CSR

品質・お客様価値

ミッション

お客様価値・感動を創造する
「最高の品質で社会に貢献」するという創業者の信念を引き継ぎ、私たちは、全ての事業体やステークホルダーと一緒に、積極的にお客様の品質課題を明らかにし、 改善していきます。

「品質宣言」は、創業者石橋正二郎の精神をもとに、継続的改善等のブリヂストンのDNAを次の世代へ伝承する為、私たちの目指すべき方向とぶれない軸を示すものであり、ミッションを「お客様価値・感動を創造する」、ビジョンを「イノベーションと改善で断トツの品質を達成します」と定めました。また、「品質宣言」は、製造だけでなくすべてのバリューチェーンの業務品質と、そのアウトプットとしてお客様にお届けするすべての商品・サービスの品質を対象としています。

ブリヂストンの「品質宣言」

ブリヂストンの品質に対する考え方は、創業者石橋正二郎の精神をもとにブリヂストンのDNAとして受け継がれています。創業者が第一線を退く時期に備える中で、1963年には石橋正二郎を会長、長男幹一郎を社長とする新しい経営体制に移行しました。経営移行の一環として、品質を中心としてマネジメントシステム全般の強化を図る改革計画が「デミング・プラン」と命名されました。下記は実行に移された計画を幹一郎の指示により1968年に手書きした図です。

1968年に、ブリヂストンは優れた品質管理に与えられる権威ある「デミング賞」を受賞し、その総合的品質管理の取り組みが世界的に認められました。当社グループの総合的品質管理(TQM※1)の文化は、この50年前から育まれ、継続的改善を進める文化はしっかりと受け継がれています。現在、ブリヂストングループにとって品質は、単なる一部門の機能でも、商品の品質だけでもなく、事業そのものの根幹となっています。このTQMの考え方はグループ・グローバルに浸透しており、グローバルチームによる「継続的改善のグローバルTQM文化」浸透活動が、2019年のブリヂストングループアワードを受賞したのも、この文化が継承されていることの現れです。

当社では、継続的改善を共有する場として1968年以来、事例発表会を毎年開催しています。ブリヂストングループとしては、2010年以降、「ブリヂストングループ・グローバルTQM大会」を毎年開催し、グループ全体で品質意識の浸透と、ベストプラクティスの共有を通じてTQM活動のレベル向上を図ってきました。2018年の大会には世界中から325人を超える従業員が参加し、100を超える世界各地での選抜会から選ばれた16の改善事例の発表が行われました。

ブリヂストングループでは、高品質を目指す文化を高めることを常に探求しており、以下はその事例です。

• ブリヂストングループの4つの「心構え」の一つに、現場に足を運び、自らの目で確かめて意思決定を行う「現物現場」があります。トルコの事業所では、多部門横断的なメンバーで構成される「現場ルーム」を設置することで、販売店やお客様からのお問い合わせを受けて対応するまでの時間を平均30時間から2時間未満に短縮することができました。

• ブリヂストン ヨーロッパ エヌヴィー エスエー(BSEMEA)の新しいオープンイノベーション・プラットフォーム「デジタル・ガレージ」には、IT、研究開発、販売・マーケティングの部門の従業員が結集し、柔軟かつ協働型で精度の高いアプローチが可能となり、事業やソリューションに新しい機軸を打ち出しています。

  • ※1 TQM は Total Quality Management の略。

推進体制

ブリヂストングループでは2017年に、新たな推進体制のもと、品質向上のPDCA(計画・実行・評価・改善)サイクルならびに品質管理指標のモニタリング活動をさらに強化しました。

イノベーションと改善を重ね、お客様価値・感動を創造するために、当社グループではバリューチェーン全体の品質保証体制の強化に力を注いでおり、その一例がグローバル品質経営コミッティ(GQMC)の設置です。新組織であるGQMCは、ガバナンスの強化を担うとともに、当社グループの品質宣言の目標達成を推進する役割を担います。このGQMCのもと、最高品質責任者(CQO)がより効果的なマネジメントシステムを構築し、より高度なPDCAサイクルを組織のあらゆるレベルで実行していきます。これに加えて、各戦略的事業ユニット(SBU)では商品の品質確保のために、内部監査と外部監査を通して課題を顕在化させ、継続的改善を行っています。

推進体制図
  • ※1 Global Head Office:グローバル本社
  • ※2 Global Business Support:グローバルビジネスサポート
  • ※3 Strategic Business Unit:戦略的事業ユニット
  • ※4 Mining, Aircraft, and Agriculture:鉱山、航空機、農機

VOC / VOBマネジメント

ブリヂストングループは、「プロダクトアウト」から「マーケットイン」へビジネスモデルを転換する取り組みの一環として、お客様の声(Voice of Customer: VOC)とお取引先様の声(Voice of Business Partner: VOB)の有効活用を進め、このマネジメントシステムをお客様価値の向上に生かしています。各市場での状況に合わせてその市場のVOC/VOBを把握し、お客様に最適な商品やサービスをご提供するために役立てています。

日本では、お客様相談室やその他の関連部署に寄せられたお客様の声を集約するしくみを整え、その情報を共有して商品やサービスの品質向上に生かしています。
ブリヂストン アメリカス・インク(BSAM)とブリヂストン ヨーロッパ エヌヴィー エスエー(BSEMEA)では、市場調査やネットプロモータースコア(お客様推奨度)を用いて、タイヤに対するお客様の満足度を確認し、将来の商品企画に生かしています。独自に設定したお客様価値指標(CVI)も、有効な指標として活用されています。

また、アジア・大洋州地域では、新製品開発の一助として、定期的に競合製品の市場調査を行っています。

当社グループでは、商品・サービス品質の向上と、お客様へのより一層の付加価値提供のために、ソリューションビジネスモデルやVOC/VOBマネジメントの強化を継続していきます。

バリューチェーン全体の品質保証

バリューチェーン全体

開発プロセスにおける品質保証の改善

開発プロセスを起因とした品質トラブルを未然に防止するために、ブリヂストングループでは各々の開発拠点において開発プロセスを標準化し、各プロセスのチェック体制を強化することで開発品質の向上に取り組んでいます。

日本では2011年に、開発プロセス全般における潜在的な問題点の洗い出しと改善を目的として、「開発QA※1診断」を導入し、定期診断時に抽出された課題に対処できるよう、すべてのタイヤ製品開発グループで開発プロセスを標準化しました。2016年には評価の範囲を拡大し、生産技術についても開発プロセスを標準化しました。

米州では2015年に、さまざまなお客様のニーズと総合的なブランドリスクを考慮して製品開発を行うため、6つのゲートを設定した新たな製品開発プロセスを採用しました。2017年には適用地域を拡大し、南米にも導入しました。

欧州でも新たなゲート方式の製品開発を導入しています。2016年には適用範囲を拡大して新車に装着する標準タイヤ(OE)の開発にも採り入れ、さらに2017年には、新製品開発すべてに採用しました。

※1 Quality Assurance(品質保証)の略。

開発品質保証活動の流れの図
ブリヂストン開発品質保証活動の流れの図

原材料調達における品質保証

世界各地で事業を展開するブリヂストングループでは、原材料や外注品を調達するお取引先様も多岐にわたります。そうした多種多様なお取引先様の協力を得ながら、高品質を保っていくため、原材料や外注品についてグループ全体の承認基準を設けています。

また、お取引先様とともに築き上げてきた信頼関係を大切にすると同時に、納入品の品質管理に向けて継続的なモニタリングや訪問監査を実施しています。お取引先様の品質保証体制がしっかりと維持され、常に当社グループの要求品質を満たす商品が供給されていることを継続的に確認しています。

製品外注における品質保証

GBSと各SBUは、グループ全体の品質保証をさらに確かなものとするために、製品の外注に関して連携を強化しています。2016年には、外注先の管理を強化するために、「検出力(Detection)」、「選別力(Selection)」、「抑止力(Deterrence)」という、製品の外注における3つの重要な能力を高めることに注力しています。検出力としての監査体制の強化、選別力としての受け入れ検査と評価指標の充実、抑止力としての外注先との契約の見直しなど、品質保証レベルの向上に努めています。

タイヤ生産における品質保証

お客様や自動車メーカーのニーズの変化や、モビリティに影響を及ぼす社会のさまざまな動向をとらえ、ブリヂストングループでは革新的な業界トップクラスの商品をお客様に継続してお届けできるよう、生産設備のグローバル品質基準に基づく検査など、グループ全体の生産工程において品質向上に努めています。

タイヤ工場に潜在する品質リスクの「見える化」に努め、FMEA(故障モード影響解析)など、さまざまな品質保証手法を用いて積極的に予防措置を講じるとともに、品質に重要な影響を与える要因(Critical to Quality: CTQ)に関する情報の蓄積にも注力しています。その情報をもとに品質リスクの削減につながりうる要因がないかを分析し、グループ全体のさらなる品質向上のための施策を中期計画に組み入れてその実現に努めています。

また、グローバルで迅速な市場対応が必要になる可能性がある問題の早期発見のため、迅速で正確な判断と市場対応を可能にするリスク管理システムを構築しました。今後とも、お客様が安心して安全に使うことのできる最高の品質の商品をお届けできるよう、品質と安全をひたむきに追求する文化を育んでいきます。

多角化事業における品質保証

ブリヂストングループの多角化事業では、自動車関連部品や、コンベヤベルトやホースなどの産業資材、ウレタン素材をベースとした化成品、給水・排水システムなどのインフラ関連製品、自転車・スポーツ用品など、タイヤ以外の多岐にわたる製品を製造しています。2016年には、自動車のサスペンションとのマッチングを最適化することで、自動車における振動を低減するというプロジェクトを立ち上げました。自転車・スポーツ用品においても、お客様からの声をもとにさまざまな領域で改善を行っています。

今後とも、すべての商品において最高の品質をご提供できるよう、積極的にシステムの構築や工程の開発を進めるとともに、改善点を明らかにし、品質改善を推進していきます。

市場での取り組み

市場品質情報の活用

ブリヂストングループでは、国内外の商品の不具合などに関する情報を収集・分析しています。収集した情報と分析の結果を関連部署と迅速に共有し、世界各地で使用される当社グループ商品の品質改善に役立てています。また、必要な場合には、製品の現物を取り寄せて詳細な分析を行い、早期の品質改善に努めています。

例えば、乗用車用タイヤの摩耗に関しては、販売店へのヒアリング、タイヤ現物の解析、使用済みタイヤの点検、市場の調査を実施するなど、多岐にわたる情報を積極的に収集します。ここから得られた情報を総合的に分析して、品質の向上とお客様の満足度向上に役立てています。

収集された情報の分析の結果、品質に問題がある可能性がある場合には、各SBUがさらに詳細な調査を行い、当社基準と適用法に従って、必要に応じてしかるべき是正措置をとります。各SBUは、万が一商品のリコールを実施する必要が生じた場合に備え、厳格な実施手順を整備しています。

今後とも、お客様が商品を安心して安全に使用していただけるよう、これらの活動を継続するとともに、さらに有効な市場情報の分析方法を探求していきます。

品質を支える人材の育成

モノづくり技術の伝承

ブリヂストングループでは、受け継がれてきた品質へのこだわりと高い技能を若い世代に伝承することが極めて重要と考えており、品質と製品安全に関する研修を、eラーニングや講習プログラムによりすべての従業員に提供しています。特別な知識や技術が求められる業務に従事する技能員には、品質管理や安全教育の研修も実施しています。

2016年の「品質宣言」展開時には、研修を主導する担当者を任命し、世界各地のグループ拠点の従業員全員を対象に研修を行いました。グループのすべての部署が「品質宣言」に基づく活動に取り組み、新たなお客様価値・感動の創造につながる改善を進めています。こうした活動や優良事例は他部門と共有し、ブリヂストングループ全体の品質関連活動の質を高めるために役立てています。

今後とも、お客様に最高の品質の商品・サービスをご提供できるよう、グループ全体の人材育成を進めていきます。

「ブリヂストン グループ・グローバルTQM大会」の開催

ブリヂストングループでは、ブリヂストン及びグループ会社を対象とした「ブリヂストン グループ・グローバルTQM大会」を2010年より毎年開催しています。この「グループ・グローバルTQM大会」は、各地域・SBUから選出された優秀なイノベーション・改善事例をグループ全体で共有することによる品質活動のレベルアップと品質意識向上を目的としています。