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突き抜けた選手に勝ちたい!
それが僕の自信につながると信じて

兒島 直樹

  • インタビュー
  • 自転車競技・トラック
兒島 直樹

2021年からTEAM BRIDGESTONE Cyclingに加入し、メキメキと力を付けてきている兒島直樹選手は、トラックアジア自転車競技選手権大会で自身初となるアジアでの個人タイトルを獲得。自分自身にもっと自信を持つために挑戦を続けている。

失敗もあり、成功もありで成長した1年

― 2023年のシーズンはトラックアジア大会(マレーシア・クアラルンプール)で自身初のアジアでの個人タイトル獲得(男子ポイントレース)もあり、飛躍の1年になったのではないでしょうか?

トラック世界自転車競技選手権大会(イギリス・グラスゴー)でのメダル獲得を一番の目標に掲げていたので、それに向けてしっかりトレーニングをして自分のピークを合わせたつもりだったんですけど、うまくそこが最後の合宿で調整できずに結果を出すことができませんでした。でも、その失敗があったからこそ、その先にあった色んな大会で結果を残すこともできました。失敗もあり、成功もありで、この1年を振り返ってみると、しっかり成長できたんじゃないかなと思います。

― 11月に開催された日本大会(伊豆ベロドローム)の男子オムニアムでは、橋本英也選手、窪木一茂選手という先輩を抑えて優勝。その時は特別な感情が湧いたりしましたか?

ジャパントラックカップII当日は「先輩だから」ということは全然気にしていなくて、あくまでも一人の選手として見ていました。もちろん強い選手なので勝ちたい気持ちはありましたし、ジャパントラックカップⅠでは優勝できなかったので、次は絶対勝ちたいっていう気持ちだけで走りました。結果として優勝できたわけですが、レースから数日経って表彰台の写真を見た時に、「オリンピアン2人が自分の両隣にいるんだ!」って。そう思った時、自分も成長してきているんだなと実感できました。

兒島直樹選手

強みでもある体力の基盤は中学時代

― ポイントレースの魅力は?

ポイントレースは最後のゴールだけで勝っていればいいっていうレースではなくて、途中途中のポイントを加算して最後の総合ポイントで争うので、1回失敗したとしても挽回がきくんです。トータル的にポイントを獲ればいいレースなので、最初にスイッチが入っていなくても後半に挽回できるし、そういうところが自分に向いていると思います。
僕は周りの選手に比べてスピードなどで劣っている部分もたくさんあるんですけど、自分の強みでもある体力を活かせる種目でもあるんです。10周に1回のポイント加算があるので、毎回毎回スプリントしていくと、どんどん体力が減っていくのが当たり前で、スピードのキレも落ちていくんです。でも僕はあまり落ちずに強みを活かせるので、それがポイントレースが一番好きな理由ですし、魅力を感じる部分です。

― 体力は昔からあったのですか?

小学1年生まではマラソンでも結構走れた方だったのですが、2年生の時、急激に走れなくなったんです......。体力も落ちて、小学生の間はランニングとかは全然ダメな状態でした。中学生なってから野球を始めたんですけど、その時に走り込みがいっぱいあったので徐々に体力がついていきました。クラスでも一番走れるぐらいまでになったかな。
中学時代につけた体力は、自転車でも活かされて、さらに強化できていると思います。

― 強みでもある体力は努力の賜物なのですね。

そうですね、努力してつけてきたっていうのもあるのかもしれないですね。僕は底力というか、自力がもともとあるわけではなくて、中学校の時に野球をしながら体力をつけたことが今の強みにもつながっています。だから、体力の基盤になったのは中学校の時かなと思います。
でも実は......中学時代、野球はずっと辞めたいって思っていたんです(苦笑)。

― なぜ辞めたかったのですか?

中学生になってみんなが努力をし出して。素振りとか、ネットにボールを打ち込んだりとか、そういうことをみんながやり始めると「差」が生まれてくるんですよね。小学校まではポテンシャルだけでやっていた部分があったのですが、中学校からは努力の差も感じましたし、野球が自分にはあまり向いてないんじゃないかなって......。早くやめたくて、一度だけ親に相談したのですが、その時に「3年間は続けなさい」って言われたので、3年間は歯を食いしばって続けました。

兒島直樹選手

ロードレースとの運命的な出会い

― 高校から自転車競技を始められました。そもそも自転車を始めたきっかけは何だったのですか?

中学時代はママチャリで通学していたのですが、周りの友達よりも結構スピードが速くて。遊びに行く時も色んな所にママチャリで出かけたり、友達と広い場所で競争した時には誰よりも速かったので、「ちょっと自転車に向いているのかな?」って。
ちょうどそんなことを思っていた時に、テレビか何かでロードレースを観て釘付けになったんです。「こういう競技もあるんだ!」って。それで「やってみたい!」って思ったのがきっかけです。高校から自転車競技を本格的に始めてみると、本当に楽しくて。だから努力もして、そこからどんどん実力がついてきた感じですね。

― ロードレースをたまたま目にしたということに運命を感じますね。

そうですね。もしあの時にテレビを見ていなくて、ロードレースのことを知っていなければ、僕は今ここにいないかもしれないですね。

兒島直樹選手

オンとオフの切替えがバロメーターを保つための秘訣

― オフの日は何をしていますか?

特に趣味とかはないので、オフの日は買い物に行ったり、休憩所みたいな所で漫画が読める温泉に行ったりします。オフの日でもリカバリーライドが1時間ぐらい入っているので、それを朝に済ませてしまって、そこからはあえて自転車のことは考えないようにしています。自分のバロメーターをうまく保つための秘訣がオンとオフをしっかり切り替えることなのかもしれません。

― 買い物にも行くとのことですが、どういったものを買われるのですか?

買い物と言っても、服を買ったりとかじゃなくて、食材を買うためにスーパーに行く感じです(笑)。栄養士の人とも相談しながら栄養のことを考えて自炊をしているので、食材を買い溜めしています。

― よく買う食材は?

買う食材はだいたい決まっていて、多いのは卵と納豆です。あとはほうれん草とヨーグルト。この4つは常にストックがあります。ヨーグルトは必需品ですし、ほうれん草は鉄分が摂れるのでいいですよね。最近はほうれん草を茹でるのがちょっと面倒くさいなと思って、電子レンジでチンすれば使える冷凍のものを買ったりします。それと鶏ムネ肉もよく買います。2キロぐらいを一気に買って、下味をつけて冷凍しています。自分自身が「これを食べておけば栄養が摂れるから大丈夫」という感じなので、誰かに振る舞えるような料理は全然作れないですけど......。

兒島直樹選手

目標にしてもらえるような選手になりたい

― 高校からの自転車選手としての歩みの中で、転機となった大会や、自分が変わったきっかけとなる出来事はありましたか?

高校2年生でインターハイに出場した時に出場した種目がポイントレースでした。結果は予選落ち......。その時に高校の先生から、「期待していたのに......」ということを言われたんです。それで自分が期待されるような選手だったんだ、と初めて感じることができたのはひとつの転機になったと思います。
この時のインターハイが僕としては初めての全国大会。たくさんの強い選手がいたり、自分と同学年の選手が優勝したことも刺激になって、「自分も全国の舞台で勝ちたい!」という思いも芽生えました。予選で負けたこと、そのレースでたくさんの強い選手を目にしたこと、先生からの言葉が僕のスイッチが入ったきっかけだったと思います。

― 2021年にTEAM BRIDGESTONE Cyclingに加入されました。チーム内ではどのような立ち位置(役割)ですか?

いつも先輩にいじられている感じですね。でも、時にはいじり返したりもします。結構鋭い感じで!(笑)

― これからは後輩もどんどん増えていく中で、兒島選手自身はどう成長していきたいと思っていますか?

2022年までは僕が一番下で、ただただ上を見ていただけなんですけど、2023年から2人の後輩が入ってきました。これからも入ってくるであろう後輩たちの上を常に走れるようにしたいですけど、下からの追い上げばかりを気にしていると上にはいけないと思うので、しっかりと上を見ながら成長していきたいですね。後輩たちも自分より強い選手がいることで育っていけると思うので、目標にしてもらえるような選手になりたいと思います。

突き抜けた選手に勝ってこそ、真の強い選手

― パリ2024オリンピックに向けて、今現在はどういう気持ちですか?

オリンピックって難しいですよね。僕は自分にあまり自信がないので「自分なんかが選ばれるのだろうか......」って思ってしまう部分もあって。もちろんパリ2024に出たい気持ちはあります。だから、トラック・ネイションズカップでしっかりと結果を残して選考に入り込めたらいいなって思っています。
オリンピックに向けてのポイント獲得は世界選手権までだったので、気持ちの面では今は落ち着いています。充電期間みたいな感じですね。ネイションズカップが始まる時にはどんどん気持ちを上げていって、パリ2024で最高潮になっているようにしたいです。

― パリ2024出場に対してとても控えめな感じがするのですが......

種目によっては先輩たちに勝って自信にはつながっているのですが、僕が勝ったレースでは相手の選手の調子がピークじゃないんです。先輩たちは世界戦にしっかりと自分のピークを持っていってメダルを獲っています。僕はある程度は高い状態で維持していて、それは良い部分でもあるのですが、それだとしっかりピークを持ってきた選手に勝つのは難しいんです。
ネイションズカップはみんながピークに持ってくる大会。だからこそ、そこで優勝することが僕の中で一番自信につながることなんじゃないかなと思います。

― ご自身の自信につなげるためにもトラック・ネイションズカップは重要な大会になりますね。

はい、その通りです。ピークを持ってきて突き抜けた選手に勝ちたいですし、自分自身も世界戦で突き抜けた選手になりたいですね。

PROFILE

兒島 直樹

兒島 直樹NAOKI KOJIMA

2000年生まれ、福岡県出身。中学生の時は野球少年であったが、通学用のママチャリで友人と競争し自身の自転車を漕ぐスピードが速いことを感じる。その後、テレビで観たロードレースがきっかけで自転車競技を知り、高校から福岡県の自転車競技の名門である祐誠高等学校で競技を本格的に始める。卒業後は日本大学へ進学し、大学3年在学時の2021年よりチームブリヂストンサイクリング加入。

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    TEAM BRIDGESTONE 2024 in PARIS

    TEAM BRIDGESTONE 2024 in PARIS

    ブリヂストンは、オリンピックおよびパラリンピックのワールドワイドパートナーとして、パリ2024大会を応援しています。

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