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どこまでも行こう

#Chapter 2 「免震ゴム」

「想像力」がゴムを進化させ、
建物を、そして、人を支える。

力を逃さず伝えるのが「タイヤ」
力をうまく逃がすのが「免震ゴム」

ブリヂストンが免震建物用の「免震ゴム」を作っていることをご存知でしょうか? 建物を硬く強くする「耐震」、ダンパーなどを建物内に埋め込む「制震」とは違い、ゴムを建物の土台部分(※)に設置して、ゴムの力によって地震の揺れを受け流すのが免震ゴムです。
※:用途・目的に応じて設置箇所は異なります

免震/制震/耐震の違い。

免震/制震/耐震の違い。耐震は柱や梁の損傷で地震エネルギーを吸収、制震は制震部材(ダンパーなど)で地震エネルギーを吸収するのに対し、免震は建物と地盤の間に据え付けた免震部材(免震ゴムなど)が地震のエネルギーを受け流し、吸収する仕組みだ

免震建物と従来型建物の揺れ方の比較。

免震建物と従来型建物の揺れ方の比較イメージ。右の従来型建物は建物自体が揺れ、緑色の液体が大きくうねっているのが、免震建物は免震ゴムが自身の揺れを吸収し、ほとんど建物も緑の液体も動いていないのがわかる

その業界シェアは国内トップシェアとなる約半分(※)で、国内外実績約2,100件(2018年末までの累計)。直近では、東京オリンピック・パラリンピックの水泳競技が行われる「東京アクアティクスセンター」にも私たちの免震ゴムが採用されています。

※ブリヂストン調べ

東京アクアティクスセンターにもブリヂストンの免震技術が採用されている。

現在建設中のアクアティクスセンター外観。ブリヂストンの免震ゴムが採用されている。ユニークなのは建物(スタンド)と屋根の間に免震ゴムを設置する工法を用いられている点。アスリートが安心して集中して競技できるように、そして利用者が安心して観戦、応援できるよう陰ながら支える。

クルマのタイヤでは、「ゴムの技術を使って、いかにエネルギーを逃さず地面に伝えるか」と常に向き合う私たちですが、免震ゴムでは、「ゴムの技術を使って、いかにエネルギーを逃がして建物に伝え難くするか」と闘っています。一見、真逆のように見える技術にどのような熱い思いが隠されているのでしょうか。化工品開発第1本部免制震開発部の神田智之へのインタビューから明らかにしていきます。

化工品開発第1本部免制震開発部の神田智之へのインタビュー

免震ゴムは「ミルフィーユ状」
不思議な構造をしている

ーーブリヂストンの免震ゴムの歴史について教えてください。

プリヂストンでは1981年に免震ゴムの研究開発を開始し、1984年には日本初の免震建物である千葉県の八千代台住宅に「積層ゴム」を納入しました。1995年の阪神・淡路大震災で免震構法の効果が実証され、免震建物の需要が高まったことを機に増産体制を整備して現在に至ります。

――「積層ゴム」とは一般の人には耳慣れない言葉です。

積層ゴムは、「薄いゴムの層」と「鉄板」を交互に接着したもので、免震用に使用するものを「免震ゴム」と呼びます。地震の際には、このゴムの部分が変形することで地震のエネルギーを受け流し建物に伝え難くします。

免震ゴムは「ミルフィーユ状」不思議な構造をしている

免震ゴムの断面サンプル。黒い部分がゴムで銀色の部分が金属の鉄板。ミルフィーユ状に重ねていくので「積層ゴム」とも呼ばれており、ゴムと金属を接着する際に高い技術が求められる

――免震ゴム技術は地震が発生して初めて効果がわかるテクノロジーです。免震ゴムの性能はどのように評価しているのでしょうか?

様々な実験や評価を行っています。例えば、ゴムの劣化を予測する実験。建物は一般的に60年程度の耐用年数が求められます。そのため、劣化を人為的に作り出して性能評価を実施。具体的には、ゴムに熱を与えることで劣化させています。また、ゴムは温度によって性能が変わります。寒い地域でも暑い地域でも期待する性能を発揮できるか、温度の違いによる性能実験も実施。もちろん、大地震を想定した変形での試験や、限界性能を調べる評価も行っています。

とはいえ、私たちが免震ゴムを開発してから、40年も経過していません。そのため、一定期間を経過した製品の性能を調査し、予測の妥当性を検証するようなアプローチも行なっています。

  • ブリヂストンの免震ゴムは全数出荷検査を実施。

    ブリヂストンの免震ゴムは全数出荷検査を実施。検査ではゴムを20cm程度変形させる。これは東日本大震災クラスの地震による変形に相当する。(変形量は地震の大きさや地域、震源からの距離等により異なります)

  • 実際に使用されている試験機

    実際に使用されている試験機

あらゆる事態を想定する
「想像力」が研究開発には不可欠

――免震ゴムを開発するうえで、どういったこだわりや想いがありますか?

私は入社以来、免震ゴム事業に携わっていますが、大きな地震のあとに、現地の状況を見て回る経験がありました。震災の直後だったので、悲惨な状況で胸が締め付けられたのが強く印象に残っています。そのとき、「何かもっと、自分たちでもっと何かできるのではないか?」という問いを自分のなかで持っていました。

あらゆる事態を想定する「想像力」が研究開発には不可欠

そうした想いがベースにあり、免震ゴムの性能を評価するときに、あらゆるケースを想定し、時には過剰とも思える厳しい条件を想定して試験を行うようになりました。先ほど申し上げた気温による性能差はもちろんですが、例えば、大雨が降って浸水した後に免震ゴムにどんな変化が起こっているのかも試験しています。

「想像力」を働かせることであらゆるケースを想定し、それをクリアできる性能を目指し、研究開発に取り組んでいく。それが私たちのこだわりです。

――神田さん自身がやりがいを感じられた場面は?

大きな地震の際に、我が社の免震ゴムを採用いただいているマンションにお住いの方から、「モノが落ちてくることもなく安心できた、免震マンションを選んで良かった」という声を聞くことができました。そのとき様々な実験評価やシミュレーションが身を結んだと思いましたし、もっと普及させることができれば社会貢献につながると感じました。

そこにあるだけで「安心」ということ、人の暮らしを「安心」で支える。それが私のやりがいになっています。

ただ、やはり平時の際には免震の効果がお伝えしにくい部分があるとも感じています。ですので、免震体験装置や免震体験車を通じて、免震の効果を試してもらい声を聞くということも行っています。

横浜市の工場内にある施設「免震館」。

横浜市の工場内にある施設「免震館」。ここでは、実際に東日本大震災や熊本地震と同じ揺れを再現できる装置が用意され、免震効果を体験できる

――話は変わりますが、自身が関わった建物は知っているものなのでしょうか?

知っていますね(笑)。担当した場合、思い入れもあるので完成して出来上がった後に、仕事とは別でちょっと見に行ったりしています(笑)

――そこには愛があるわけですね。

普段は気づかないけどもしものときには守ってくるそんな存在に

  • 普段は気づかないけど
    もしものときには守ってくれる
    そんな存在に

  • 免震ゴムに携わる人間の熱い想い、こだわりは伝わりましたか?海外でも地震対策としての免震技術の普及は着実に進んでおり、私たちの免震ゴムは日本だけでなく、海外の建物や人々も支えています。神田が言った「そこにあるだけで「安心」ということ、人の暮らしを安心で支える」――そのために、私たちは今日も高いミッションを課して挑んでいます。

今回の取材場所であるブリヂストン横浜工場の化工品技術センターでは、免震ゴムを採用しています。

免震ゴムを採用

<本サイトの画像は、CHASE YOUR DREAMからの出典です>

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<本サイトの画像は、CHASE YOUR DREAMからの出典です>

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