【こんな所にもブリヂストン】その瞬間ドラマが走り出す!競馬を支えるタイヤのお話

SHARE

「こんなところにブリヂストン」。

このシリーズはその名前の通り、「えっ、こんなところにブリヂストンの製品が使われているの?」という驚きを皆様にお伝えすることを目的としています。

突然ですが、今週末はいよいよ競走馬の世界の3歳世代のNo1を決める日本ダービーです。そして、その一つ前の牡馬クラシックレースである皐月賞が先月4月16日に行われましたが、実は私たちはその二日前の4月14日の金曜日に、中山競馬場に伺っていました。(厳密には中山競馬場のすぐ横です)

なぜタイヤなどのゴム製品が中心の会社であるブリヂストンがそんなところにと思われる方も多いと思いますが、その目的は、「日本スターティング・システム株式会社」様の発馬機について取材させて頂くためです。詳細は後述させて頂きますが、実は私たちブリヂストンもこの発馬機に関係しています。

全てのサラブレットたちの命を懸けた走り。そのスタートを担うのが「発馬機(スターティングゲート)」です。
競馬の感動のゴールシーンは、いつもこの発馬機から始まります。

今回、取材でお邪魔したのは「日本スターティング・システム株式会社 関東事業所」様です。
業務課 課長の園部雅章様に発馬機とタイヤのことをとてもわかりやすく教えて頂きました。

(園部さんは発馬機に携わって35年の大ベテラン!)

今回は色々と教えて頂いた中で、特に印象に残ったことを皆様へご紹介したいと思います。

★特ダネその1 ~発馬機は旅をする~

皆さん、発馬機は競馬場に常設されているものと思っていませんか?・・・実は違います。
全国にある発馬機は約数十機で、その殆どが毎月・毎週のように、全国各地の競馬場や事業所を巡り巡っています。
その理由は後述しますが、発馬機はひとつの場所に留まることなく、いつも日本全国を旅しているのです。

輸送方法にもとても気を使っており、発馬機の種類によっては運搬のための専用車両があるほどです。
サラブレットの輸送車両があることは有名ですが、発馬機にも専用の輸送車両があるなんて・・・驚きです!

★特ダネその2 ~発馬機はハイテク機器。メンテナンスにもスペシャリストが必須!~

発馬機が全国を旅する理由。それはたくさんの精密装置が搭載されていることが深く関係しています。
前述の通り、発馬機には、「公正で安全なスタート」をすべてのレースに提供するというとても重要な使命があります。
これを果たすために、発馬機には最新のコントロールボックスや扉のロック機能、サラブレットを保護するプロテクター等、様々な装置が搭載されています。そして公正なレースを提供するには、これらの装置の定期的なメンテナンスが欠かせません。この精密機器のメンテナンスを行っているのが、園部さんのチームなのです。

発馬機のメンテナンスはとても複雑で、定期メンテ、レース毎のメンテ、部品交換時のメンテなど多岐にわたります。
発馬機自体を全て解体し、骨組みから組み立て直すメンテナンスもある程です。
また、レースのスタート時も必ず発馬機のそばに担当者が待機し、万全の体制でサポートしているそうです。
私たちがテレビで良く見かける「ゲートが開くあの一瞬」の陰には、整備のスペシャリストの絶え間ない努力がありました!

★特ダネその3 ~発馬機に装着されているタイヤは4本。ブリヂストンのタイヤも頑張っています!~

発馬機には基本8枠と12枠の2種類があり、12枠の発馬機の重量は約5.8tにも及びます。
競馬場内で移動する際にはトラクターでこの発馬機を牽引するのですが、その際はこのタイヤ4本でこの5.8t(1本あたり約1.5t!)の重量を支えていることになります。タイヤは10.0/21.0-13というサイズで、タイヤ幅は約25cm、タイヤ外径は約50cmです。この重量を支えるために空気圧は高めに設定されています。
タイヤの交換にも細心の注意を払っており、溝が残っていても2年毎に定期的に交換するルールとしているそうです。
なお、日本スターティング・システム株式会社様の発馬機には、全て当社のタイヤが装着されています。

「こんなところにブリヂストン」シリーズ。
今回は、日本スターティング・システム株式会社様の発馬機をご紹介しました。
「公正で安全なスタートを全てのレースに提供する」という重要な役割を、私たちブリヂストンのタイヤがお手伝いしていました。

華やかなレースの舞台裏で、スタートを担当されるみなさまの仕事ぶりはプロフェッショナルそのものですので、皆様、これからもし機会がございましたら発馬機(スターティングゲート)やその後のゲート移動作業などにも是非注目してみてくださいね~。

~編集長Tの徒然~
今回は取材に同行させてもらいましたが、なかなか見る事が出来ない世界を少し垣間見る事が出来る大変貴重な機会でした。
発馬機に以外にもスターターのクルマ(レースが発走する前に、係の方が旗を振ってこれから発走しますよとお知らせする、あのクルマ)も間近で拝見させて頂く事が出来て、仕事ながら非常に感激させて頂いた時間でした。
そして私たちの製品がこういった場所でも、役立っている事を嬉しく思いました。

今後も様々なところで利用されている私たちの製品についてまたご紹介させて頂ければと思いますので、お楽しみに~!