コンプライアンス・公正な競争

ミッション

コンプライアンスと誠実さにより
卓越した存在になる
私たちは、倫理的に意思決定し、業務全般で責任ある事業活動を実行することによって、全てのステークホルダーの皆様と信頼を築きます。

ブリヂストングループでは、「最高の品質で社会に貢献」というグループの「使命」を果たし続け、最高水準のコンプライアンスの取り組みを続けるためには、倫理観やコンプライアンス、誠実さが大変重要であると考えています。「Bridgestone Code of Conduct(行動規範)」にあるとおり、上記ミッションにある「誠実さ」には次の考え方が反映されています。「ブリヂストンがグローバル社会でその存在価値を認めてもらうために、一緒に働く一人ひとりが、日々の仕事の中で常に最高レベルの行動をしていくことが求められています……ブリヂストンの事業活動のあらゆる面において誠実さをもって取り組まなければならないということです」。

(左)木水 秀和
株式会社ブリヂストン 常務役員 コーポレートコミュニケーション・知財・法務管掌・CCO 兼 管理管掌
(右)クリストファー・ニカストロ
株式会社ブリヂストン 常務役員 ブリヂストン アメリカス・インク CLO・CCO・法務担当Executive Vice President

ブリヂストングループでは長年にわたり、地域ごとのコンプライアンス活動を効果的に行ってきました。各地域の取り組みは、現在、ブリヂストングループ全体共通の枠組みのもとに統合されています。ブリヂストングループとしての一貫性を備えつつ、地域特有のリスクに効果的に対処できる柔軟性があり、かつバランスのとれたものになるよう取り組んでいます。多岐にわたるブリヂストングループの事業内容及び各地域の地理的環境や法規制によって、各地域のリスクは大きく異なる場合がありますが、地域の取り組みは、核となる企業価値や企業方針のもと、グローバル共通の枠組みに沿って実施されています。

ブリヂストングループ全体及び各地域における、「行動規範」を含むコンプライアンスの取り組みに関する計画の策定や運営、評価及び強化については、ブリヂストンの取締役会の監督のもと各地域の経営層の協力を得て、グループグローバル・ゼネラルカウンセル(法務部門最高責任者)、チーフコンプライアンスオフィサー(CCO)、グローバル法務リーダーシップチームが主な職責を担います。ブリヂストンのCCO及びグローバル法務リーダーシップチームはこの取り組みを進めるにあたり、ブリヂストングループのコンプライアンス・公正な競争ワーキンググループ(WG)や、専任のコンプライアンス専門家で構成される各地域のチームと協力して、地域ごと及びブリヂストングループ全体で、単年及び長期のコンプライアンスに関する優先事項や目標を設定するとともに、地域及びブリヂストングループ全体のコンプライアンス活動全般の進捗を確認し、その結果を経営層に報告します。コンプライアンス・公正な競争WGは、これまでに、効果的なコンプライアンスの取り組みにおいて重要な要素や活動を慎重に検討し、短期・長期の戦略を策定し、ブリヂストングループの企業価値や企業方針に沿ったコンプライアンス文化を醸成してきました。

コンプライアンスの取り組みや企業文化を継続的に改善する責任は、ブリヂストングループの経営層だけでなく従業員一人ひとりが担うものです。そのことを踏まえ、ブリヂストングループでは、コンプライアンスの取り組みの改善プロセスにおいて、経営層と従業員で、あるいは経営層内で日常的かつオープンな対話を促すだけでなく、グループ内のあらゆる立場の従業員がいかなるときも倫理的に事業活動を行い、誠実さをもってそれぞれの役割を遂行する責任を果たし、積極的に関与することに重点を置いています。このようなリスク管理に基づく実践的なアプローチを通して、ブリヂストングループのコンプライアンスの取り組みは、事業全般にわたり真のコンプライアンス文化を醸成するものとなっています。

コンプライアンスの主な取り組み

当社グループのコンプライアンスの取り組みは、次の5つの要素から成り立っています。

  1. 1.リーダーシップ(従業員に誠実な業務を促すよう、管理者や監督者をコンプライアンスの取り組みに関与させることを含みます)
  2. 2.リスク分析(当社グループのコンプライアンスの取り組みはリスク・ベース・アプローチに基づいています)
  3. 3.ルールの策定(「行動規範」「グローバル贈収賄防止ポリシー」のほか、グローバルまたは地域のルールなど)
  4. 4.教育訓練(それぞれのリスク、研修対象者に応じて準備されたeラーニングや対面研修など)
  5. 5.モニタリング(従業員などが不正や違法行為があると疑いを持った場合に通報できる複数の窓口の設置など)

リーダーシップ

ブリヂストングループのコンプライアンス活動をはじめとする最高水準の取り組みを成功させる鍵となるのが、コンプライアンス文化を醸成、維持する支えとなる、組織全体の管理者や監督者の継続的かつ積極的な関与です。以下に、当社グループが組織全体であらゆる階層の管理者をどのように巻き込んでいるかを説明します。

取締役会

取締役会による監督と関与は、長年にわたりブリヂストンのコンプライアンスの取り組みを特徴付けるものであり、2014年にコンプライアンス委員会(社外取締役のみで構成される取締役会の諮問委員会)の設置により強化され、2016年にブリヂストンが新たなガバナンス体制に移行したことでさらに強固なものとなりました。現在では、社外取締役が様々な委員会の委員を務めており、取締役会によるコンプライアンスへの監督も、グローバル・各地域のコンプライアンスの取り組みも、これまで以上に堅固になっています。

管理者及び監督者

ブリヂストンは、コンプライアンスの取り組みの進展について経営層や管理者、監督者に定期的に情報提供し、教育しています。管理者や監督者がコンプライアンスの重要性について定期的に話し合う場を設け、管理者に様々な研修に参加してもらい、コンプライアンスを全ての戦略的計画と決定の中心に据えられるよう支援しています。また、様々な事業分野のリーダーで構成される、倫理やコンプライアンスのあり方について検討する会議体を地域ごとに置き、取り組みの方向性について助言するとともに、取り組みの有効性を確認しています。

チーフコンプライアンスオフィサー(CCO)

ブリヂストンのCCOは、コンプライアンス委員会へ定期的に報告を行っており、コンプライアンス委員会は取締役会へ定期的に答申を行っています。グローバルなコンプライアンス活動は定期的に取締役会に報告されています。グローバルなコンプライアンス活動と「行動規範」(贈賄などあらゆる種類の汚職の禁止に関する規定を含む)はいずれも、最終的にはブリヂストンの取締役会の監督下にあります。

各地域のCCOも、それぞれの地域の経営層と各取締役会に同様の報告を行います。

リスク分析

ブリヂストングループは、リスク・ベース・アプローチに基づきコンプライアンスプログラムを構築し、事業全体で真のコンプライアンス文化を促進しています。当社グループでは定期的にリスク分析を実施し、現実に直面するリスクを理解した上で、そうしたリスクに対処しこれを低減するための適切な措置を講じています。以下に、ブリヂストングループが贈賄や汚職、独占禁止に関するリスクをどのように管理しているかを説明します。

グループ全体の贈収賄防止の取り組み

ブリヂストングループは、グローバルに事業を展開する中で多種多様なリスクを想定する必要があります。その中でも、贈収賄防止は、グローバルでのコンプライアンスの取り組みにおいても、各地域のコンプライアンス教育の取り組みにおいても、中心的な課題となります。ブリヂストングループの「行動規範」では贈賄やその他の汚職に対する当社グループの姿勢を示していますが、2020年に「グローバル贈収賄防止ポリシー」を発表し、全ての従業員及び代理店・仲介業者様に期待される行動をより明確にしました。このポリシーはグローバルでのコンプライアンスの取り組みにおいて、「行動規範」を補完するもうひとつの重要な要素で、あらゆる形態の贈収賄を固く禁じるという当社グループの長年の姿勢をより強固にするものです。「グローバル贈収賄防止ポリシー」は「行動規範」に基づいており、あらゆる種類の汚職に対する当社グループの包括的な方針を伝えるもので、贈賄、ファシリテーションペイメント、贈答と接待、第三者との取引、帳簿と記録、政治献金などの問題を取り上げています。このポリシーは、各地域での対面研修及びオンライン研修や、管理者との様々なコミュニケーションを通して展開されました。また、傘下の合弁企業含む世界中の当社グループ従業員と代理店などの方々に適用され、合弁事業の中で当社グループが支配権を持っていない場合は、合弁パートナーにこのポリシーと同様の規範を定め、その内容を遵守するよう奨励しています。

以下に詳述するとおり、当社グループは、代理店・仲介業者様などによる贈賄リスクに対応するために、これらの方々に対するデューデリジェンスを実施しています。2020年には、当社グループと取引のある代理店・仲介業者様などに贈賄と輸出入関連規制に関するリスク情報がないかを審査する仕組みを新たに導入しました。「グローバル贈収賄防止ポリシー」の展開と審査の仕組みにより、当社グループでの贈収賄防止の取り組みの強化を図っています。

第三者との関係

ブリヂストングループのコンプライアンスに関する取り組みは、取引を行う第三者にも及びます。したがって、当社グループと関わりのある様々なお取引先様は、贈賄と汚職に関する全面的な禁止を含めて、「行動規範」や「グローバル贈収賄防止ポリシー」の対象となります。

ブリヂストングループのお取引先様は、2018年に策定されたブリヂストングループの「グローバルサステナブル調達ポリシー」の遵守が求められます。このポリシーはあらゆる形態の汚職や贈賄、恐喝、着服の厳禁、ならびに競争法を含む法の遵守を求めるものです。2020年末時点で、ブリヂストングループの国内外全てのレベル1及び2のお取引先様のうち、99%を超えるお取引先様に本ポリシーに賛同いただいています。

さらに、当社グループではそれぞれの第三者のリスク評価を含め適切なデューデリジェンスを実施し、第三者リスクの低減に努めています。当社グループのデューデリジェンスは、高リスクと判断される取引を伴う第三者(政府所有または政府に関係する個人や事業体、贈賄やマネーロンダリングその他の汚職のリスクが高い地域で事業を行う仲介的な役割を果たす第三者や個人、事業体など)が、デューデリジェンスの強化や継続的なモニタリング、監査の対象になるよう設計されています。

お取引先様の区分は、「調達」のページをご覧ください。

カルテル防止・独占禁止などへの取り組み

ブリヂストングループでは、カルテルなどの防止に重点的に取り組み、新入社員を含む全従業員がカルテルなどの防止のために必要な事項を確実に理解するよう取り組んでいます。現在は「行動規範」に含まれるガイダンスや要求事項に加え、地域ごとにカルテルなどを禁止する法律(以下、「独占禁止法」とします)に関するルールが整備され、カルテルの防止や独占の禁止をいかに継続的に改善・強化するかを定期的に評価しています。

各地域のコンプライアンス部門は、営業、マーケティング、人事、調達、財務、内部監査などの地域の各部署と密に連携し、市場や職場、社会全体の変化を把握して、グループ全体及び各地域のコンプライアンスの取り組みを含めて事業全体が同時に進展するように取り組んでいます。グループ全体及び各地域のコンプライアンス活動は、グループの事業や業務のあらゆる側面と複雑に関係しているため、これらの取り組みが中期事業計画を支え、反映したものとなるよう、各地域のコンプライアンス部門は積極的に対話や活動の機会を持つよう努めています。例えば、独占禁止法とそれに関するプロセスについて法律やコンプライアンスの面から継続的に助言し、独占禁止法上のリスクに直面する可能性が高い従業員を特定して研修(状況に応じて対面研修やeラーニングなど)を行っています。

また、グループ全体及び各地域のコンプライアンス活動では、プロセスと基準を定期的に評価・分析し、独占禁止法を確実に遵守するために有効かつ適切な内容となっていることを確認しています。

ルールの策定

ブリヂストングループは、当社の従業員がコンプライアンスの取り組みに基づいてどのように考え行動すべきか適切な指針を示すことを目指し、従業員が正しい行動をとる助けとなるポリシーや手続き、管理方法を慎重に評価しています。当社グループでは既存のポリシーやプロセス、手続き、管理方法を定期的に見直し、それらが狙いどおりに有効に機能しているかどうか確認しています。以下、グループの主要なコンプライアンスに関するポリシーの一部をご紹介します。

Bridgestone Code of Conduct(行動規範)

2018年、各地域の行動規範に代わり、グループ共通の「行動規範」を導入しました。これは、世界中の従業員やお取引先様、協力会社様にとって、汚職防止、独占禁止、利益相反、寄付や政治献金といった、幅広いコンプライアンス上の問題に対処する上での実践的な指針となるものです。

「行動規範」を周知する啓発ポスター・東京都小平市のブリヂストン技術センター
「行動規範」は次に挙げるような様々なテーマを対象としています。
  • 尊重と尊厳、多様性(ハラスメントと差別の禁止を含む)
  • プライバシーと個人情報、秘密情報、記録・開示・財務報告書の整合性
  • 製品の安全性と品質
  • 贈賄、汚職、利益相反、贈答と接待
  • 輸出入規制
  • 自由で公正な競争
「行動規範」の周知には、経営層のメッセージ、研修、ゲーム、ポスター、バナー、ビデオなどが用いられています。

「行動規範」は18の言語で公開されており、従業員や一般の方々は、ブリヂストンのグローバルサイトからも各地域の企業サイトからもご覧いただけます。従業員は、各地域のイントラネットでも閲覧できます。また、例えば工場や小売店のようにパソコンの利用機会が限られている場所で働く従業員には、冊子や簡易リーフレットを配布しています。

グループ全体及び各地域のその他のポリシー

「行動規範」を補足するものとして、グローバル、地域及び国ごとの方針があり、従業員は、これらの方針を社内イントラネットなど様々な手段で閲覧できます。また、ブリヂストングループの一部のポリシーについては、今後Webサイトで公開する予定です。これらの方針は「行動規範」との整合性がとれており、各地域の法令を考慮しながら、主要なテーマについて詳細かつ実践的な指針を示すものです。「行動規範」やほかのグローバルポリシーを確実に運用するために、地域ごとに手順や手続き(第三者が関わる贈答、会食、接待、出張に関連する手続きや承認の要件)を追加しています。

ブリヂストングループでは、常に改善を心がけるという姿勢のもと定期的に既存方針の評価を行います。それにより、新たなコンプライアンス・リスクに対応するとともに、適切な機会に地域や国ごとの方針をグローバルの方針として統合します。

教育訓練

従業員一人ひとりがコンプライアンスを徹底するためには、コンプライアンスに関連する、効果的かつリスクに基づく教育訓練と従業員の関与が不可欠です。こうした取り組みは経営トップから始まるものであり、各部署の責任者はコンプライアンスの重要性について日頃より言及するとともに、コンプライアンス研修や啓発プログラムにおいて積極的な役割を果たしています。

ブラジルのサントアンドレ工場で行われた「行動規範」研修の様子

2020年、当社グループは、世界中の管理者や監督者のコンプライアンスの取り組みへの関与を強化しました。経営層が様々な発信を行うとともに、地域ごとに倫理やコンプライアンスのあり方について検討する会議体を置き、様々な事業分野からリーダーを選び、従業員自らが倫理観とコンプライアンスの重要性について定期的に見直す機会を設けることを促しています。

ブリヂストングループの従業員が自らの業務に最も関連の深いコンプライアンス・リスクについて確実に学ぶことができるよう、2020年に、世界各地で17のeラーニングやライブ研修などの豊富な研修プログラムが対象グループの従業員に向けて戦略的に導入されました。従業員は販売担当者を含め、汚職防止や独占禁止・公正な競争などの問題に関する研修を受けます。汚職防止の研修では、贈賄、ファシリテーションペイメント、贈答と接待、マネーロンダリング、政治献金など、あらゆる種類の汚職に対する当社グループの方針を包括的に取り上げています。

ブリヂストングループは「グローバル贈収賄防止ポリシー」について、全従業員向けにライブ研修やeラーニングを展開しています。2020年におけるeラーニング受講対象従業員の地域別受講修了率は平均で95%でした。「グローバル贈収賄防止ポリシー」の理解を促進するため、上記に加えグループ全体でライブ研修とオンライン研修を1,806回実施し、様々なコンプライアンス関連のテーマを取り上げました。2018年以降、当社グループは従業員に対し、「行動規範」に関する数多くの教育訓練の機会を提供してきました。これらの研修はあらゆる種類の汚職や競争法を幅広く取り上げており、「行動規範」と整合性が取れた内容となっています。

コンプライアンスの取り組みに特化した啓発活動は、グローバルな共通ツールを土台にして各地域や国で行われ、その手段として、デジタルコンテンツやツールの重要性がますます高くなっています。経営層のメッセージに加え、2020年に実施された各地域や国での取り組みには、次のような様々なイベントなどがあります。

  • 日本では、グループ会社を含め全従業員を対象にアンケートを実施し、10,000人以上から回答を得ました。その結果をもとに、コンプライアンスの取り組み、「行動規範」、「グローバル贈収賄防止ポリシー」、懸念事項を報告するための様々なツール・窓口に関する理解度を測定しました。
  • 欧州、中東、インド及びアフリカを含む地域では、2020年11月に初めてのインテグリティ・デー(Integrity Day)として37のコンプライアンス関連のイベントを開催し、3,000人以上の従業員が参加しました。
  • 中国・アジア大洋州地域では、各地域の利益相反に関するポリシーを策定し、様々なトレーニングを含めたインテグリティ・デーのイベントを開催しました。
  • 米州地域では、第6回「倫理・コンプライアンス週間」の取り組みを通じて、Convercent社のCompliance Innovation Awardを受賞しました。この取り組みには、1,100人が参加したコンプライアンスに関するリーダーシップディスカッションや、Leading With Integrity Award、ゲームを活用した研修「Bridgestone Compliance Battle Royale」などが含まれます。
中国・アジア大洋州地域のインテグリティ・デー

ブリヂストングループのコンプライアンスチームは、全従業員が倫理的で法令を遵守した事業活動に従事できるよう、革新的かつ双方向での情報共有を追求し続けます。

また、役員及び一部の管理職に対して、定期的に誓約書に署名して「行動規範」とコンプライアンスの取り組みに関するコミットメントを再確認するよう求めています。誓約書の作成は、地域ごとに行われ、対象者は誓約書を定期的に(多くの場合年1回)署名することが求められます。

モニタリング

グローバルホットライン

何かが間違っているときに思い切って声を上げることも正しい行動の一つです。「行動規範」に記載されているように、ブリヂストングループの従業員には、「行動規範」や方針に対する実際のまたは潜在的な違反やその他のコンプライアンス上の懸念について報告することが求められ、管理職には、従業員がコンプライアンス上の疑問や懸念について安心して率直に指摘したり相談したりできる環境づくりが求められます。

ブリヂストングループの従業員とステークホルダーの皆様には、こうした疑問や懸念について思い切って声を上げることを後押しする様々な窓口が用意されています。窓口には、上司、人事部門、地域のコンプライアンス担当役員、法務部門や内部監査部門が含まれるほか、専用のホットライン「BridgeLine」も設けています。

「BridgeLine」はブリヂストングループから独立した専門業者が運営し、Web上または電話で通報することができるホットラインです。犯罪が疑われる行為や、「行動規範」(贈賄、ファシリテーションペイメント、贈答と接待、マネーロンダリング、政治献金、汚職防止、様々な人権侵害に関する規定を含む)やその他グループの方針や法令への違反が疑われる行為、またはその他のコンプライアンス上の懸念や疑問について、グループの全ての従業員ならびにお取引先様、お客様をはじめ、あらゆるステークホルダーの皆様が誰にも知られずに通報することができます。「BridgeLine」は、「行動規範」を含む様々な文書で広く紹介されており、従業員であるかどうかを問わず、誰でも当社のWebサイトからアクセスでき、全ての地域において年中無休で、多言語に対応しています。

社内調査

志田 義一 株式会社ブリヂストン
常務役員 BSCAP管掌

不正行為についての申し立てがどのように行われたかにかかわらず、通報があった場合、ブリヂストングループのコンプライアンスチーム、または内容に応じて適切な部署(人事や監査など)が調査します。調査の質と一貫性を確保すべく、各地域で詳細な調査の手順が整備されています。また、地域ごとに指標を設定してそのデータを追跡し、リスクのある領域や傾向を特定するとともに、社内調査の有効性についても評価します。その結果は、ブリヂストンの取締役会、国内外にある子会社の取締役会や経営層に定期的に報告されます。調査によって何らかの違反が確認された場合には、解雇を含む懲戒処分や是正措置を適切に行います。

「BridgeLine」の多言語ポスター

各地域では、「BridgeLine」のさらなる浸透を推進し、従業員が潜在的なコンプライアンス上の問題を安心して打ち明けられるような環境を奨励すべく精力的に取り組んでいます。2018年には、中国・アジア大洋州地域と欧州・ロシア・中近東・アフリカ地域のローカルホットラインのネットワークが、それぞれの地域全体で一元化されて「BridgeLine」としての通報システムに統合されました。これを契機に、「Speak Up!(声を上げよう)」というメッセージとともに、啓発キャンペーンが各地域で実施されました。

このような通報制度(ホットライン)は、従業員が通報することによって雇用上、不利益な取扱いを受けないことが保証されることによって初めて効力を発揮します。ブリヂストングループは、誠実な行動によってコンプライアンス上の問題が通報された場合には、断固として報復を禁じます。長く受け継がれているこの方針は「行動規範」に盛り込まれており、各地域や国における様々な方針にも反映されています。

2020年には、全世界で合計1,579件の通報や質問が「BridgeLine」に寄せられました。通報や質問の30~65%(地域により割合は異なる)は人事管理に関する問題でした。内訳は以下の通りであり、通報の40%超は調査によって何らかの違反が確認されました。確認された全ての違反には、解雇を含む懲戒処分をはじめとする適切な是正または再発防止措置が実施されました。汚職と独占禁止法の重要分野については、2020年に重要な通報はありませんでした。

監査

「BridgeLine」での通報に加え、ブリヂストングループは、様々な方法によって「行動規範」の遵守を審査し、コンプライアンス上の問題を発見します。例えば、不正取引、汚職、マネーロンダリングなどコンプライアンスの主要分野に関する定期的な監査、ブリヂストングループのグローバルな事業活動全般に対する約200名の法律やコンプライアンスの専門家による監督などが行われています。

コンプライアンスの取り組み及びコンプライアンス・リスクの評価

コンプライアンスの取り組みは、現存するリスクに確実に対応し、ブリヂストングループに寄せられる期待に確実に応えるよう、常に進化させ、評価されなければなりません。ブリヂストングループでは事業を展開する地域の重要なコンプライアンス・リスクを理解するために、NGOトランスペアレンシー・インターナショナルの腐敗認識指数(CPI)などの各種情報の動向を積極的にモニタリングしています。

毎年実施する事業リスクアセスメントでは、長きにわたり汚職防止や独占禁止、不正取引、差別などのコンプライアンス・リスクをはじめとする重要なコンプライアンスに関する事項を扱ってきました。また、各地域の「行動規範」や汚職防止の方針に対する違反の追跡・調査を、地域ごとに行ってきました。2018年以降、こうした追跡・調査をブリヂストングループ全体で一元的に行うようになり、2019年及び2020年には、コンプライアンス・リスクをより詳細に評価するために、コンプライアンスに特化したリスクアセスメントを各地域で実施しました。

こうした過程を経て特定した重要なリスクは、地域ごと及びブリヂストングループ全体で経営層に報告されます。高リスク地域では、汚職リスク(例えばファシリテーションペイメントや、贈答と接待、マネーロンダリング、政治献金などに関連するリスク)などの重大リスクに対する統制がなされます。こうした統制は、ブリヂストングループの事業に過度の負担をかけることなく効果的に重大リスクに対処できるよう、慎重に検討され、戦略的に実行されます。

不正取引や汚職、マネーロンダリングなどの重要な統制の有効性については、定期的な事業監査の一環として評価します。常に改善を心がけるという姿勢のもと、手順と統制について頻繁に見直しを行い最適化しています。ブリヂストングループの新しいグローバルコンプライアンス体制のもとでは、現行の手順を見直し、ベストプラクティスや不足を特定し、改善を試みる機会が数多く用意されています。

グローバルコンプライアンスの枠組みのもとでは、重要なコンプライアンス・リスクに関連する方針を見直し最適化する機会も設けられています。グローバル・コンプライアンスチームはグローバルの「行動規範」を策定する際に、各地域の現行の方針や倫理規範の有効性について評価し、不足があればその対処に努めました。グローバル・コンプライアンスチームは、コンプライアンスの取り組みを最高水準に保つという目標を実現するために、「行動規範」やコンプライアンスの取り組みについて、今後もその有効性を定期的に評価し必要に応じて更新します。

倫理的な事業活動を通して社会に貢献する

ブリヂストングループは長きにわたり「最高の品質で社会に貢献」という使命を掲げ、より良い社会の実現に貢献していきたいと考えてきました。ブリヂストングループのコンプライアンスの取り組みには、この誠実さをもって事業活動を進めていくという思いが具体的に示されており、事業活動のあらゆる面において誠実さをもって取り組む責任があることを全従業員が理解するための拠り所となっています。

このページの記載内容は英語原文を和訳したものです。原文はグローバルサイトをご覧ください。