少し物知りになれる!タイヤ開発を大きく支えるモデラーとグルービング

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上記写真:グルーピングの様子

グルービングとは、試作の段階で溝のないタイヤに手作業で溝を彫る作業のことです。
デザイナーが描いた新しいデザインを、モデラ―と呼ばれる人がグルービングしていきます。

「デザイン工房ツアー」、「タイヤの溝のデザインができるまで」の記事に続き、今回はこのタイヤのグルービングについてご紹介します。

彫刻刀のような専用の道具で一本一溝を彫っていくのですが、細かくて難しそうなこの作業…。
しかし、さすがはプロ。迅速に正確に、どんどんきれいな溝が増えていきます。
デザインにもよりますが、1本のタイヤを彫るには通常2週間程掛かるとのことです。

現在、ブリヂストンにはタイヤデザイン専任のモデラーが2人います。
1人目はこの道35年の石丸さん、2人目は今年1月までモータースポーツ用タイヤのグルービングを担当していた中野さん。

複雑なデザインを彫るためには、既製品だけではなく、自分で作った道具も多数使用します。
「今までで一番難しかったデザインには、1本3週間以上掛かった」と話す石丸さん。

コンピュータによるシミュレーションも可能な時代ですが、これまでには無い、全く新しいカタチを検討する場合には、手彫りの試作品を使った走行実験が欠かせません。
静粛性に定評のあるタイヤ「REGNO」も、グルービングが大きなきっかけとなり発売された商品のひとつ。
ブリヂストンの長い歴史の中でも、一番グルービングしたタイヤの本数が多かったのは初代REGNOだと言われており、その数はおよそ100本に達したそうです。
彫刻刀で一本一本、彫り続けた力。REGNOの格調ある静かさは、まさに人間の力によって生み出されていきました。

タイヤの知られざる事実(?)お楽しみいただけましたか?
これからもブリヂストントリビアをお伝えしていきます。