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少年の心をいつまでも――
僕はとにかく自転車が好きなだけ

橋本英也

  • インタビュー
  • 自転車競技・トラック
橋本英也

2023年のトラックチャンピオンズリーグでは単身で戦いに挑み、日本人初となるリーダージャージに袖を通した橋本英也選手。とにかく自転車が大好きだった少年は、30歳を迎えた今も自転車愛が加速中!

三足の草鞋も生活の一部

― トラックレース、ロードレース、競輪と三足の草鞋で活躍されていますが、練習などで大変だと感じたりすることはないですか?

「努力してるぞ!」っていう感覚は全然なくて、朝起きて、顔を洗って、歯磨きをして......というような当たり前の感覚で自転車に乗っています。それが生活の一部になっているんですよね。
種目ごとでの切替えが大変なんじゃないかってよく言われるんですけど、そんなことはなくて「今日はトラック、明日は競輪」みたいな感じで、それぞれの競技の特徴を、それぞれに活かせているかなと思います。

― 現在、一番注力している種目は?

挙げるとしたらトラックレースですね。パリ2024オリンピックにできるだけ多くのチームブリヂストンサイクリングのメンバーが出場して、金メダルを獲るチャンスを広げていこうとしているところです!

橋本英也選手

自転車が好きだから、楽しくて仕方がない

― 少しお話をしただけですが、橋本選手は「陽キャラ」とお見受けしました。

いや、意外と僕は陰キャラですよ。根っこの部分は「陰」です。一見、分からないことに対して「タチが悪い」ってよく言われるんですよね(笑)。

― それは意外でした!アスリートとして勝負の世界に身を置かれているイメージが良くも悪くもしないですね。

もともと争うことは好きじゃないんです。勝負の世界というより、自転車が好きだったから楽しんでやっているだけなんですよね。楽しくやるためには上を目指した方がいいかなって。だから、「自転車が好き」っていうことの一部に勝負がある感じです。勝負はおまけですね!

― 何事も根底にある「好き」という気持ちは忘れてはダメですね。

そうですね、それがとても重要だと思います。僕はいつも自転車が好きっていう気持ちがあって、楽しくて仕方ないんです。いつまでも「少年の心」ですね。

橋本英也選手

たくさんの人に見てもらって、楽しんでもらうために早く走りたい

― 初めての出場となった東京2020オリンピックを振り返っていかがでしたか?

東京2020オリンピックはメンバーに選ばれましたけど、開催するかどうかで賛否両論あったので、そもそもオリンピックの舞台で走れるかどうかが分からない状態でした。だから、メダルを獲得することより、「オリンピックで走りたい」っていう気持ちの方が強かったのかなと思います。
自国でオリンピックが開催されることは一生に一度あるかないかのことだと思うので、そういう部分では良い経験をさせてもらったなと。ただ、結果を出すことができなかったので、次こそはメダルを持って帰りたいですね。

― 東京2020を通して新たに気づけたことはありましたか?

東京2020が終わってから、自転車で速く走ることへの情熱が少しなくなってしまった時期があったんです。
でも、速く走った方が楽しいし、速く走っている選手を見ていた方が周りの人たちは応援したくなると思うし、レースに勝った方が色んな人の感情を動かせると思ったので、やっぱり自転車でしっかり速く走りたいなって改めて気付けたことが東京2020で一番良かったところだと思います。

― 根底にある「自転車が好き」っていう部分に改めて気付けた大会だったんですね。

そうですね。説明するのがちょっと難しいんですけど、僕はキラキラしたものを目指さないタイプのような気がします。オリンピックを目指すということは、その分野でトップを目指して、それで稼ぎもしたいし、有名にもなりたいっていう部分が少なからずあると思うんですよね。
オリンピックを経験したうえで自分でも考えてみたんですけど、僕自身がめちゃくちゃ稼ぎたいとか有名になりたいとか、キラキラしたことを目指しているかというと、そうじゃなかったんですよね。僕は有名になるために自転車に乗っているわけでもないし、お金を稼ぎたいから乗っているわけでもない。ただ自転車が好きなだけなんです。もちろん結果としてお金や知名度の部分が付いてくればいいですけど、それが目標じゃなくて、僕は自転車が楽しいからやっていて、たくさんの人に見てもらって、楽しんでもらうために速く走りたいんです。
オリンピックが全てではないですけど、やっぱり出ることで気づけることがたくさんある舞台だと思うので、パリ2024オリンピックで色んな人に経験してもらうためにもチームブリヂストンサイクリングから1人でも多く出場できたらいいなと思います。

橋本英也選手

日本人初の快挙! リーダージャージ着用は貴重な経験

― 2023年のトラックチャンピオンズリーグ(スペイン、ドイツ、フランス、イギリス)では、全5戦中、前半2戦で総合リーダーを獲得してリーダージャージを着用した走りを世界に見せられました。

日本人で初めてリーダージャージを着ることができたことは嬉しかったですね。お客さんがたくさんいるところでレースできることはすごく好きな時間ですし、その場所でいい結果が出てリーダージャージを着用したことは貴重な経験になりました。第3戦以降は失速しちゃったので悔しかった部分もあるんですけどね。

― 第3戦はパリ2024の会場でしたね。

これまでにも走ったことがあったんですけど、パリ2024に向けてすごくいいイメージを持つことができました。

― パリ2024の目標は?

メダルの確率を上げるためには、まず多くの人数が出ることが重要で、チームパシュートの出場枠は10ですが、現在の世界ランクは8位なので初出場のチャンスが十分ある位置に着けています。まずはチームパシュートをしっかり走って、個人種目で金メダルを獲ることを目標にして走りたいと思います。

橋本英也選手

好きなことだから、どんなことにも耐えられる

― 30歳になった今、思っていることは?

気付いたら30歳。僕が想像していた30歳はもっとおじさんのイメージがあったので、思っていたよりは若いかな。意外と「まだまだ全然いけるな」と。年齢はみんなが重ねるものですけど、今は年齢に対して引退だとか、そういうことは思わないですね

― 今は引退のことは考えていない?

いずれリタイアするときは来ますが、それをネガティブなことだとは思っていなくて、誰もが時間とともに絶対にやってくるもの。だから、引退やチームやメンバーから外されることが怖いとは思わないですね。もしトラックレースやロードレースでリタイアとしても、次の目標として65~70歳近くまで競輪選手をやりたいっていう思いがあります。競輪選手の最年長記録を越えてみたいですね。
長く競輪選手をやりつつ、これまで育ててもらった中距離やロードなどの色んなところでコーチもしてみたいですし、サポート役にまわってみたいという思いもあります。スポットで色んな高校生とか大学のチームに行って、色んな人に会って、色んな世界を見てみるのもいいですね。どこに行くにしても自転車で行ったりとかして(笑)。

― 橋本選手は「アスリート」というより、純粋に自転車が好きという「少年の心」を持った方のように感じます。

アスリートってギラギラしているものだと僕は思うんです。上を目指すから、稼ぎたいから、モテたいからとかでもいいんですけど、そういうものがあるから。それが良いとか悪いとかではなくて、僕は「そういう人もいるよね」くらいにしか思っていなくて。でも、ギラギラしているということは向上心があるということなので、アスリートとしては適性なんじゃないかな。
僕は自転車のアスリートはしますけど、他の競技だったらやらないと思います。だって、自転車が好きで、楽しいから。好きなことだから、どんなにしんどいことも耐えられるんです。
これから40歳、50歳と歳を重ねていっても「自転車が好き」という気持ちは変わらないと思います。「少年の心」を持ったおじさんになりたいですね!

PROFILE

橋本英也

橋本英也EIYA HASHIMOTO

1993年生まれ、岐阜県出身。トライアスロンが好きだった親の影響で小学生からトライアスロンを始める。岐阜県立岐南工業高等学校に入学後に自転車競技を選択。高校総体では2010年、2011年にチームパシュートで優勝に貢献、2011年には個人パシュートも制した。国体では少年4000m速度競争において2010年、2011年と連覇。また2011年のアジア自転車競技選手権ではチームパシュートで優勝に貢献する。2012年に鹿屋体育大学へ入学。全日本選手権で個人パシュート優勝。同種目予選で、4分30秒441の日本新記録を樹立。2018年チームブリヂストンサイクリング加入。2021年、男子オムニアム種目で東京2020オリンピックに初出場。

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    TEAM BRIDGESTONE 2024 in PARIS

    TEAM BRIDGESTONE 2024 in PARIS

    ブリヂストンは、オリンピックおよびパラリンピックのワールドワイドパートナーとして、パリ2024大会を応援しています。

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