もっと知りたいスタッドレスタイヤの仕組み(トレッドパタン編)

(上の図はスタッドレスタイヤ「BLIZZAK VRX」の2次元パタン図面)

氷雪路でも安心して走れるように様々な技術を採用しているスタッドレスタイヤ。前回はスタッドレスタイヤの素材について取り上げましたが、今回は形状(パタン)について紹介していきましょう。

左;BLIZZAK VRX、右 REGNO GR-XI 左;スタッドレスタイヤ BLIZZAK VRX、右 サマータイヤ REGNO GR-XI

凍った路面や雪が積もった路面でも、しっかり走り、曲がり、止まる。これこそスタッドレスタイヤに求められる基本性能です。この性能を実現するためにスタッドレスタイヤは特別な形状(パタン)を採用しています。なかでも大きな特徴として挙げられるのがブロックや溝のデザインです。

表. スタッドレスタイヤとサマータイヤの特徴比較 表. スタッドレスタイヤとサマータイヤの特徴比較

特徴的な深い溝は、柔らかな雪をしっかりと捉え、タイヤの接地面が雪を踏んで固めて雪の柱をつくり、その柱を蹴り出すことで駆動力を得るためのもの。「雪柱せん断力」と呼ぶこの性能は、溝が大きいほどに雪上で効果が得られる反面、氷上では路面との接地面積が減ってしまうことで逆効果になってしまいます。この二律背反する性能を両立するために、溝の大きさや本数、方向などその形状(パタン)は、様々な冬路面を想定しコンピューターによるシミュレーションを繰り返して開発が行われています。

SNOW路面を想定したシミュレーションの様子SNOW路面を想定したシミュレーションの様子

またタイヤの接地部をじっくり見ると、無数の細かな切れ込みが入っていることがわかるでしょう。これは「サイプ」と呼ばれるもので、ひとつひとつのブロックに細かな切れ込みを入れることにより、タイヤを路面に均一に接地させることができるようになります。また、氷雪路ではブロックやサイプの角で路面を引っ掻きグリップ力を増す「エッジ効果」と、サイプの空隙に水を取り込む「除水効果」もあわせて手に入れることができます。さらにその表面には「リブレット」と呼ぶ細かな溝もあり、新品時に氷上に浮いた水を積極的に除水することでタイヤを素早く路面に密着させ、発泡ゴムを用いたブリヂストン独自の技術で氷上グリップ性能を発揮させるという効果があります。

BLIZZAK VRXのパタン特徴 BLIZZAK VRXのパタン特徴

このようにブロックや溝など形状(パタン)だけみても、スタッドレスタイヤには様々な工夫がされています。ぜひ一度、スタッドレスタイヤの表面をご覧ください。そこには意外な発見があるかもしれません。

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