地震動の長周期化に貢献する免震ゴム新商品 低摩擦タイプの弾性すべり支承「STシリーズ」を発売
2018年10月01日
株式会社ブリヂストンは、地震時の建物の揺れを長周期化することで軽減する、低摩擦タイプの弾性すべり支承「STシリーズ」を発売します。この商品は、低層建物から超高層ビルまで幅広く適用可能です。
弾性すべり支承は、主に積層ゴム部とすべり板から構成されており、小振幅の地震時には積層ゴム部のみが変形し、振幅が大きくなると積層ゴム部とすべり板間ですべりが発生し、大地震時の大きな揺れに追従する免震装置です。一般的に、積層ゴム部とすべり板間の摩擦係数が低いほど長周期化性能が高くなります。低摩擦タイプの弾性すべり支承は、高減衰ゴム系積層ゴムや天然ゴム系積層ゴムなど様々な免震ゴムと組み合わせて使用され、地震時の建物の揺れをより長周期化する役割を担っています。
「STシリーズ」は、当社従来品(SKシリーズ)より低い摩擦係数を実現しており、長周期化性能のさらなる向上を図っています。従来品のすべり板ではステンレス板の上にPTFE※1の薄膜をコーティングすることで低摩擦を実現していましたが、「STシリーズ」では独自の新技術※2によりステンレス板のみのコーティングレス構造を採用しながら、摩擦係数μ=0.007※3を実現しました。
当社は今後も高度な高分子技術を活かし、幅広い商品群からお客様のご要望にお応えする 商品・サービスをご提案していくことで、「人と暮らしを足元から支え、安全・安心を提供する」ことに貢献していきます。
- ※1 ポリ・テトラ・フルオロ・エチレン(フッ素樹脂の一種)
- ※2耐高面圧かつ低摩擦を実現するPTFE材料と、長期に渡り安定した低摩擦を実現する潤滑剤の組み合わせ技術
- ※3測定方法:免震装置の性能を測定する専用試験機において、弾性すべり支承に規定の鉛直荷重を載荷した状態で水平方向に変位を与えて反力を測定。その水平反力を鉛直荷重で除した値が摩擦係数となります。
【弾性すべり支承「STシリーズ」構造図】
【商品の特徴】
- 1.
- 摩擦係数μ=0.007※3を実現
- すべり材とすべり板の接触面に新たな構造と素材を適用し、さらなる低摩擦化※4を実現。
- 2.
- すべり板上面のコーティングレス化
- 設置工事中および竣工後の取り扱い、維持管理が容易※5。
- ※4当社従来品(SKシリーズ)μ=0.010※3対比
- ※5取り扱いに注意を要するPTFE※1コーティングを擁するすべり板に対し、コーティングの無いステンレスのみのすべり板との比較に置いて
【サイズラインアップ】
積層ゴム部外径については直径300mm~1500mmの13サイズ(100mmピッチ)、すべり板サイズ(ステンレス板外形)については中心部の幅が1100mm~3450mmの八角形となっており、積層ゴム部とすべり板を適用物件の使用条件に合わせ、サイズを組み合わせて使用します。
【国土交通大臣認定番号および名称】
- 認定番号:
- MVBR-0581
- 名 称:
- ブリヂストン弾性すべり支承(STタイプ)
【免震構法について】
免震構法は、建物と地盤の間に免震ゴムやダンパーなどの免震装置を設置し、地震の早くて強い揺れを、ゆっくり大きな動きに変えるとともに地震のエネルギーを吸収して建物に力を伝えにくくする構法です。1995年の「兵庫県南部地震」以降急速に普及が進み、2011年の「東北地方太平洋沖地震」においてもその効果が実証されております※6。当社は1984年に日本初の免震建物に免震ゴムを提供して以来、国内のみならず海外を含め6万基以上を出荷し、国内トップの実績(当社調べ)を誇っています。
- ※6国立研究開発法人 建築研究所 「平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震の強震観測速報(第5 報)」、他
- 免震ゴムに関する詳しいご紹介:
- 「めんしんチャンネル」 http://www.menshin-channel.com/
関連リンク:
本件に関するお問い合わせ先
<報道関係> 広報第2課 TEL:03-6836-3333
<お客様> お客様相談室 TEL:0120-39-2936
以上