから遠ざかっていたが、2008年に障がい者水泳チームで水泳を再開。2012年のロンドンパラリンピックを目指すも出場が叶わず、パラトライアスロンに転向。わずか4年でリオデジャネイロ2016大会の切符を手にした。

(所属)キヤノンマーケティングジャパン・マーズフラッグ・稲毛インター

“足元を支えるものなら何でも”の私たちですが、義足用ゴムソールは人をダイレクトに支える部分。従来とは異なるアプローチも必要でした。それをどのように乗り越えていったのでしょうか。プロジェクトに関わる先端技術創出第2部・小平美帆に話を聞きました。

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小平美帆 ブリヂストン先端技術創出第2部

ブリヂストンの得意領域に
パラアスリートの「困りごと」があった

ーー小平さんのチームでは、パラアスリートを技術的に支援する活動を行なっています。そのひとつが、パラトライアスロン選手・秦由加子さんへのサポートですが、そもそも「義足用ゴムソール」というのは何でしょうか?

小平美帆(以下小平) 簡単に言うと、義足と地面が接する部分のパーツです。パラアスリートの使用する用具にはゴムや高分子材料が多く使われていて、それらを用いて身体の動きをコントロールします。そもそも「ゴム」や「高分子材料」はブリヂストンが得意とする分野。義足用ゴムソールの「ゴム」のパフォーマンスを最大化することが、パラアスリートのパフォーマンス向上に貢献することにつながるのではないか?と仮説を立て、プロジェクトを進めていきました。

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義足用ゴムソールは義足で地面と接地している部分に装着するパーツ

ーー「仮説を立て」ということは、最初から義足用ゴムソールを作ることが決まっていたわけではなかったのですか?

小平 はい。私の所属する技術創出第2部は、例えば世の中の「困りごと」をブリヂストンの強みや技術を活用して解決できるようにアイディア創出と実現可能性検討を行っています。その中でパラアスリートの方が多くの困りごとを持っていることを知りました。その一つが「義足用ゴムソール」でした。

ーー具体的にどのような「困りごと」があったのでしょうか?

小平 秦選手の場合、パラトライアスロンの「ラン」の場面で困りごとを抱えていました。レースでは白線のあるアスファルト、コンクリート、石畳といった様々な路面を走らなくてはならず、足元を気にしてしまい、走る力を存分に発揮できないという悩みを持っていたのです。

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パラトライアスロンは様々な路面を走るため、どんな路面でも安心して走れる義足用ゴムソールが求められた

極限の場面での「信頼性」を
技術によってサポートする

ーー路面コンディションによらず、理想の走りをサポートする。まさにブリヂストンのやってきたことにつながるわけですね。

小平 そうです! タイヤは地面が濡れていようが、石畳であろうが、最高の性能を提供できなければ、お客様の信頼を獲得できません。アスリートも同じように感じました。ギリギリの場面で、ベストを出し切らなければ勝つことができません。必要以上に路面を気にしていたら競技に集中できなくなってしまいます。それを私たちの技術で、安心して思い切り走れるようにサポートできたら、という思いで開発しました。

ーー実際に、秦選手はそのソールで、大会(ITUパラトライアスロンワールドカップ サラソタ大会)でも優勝しました。

小平 それは秦選手の練習の成果と実力によるものだと思いますが、そこに私たちの技術が貢献できていたら幸いです。でも、選手は日々進化しています。その進化を加速してもらえるように私たちももっと努力していかないといけません。

私たちのプロジェクトでは、「ひと対ひと」のコミュニケーションが重要です。タイヤの場合は、数値で得られる技術的な結果と、ドライバーのフィーリングという非科学的なフィードバックを突き合わせながら、より良いものができるように取り組んでいます。ですから、「義足用ゴムソール」という新しい分野への挑戦においても、選手とのコミュニケーションを通じてより良いソールが提供できるようブラッシュアップしています。

同時に、「ひと対ひと」と同じぐらい重要なのが「対現場」。競技場で練習場で、どのように使われて、何が起こっているのかを把握してフォローアップする。選手とブリヂストンの技術をつなぐことが、選手と応援するすべての人の架け橋につながる。そんな思いでプロジェクトに携わっています。

ーー秦選手からは、どんなリクエストがきていますか?

小平 新しく「グリップはそのままで3~4か月使いたい」というリクエストをいただきました。義足用ゴムソールは使うほど摩耗してパフォーマンスが低下します。トップアスリートであればなおさら、海外遠征や合宿などがあるので、新しいソールに交換するタイミングが気になります。そこで今度は、交換頻度をなるべく少なくするため、より長く使えるソールを開発しました。

路面が「どこ」だとすれば、天候は「いつ」。どこでもいつでも最大限のパフォーマンスを出したい。その思いを持って挑戦する人を支えたい。それが私たちのチームの使命でありますし、それはブリヂストン全体の使命であると思います。

私たちの技術が
アスリートに寄り添えること。
それが私たちの誇り

さて、今回のインタビューはここまで。小平の熱い情熱は伝わったでしょうか。ブリヂストンはタイヤをはじめとして、ゴムの技術を磨くことで人々の暮らしを支えています。

一方で、私たちの技術がアスリートの挑戦を後押しできる。

本プロジェクトを通じ、私たちはその点にも誇りを持っています。形を変えながらも最大限のパフォーマンスを。ブリヂストンはその姿勢を今後とも貫いていきます。

<本サイトの画像は、CHASE YOUR DREAMからの出典です>

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<本サイトの画像は、CHASE YOUR DREAMからの出典です>

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