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Project

PROJECT 02

航空機タイヤソリューション

航空機用タイヤの寿命予測を実現

~顧客と連携して予測の仕組みを共創~

Point 1

取引先の日本航空とともに航空機用タイヤの取り扱いについて要改善点を洗い出す。従前は整備時の状態確認を通じてタイヤを交換していたが、摩耗度合いを予測する技術を作ることで、整備の効率化や在庫の適正化などを目指すことに。

Point 2

ブリヂストンの社員を日本航空の整備現場に派遣。寿命を迎えて回収したタイヤの状態を計測するとともに、日本航空から提供を受けたフライトデータと突き合わせ、摩耗度合いを予測するロジックを構築。幾度もデータをとりながら、予測精度を高めていった。

Point 3

2020年5月にはサービス提供を開始できたが、コロナ禍により、日本航空ではオペレーションを大きく見直すことになった。これにともない、ブリヂストン側にも、改めてフライト数などとタイヤの摩耗度合いの関係を見直す必要が生じた。現在はサービスとして問題ないレベルまで改善しつつ、更なる改良の検討を進めている。

Part 01

航空機用タイヤの交換時期を予測し
整備や在庫管理の効率化につなげる

航空機用タイヤで取引があった日本航空(以下JAL)とブリヂストンは、タイヤの取り扱いについて改善を目指すことになった。両社はそれぞれプロジェクトメンバーを選抜し、協議を重ねてきた。このなかで浮上したのが、タイヤの交換時期の予測というテーマだ。
これまでは航空機を点検整備した際にタイヤの交換時期を判定し、交換の準備をするというのがエアラインの一般的なスタイルだった。これでは、時期によって交換作業が集中してしまったり、欠品を避けるため交換用タイヤを過剰に保有することになったりと、非効率な側面がある。
既に、ブリヂストンでは運送会社やバス運行会社を対象に、タイヤの使用状況から交換時期を割り出すソリューションを創出している。このノウハウは、航空機用タイヤにも応用できるはず――こう考えたプロジェクトチームは、両社のWin-Winの関係性を強化するべく、正式にタイヤの摩耗状況予測を取り組み課題に定めて始動する。目標が具体化した2019年初頭から、新たにプロジェクトに加わった社員が今回取材したMだ。
「それまでの私は、トラック・バスなどのタイヤや、鉱山用タイヤを対象にしたソリューションサービスに携わっていました。航空機用タイヤに関わるのは初めてだったので不安もありましたが、『これで“働くタイヤ”を制覇できる!』という無邪気な喜びのほうが大きかったですね(笑)」

Part 02

無数にある変動要素や計測データから
正確な摩耗予測につながるものを選び出す

プロジェクトが始動すると、ブリヂストン側のメンバーは、JALの整備基地に出向き、タイヤの点検や交換作業を見学させてもらった。 「摩耗度合いをチェックするうえでタイヤのどこをどのように確認するのか、どのような状態だと交換と判断するのかなどは、実物を見ながら作業にあたるのが一番ですから。そのうえで、JALさんからご提供いただいたフライトデータとタイヤの状態を突き合わせ、予測ロジックを組み立てていきました。一番苦労したのは、着陸する瞬間をどうとらえるかですね。静止状態から急に時速250km相当の回転が始まるというのは航空機用タイヤ特有の負荷で、参考になるような例はありませんから」

それでも、彼と社内のデータアナリストが苦心して考案したロジックは、一定以上の精度を発揮する。当初は、思ったより早く実用化できるのではという期待も高まったが、夏場を迎えると予測より速いペースで摩耗が進むケースが目立ち始めたという。 「季節、時間帯、天候、機種、混み具合など、摩耗予測で踏まえるべき変数はたくさんあります。特に気温が上がるだけでなく繁忙期でもある夏場は、我々の予想以上に消耗が激しかったのです。このように、再検討を要する場面には幾度も直面しました」 また、ロジックに組み込むデータも多種多様だ。走行中の速度ひとつとっても、機体前面が受ける風圧から計測するケース、タイヤの回転数から計測するケースとバリエーションがある。彼らは、無数にある選択肢からタイヤの摩耗予測に有効なデータを選び出さなければならなかった。 「予測と現実との間に差が生じるたびにJALさんと一緒に、正確な摩耗予測のためにはどのようなデータを活用すべきか模索していきました」

Part 03

サービス提供開始後も
改善や新サービス創出に向けた挑戦が続く

試行錯誤を繰り返しながら摩耗予測の精度を高め、2020年5月に、ブリヂストンはJALに対して正式にサービス提供を開始する。
「完成度の高さにはかなり自信があったのですが、コロナ禍の影響で人々の移動に大幅な制限がかかるようになり、これにともなってJALさんはフライト数を大幅に減らすことになってしまいました。コロナ禍前とはまったくオペレーションが変わったことで、私たちが確立したロジックに手を加える必要が生じたのです。改めて“コロナ禍バージョン”のロジックを突き詰めようと奮起しました」 彼は、本プロジェクトに関わったことで、自身を大きく成長させることができたと振り返る。

「膨大なデータをどのように取捨選択するかや、抽出したデータをどのような計算式に落とし込むべきかなど、壁にぶつかるたびに文献で調べたり詳しい社員に教わったりして勉強を重ねました。おかげでデータサイエンスの知見を大幅に広げ、深めることができたと思います。経験してみてつくづく思いましたが、プログラミングの演習を繰り返すより、具体的な目標に向けてリアルなデータを使うほうが、はるかに自身の血肉になるんですよ。貴重な機会を与えてもらえたと思います」
彼が所属する「Bridgestone T&DPaaS」技術開発のミッションは、顧客企業との協業で得られたデータを元に、新サービス創出やタイヤの性能向上につなげることだ。
「今回の協業を通じてJALさんに対して整備の効率化などの価値を提供できたと自負しています。我々も貴重なデータを得られ、航空機に関する知見も深められました。データサイエンスのノウハウを駆使して、摩耗予測以外のサービス創出にもチャレンジしたいですね」

Project Member

Bridgestone
T&DPass技術開発第2課
2000年入社
工学部卒業
K.M.

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