ニュースリリース

タイヤ・路面摩耗粉じんの環境影響把握に向けた独自の実車捕集法を開発

効率的に捕集したタイヤ・路面摩耗粉じんを活用し、研究を大きく加速

2025年03月07日

 株式会社ブリヂストンは、タイヤ・路面摩耗粉じん(以下、TRWP:Tire and Road Wear Particles)の環境影響把握に向け、独自の実車捕集法を開発しました。TRWPは、タイヤが安心・安全な移動を支えるために必要な路面と摩擦することによって発生する粉じんで、タイヤの表面であるトレッドと道路舗装材の混合物です。ブリヂストンではTRWPの粒径分布、飛散状況、環境影響の把握やそのための効率的な捕集法の開発を進めており、これらを通じてTRWPを理解する活動と、TRWPを減らす活動の双方に取り組んでいます。

 今回、TRWPの特徴、特に環境影響の理解や可視化、解決(緩和)に向けた取り組みを加速します。TRWPが生成される過程に着目し、Bridgestone Innovation Park(東京都小平市)内のテストコースB-Mobilityを活用して、TRWPを高効率で捕集することのできるブリヂストン独自の方法を開発しました。具体的には、TRWP等の粒子の飛散状況を高速度カメラとレーザー光を組み合わせることで可視化し、その結果を基にTRWPを効率的に捕集可能なタイヤ全体を覆う装置を開発しました。更に、自動運転を使用することで一定の走行状態を保持するとともに、回生ブレーキを使うEVを使用することで排気粉じんとブレーキ粉じんの影響を排除した状態でのTRWPの捕集が可能となりました。

TRWPを捕集する装置を自動運転車に装着した様子

 TRWPを理解する活動において、ブリヂストンはこれまで業界のリーダーとして、WBCSD(持続可能な開発のための世界経済人会議)傘下のTIP(タイヤ産業プロジェクト)を通じて、TRWPの物理的・化学的特性とその影響の研究に取り組んできました。これまで進めてきた社内での研究開発や外部共創に加え、今回開発した捕集法で捕集したTRWPを活用することで、TRWPの本質を理解し、環境影響を把握する取り組みを加速してまいります。

 TRWPを理解する活動と並行して、耐摩耗性能を向上させたロングライフ商品の開発やソリューション事業との連携等、TRWP発生量の低減・最小化に向けた取り組みも推進することで、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」※1に掲げる「Ecology持続可能なタイヤとソリューションの普及を通じ、より良い地球環境を将来世代に引き継ぐこと」にコミットしていきます。

 なお、今回開発した独自のTRWP実車捕集法については、3月4日から6日にドイツ・ハノーファーで開催されているTire Technology Expo 2025※2でも発表しております。

  1. ※1「Bridgestone E8 Commitment(ブリヂストンイーエイトコミットメント)」
    ブリヂストンは、「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」というビジョンの実現に向けて、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」を制定しました。これを未来からの信任を得ながら経営を進める軸とし、ブリヂストンらしい「E」で始まる8つの価値(Energy、Ecology、Efficiency、Extension、Economy、Emotion、Ease、Empowerment)を、ブリヂストンらしい目的と手段で、従業員・社会・パートナー・お客様と共に創出し、持続可能な社会を支えることにコミットしていきます。
  2. ※2Tire Technology Expo 2025
    開催日:2025年3月4日(火)~3月6日(木)
    開催場所:Deutsche Messe Messegelände 30521 Hannover Germany
    主催:Tire Technology International
    URL:https://www.tiretechnology-expo.com/en/

本件に関するお問い合わせ先

<報道関係> グローバル広報企画部 TEL:03-6836-3333
<お客様> お客様相談室 TEL:0120-39-2936

以上