トップコミットメント

Global CEOメッセージ

※このページはブリヂストン 統合報告 2026に掲載された内容です。

使命「最高の品質で社会に貢献」

ブリヂストンは、「最高の品質で社会に貢献(Serving Society with Superior Quality)」という使命のもと、1931年の創業以来、世界中で事業を展開してきました。95周年を迎えた今も、世界約11.5万人のチームメイトがこの使命を胸に、日々の業務に取り組んでいます。どの事業所でもこの使命が掲げられており、チームメイトたちが大切にしていることを実感します。

また、使命を果たすための4つの心構え—「誠実協調」「進取独創」「現物現場」「熟慮断行」—はブリヂストン共通の価値観であり、「安全はすべてに優先する」という安全宣言に加え、品質宣言、環境宣言も含めて企業理念体系として整備されており、私たちの基盤となっています。

世界No.1奪回に向けて

事業環境が激しく変化する中でも、この使命や心構えは当社グループの揺るぎない基盤です。使命を達成していくためにも、変化に対応しながら私たち自身が成長し、企業と社会の双方における持続可能性を高めていくことが不可欠だと考えています。2031年の創立100周年までにゴム・タイヤ業界における世界No.1奪回を目標とし、世界中のチームメイトと力を合わせて取り組んでいきます。

質を伴った成長へ

2026年は、中期事業計画(2024-2026)の最終年にあたります。これまで、事業環境の不確実性が高まる中で、再編・再構築など守りを固めてきました。米国関税の影響など、大きな変化に直面した2025年は、緊急危機対策年として、ビジネスコストダウンなど体質強化に注力した一年となりました。これまでの取り組みにより、再編・再構築にも目処がつき、2026年からは、ビジネス体質強化によって築いた基盤を継承しつつ、世界No.1を目指して質を伴った成長をスタートさせる継承と進化の年と位置付けています。

チーム経営で実現する成長

世界No.1奪回に向けては、チーム力をより一層大切にしていきます。新執行体制では7名の執行役を中心に、それぞれ異なる強みを持つメンバーが緊密に議論を重ね、現物現場で意思決定しリードしていくことで、より良い結果が生まれると考えています。現場においても、地域やバリューチェーンの各機能を超えてチームで取り組むことを大切にしています。経営チームと現場のチームメイトたちとの双方向の対話も重視し、ブリヂストン全体がワンチームとなって、世界No.1奪回に向けた道筋を一歩ずつ進んでいきたいと考えています。

魅力的な商品とモノづくりの強化

成長の根幹は、ゴム・タイヤメーカーとしての原点である魅力的な商品とモノづくりにあります。技術基盤を徹底して強化し、新商品の継続投入による商品力強化とモノづくりの競争力強化を図っていきます。そのため、新執行体制では、素材・製品開発・生産それぞれに執行役を配置しました。また、モータースポーツを積極的に活用することで、世界レベルの技術力を磨き続けていきたいと考えています。

●魅力的な商品群(24中計新商品 - 乗用車用タイヤ例)

グローバルポートフォリオとサステナビリティ

競争力の強化に向けては、当社の強みである世界各地に展開する生産拠点・販売網を、最適に組み合わせていくことも重要です。地域・商品の軸に加えて、ブリヂストン独自のサステナビリティビジネスモデルも連動させることで、商品を創って売る・使う・原材料に戻すといったバリューチェーン全体を通じて、事業収益の向上とサステナビリティへの貢献を推進しています。

ブランド力の向上

黒くて丸いタイヤやその他のゴム製品は、クルマや様々な車両を支える縁の下の力持ちとしての存在であり、目立つものではありません。だからこそ、確かなブランド力の向上が不可欠であると考えています。より多くのステークホルダーの皆様にブリヂストンを知っていただく機会の拡大やモータースポーツ活動などを通じて、着実に取り組んでいきます。

ステークホルダーの皆様との調和に向けて

これらの取り組みを、世界中のチームメイトと共に現物現場で推進し、ステークホルダーの皆様と積極的に対話することで、共創の機会も創出しながら成長を続けていきます。さらに、成長の中においては、従業員、顧客、パートナー、社会といった様々なステークホルダーの皆様との調和も大切にしていきます。「統合報告2026」を通じて、当社グループの取り組みをご紹介し、皆様と新たな価値を共に創造できることを願っています。

サステナビリティビジネスモデル × グローバルポートフォリオ

執行役メッセージ

EASTは、日本及びAPIC(アジア・大洋州・インド・中国)地域事業に加え、グローバルを対象とした化工品・多角化事業、及び鉱山・航空機用タイヤ・ソリューション事業を、日本に置くグローバル本社から世界へ展開、さらには広報、ブランド、人事といったグローバル本社機能で構成されています。

EASTは、各担当事業群及びグローバル本社機能を含む専門領域の総合力で、「最高の品質で社会に貢献」という使命のもと、社会インフラを支え続ける存在として、ブリヂストン全体の競争力を高め、価値創造を足元から支えながら、その成長を牽引する役割を担っています。

地域事業としては、日本という成熟市場と、成長市場であるAPICの双方がありますが、いずれも長い歴史を持つホームマーケットとして、今後も環境変化に柔軟に対応しながら競争力を高め、持続的な成長を実現していきます。また、鉱山・航空機用タイヤ・ソリューション事業は、タイヤを「創って売る」だけでなく、「使う」までを見据えて価値を最大化する、ブリヂストン独自のビジネスモデルの最先端を担う戦略領域として、また事業収益性への貢献の柱として、着実な成長を目指します。
さらに、化工品・多角化事業については、産業や人々の暮らしを支える重要な事業として位置付け、その価値を大切に、社会に貢献し続けていきます。

これらEASTの事業に共通するのは、現物現場で顧客のニーズを的確に捉え、魅力的な商品やソリューションを提供することで価値を創造し、社会やお客様からの信頼を獲得するという考え方です。そして、その信頼を基盤に価値をさらに増幅させていくことが、質を伴った成長を支えると考えています。

この信頼をより広く社会へと届け、未来に向けた価値創造につなげていくため、広報やブランドの観点から会社全体の取り組みを発信し、社会・お客様との継続的なコミュニケーションを図っていきます。さらに、信頼を積み重ね、価値創造へとつなげていく人財を獲得・育成するため、グローバル本社としての人事機能が、その根幹を支えています。これらが同時にEASTに集約されていることにより、ブリヂストン全体の成長を支える存在として、グローバルへも貢献していきます。

私自身も、欧州駐在では自動車メーカー向け営業として現場でお客様に価値を伝える役割を担い、その後、グローバル本社において経営企画や広報・ブランドなどを担当してきました。さらに経営としては、タイ現地法人の社長や、鉱山・産業・建設・航空タイヤ・ソリューション事業を統括するなど、地域事業とグローバル本社機能の双方を経験する中で、信頼の大切さ、そして価値を創造し、伝えていくことの大切さを学んできました。こうした経験を通じて、現場第一の考えのもと、ブリヂストンのチームメイト一人ひとりが自分の仕事に誇りを持ち成長していく、また「最高の品質で社会に貢献」の実現に向け、日々の改善・努力を積み重ねていくことで、ブリヂストンという企業、そして一人ひとりの質を伴った成長が実現できると信じています。

EASTは、現場から生まれる価値を磨き続け、創立100周年、その先に向けた持続的な価値創造に挑み続けることで、ブリヂストンの世界No.1奪回を支える原動力となっていきます。

WESTは、今、今後の成長に向けて重要な局面にあります。北米、中南米、欧州、中近東・アフリカを網羅するWEST地域は、安定的成長を続ける成熟市場と、長期的な成長の可能性を秘めた新興市場が共存する多様な地域ポートフォリオを有しています。この多様性を、WEST全体での強力なチームワークで最大限に活かし、異なる経済状況や市場環境の中でも、変化に対するレジリエンスの強化と持続的な成長の両立を追求しています。

また、ブランドは、WESTにとって重要な競争優位性の一つです。当社の歴史を体現し、グローバルなリーダーシップを象徴する「ブリヂストン」と、米国の歴史に深く根ざし、米州市場において世代を超えて信頼を築いてきた「ファイアストン」という2つのパワーブランドを展開しています。両ブランドの強みを掛け合わせることで、幅広い顧客体験を提供し、様々なチャネルやセグメントにおける当社の存在感を高めていきます。

こうした多様性と強固なレガシーを基盤に、WESTはブリヂストンの成長をリードしていきます。グローバル収益の半分以上を占めるWESTには、規模だけでなく質の面においても、当社グループの成長を牽引する大きな役割・責任があると認識しています。

そして、2026年は、2031年の創立100周年を見据えた重要な架け橋の年となります。持続的な価値創造と世界No.1奪回に向けて、着実に前進していきます。また、こうした成長は、これまで培ってきた強いビジネス体質と実行力、そして従業員への揺るぎないコミットメントに支えられて初めて実現されるものであると考えています。

近年、WEST全域で事業環境の不確実性と複雑さが増す中、それらに対応してきた経験を通じて、リーンな事業運営とバリューチェーン全体の安定的なオペレーションを確保し、不安定な状況下でも動じないレジリエンスを維持することの重要性を再確認してきました。こうした基本的な考え方は、優先順位の明確化、リソース配分、そして特性の異なる各地域において一貫性を持ってビジネスを行う上での指針となっています。また、激しい事業環境にあっても、チームメイト一人ひとりが企業理念を活動の起点とし、「安全はすべてに優先する」を基盤として行動しています。特に、「現物現場」と「熟慮断行」という心構えは、日々の行動に深く根ざしており、24MBP期間を通じて着実に強化され、現在も安全と品質の向上を支え続けています。

こうした基盤に加え、価値創造の中心にお客様を据える文化の醸成を進めています。プロセスをシンプル化することで迅速に対応し、確実な実行を通じて、信頼され選ばれるパートナーとしてのブリヂストンに進化をしていきます。

これらの取り組みを着実に推進することで、成熟市場の強みを最大化し、新興市場での価値創造を加速させ、WEST全域においてバランスの取れた持続的な成長と競争優位性の確立を実現していきます。

CIOの使命は、グローバル技術プラットフォーム(GTP)の一角として、素材を中心とした先端技術開発からイノベーションを創出し、次世代の魅力的な商品群を継続的に支えることにあります。研究開発で生まれた芽を、設計・生産・品質・サービスへとつなぎ、社会価値・顧客価値として確実に届ける―技術を事業に実装する力まで含めて、技術基盤を強くしていきます。さらに、素材技術を核とした新事業開発の可能性も探索し、ブリヂストンの創立100周年である2031年、そしてその先を見据えて、成長の選択肢を広げていきます。

近年、タイヤ・モビリティ業界は、これまでに経験したことのない変化が続いています。こうした環境下において、モノづくりを根幹とするブリヂストンが、変化に俊敏に対応し、競争優位性を獲得しながら価値を創出し続けるためには、これまで培ってきた強みに基づく技術基盤を磨き続けることが不可欠です。CIOとしては、日本、米国、欧州、アジアの技術開発拠点の知見をつなぎながら、現物現場でイノベーション創出に取り組んでいきます。加えて、技術開発の高度化・高速化に向けて、デジタル技術やAIの活用にも段階的に取り組みます。

当社が創業以来大切にしてきた素材技術、特にゴム・ポリマーを中心とする材料技術は、当社の競争力の源泉の一つです。そのメカニズムを追求してきた材料技術により、転がり抵抗、耐摩耗性、ウェット性能など相反する性能を高次元で両立することなどに取り組んできました。今後は、そこにサステナビリティも融合させるとともに、材料設計・解析・評価の力を一層高め、次世代商品の魅力を生む差別化を進めていきます。

同時に、TRWPや6PPDといった業界全体の課題は、当社にとって、重要な経営リスクと新たな技術開発の機会の双方につながっています。これらを、確かな科学的・技術的アプローチに基づき、データと知見を積み重ねながら着実に対応を進め、業界のリーダーとしての責任を果たしていきます。こうした視点は、社会からの要請に誠実に応えていくためだけでなく、次世代商品の開発を進める上でも欠かすことはできません。

また、素材力を起点に事業領域を広げることにも挑戦していきたいと考えています。タイヤリサイクルは、社会実装に向けた技術の確立に加え、価値が循環し続ける仕組みと事業として収益を生むモデルを目指します。また、将来のモビリティ社会を見据え、AirFree™や月面探査車用タイヤなど、次世代タイヤの開発にも取り組んでいます。これらにとどまらず、新しい技術を起点に様々な挑戦を繰り返すことで、さらなる事業機会を生み出すことにも貢献していきたいと思います。

その実現に欠かせないのが共創と人財です。新しい技術開発や事業探索は、当社単独では完結しません。産官学民のパートナーとの共創を深め、知を掛け合わせることで、イノベーションのスピードと質を高めていきます。同時に、新しい発想で挑戦できる人財を育成し、多様な専門性が交わるチームで技術を磨き続ける文化を育てます。これらによって、技術の進化と深化を実現させたいと考えています。そして、全ての挑戦の前提として「安全はすべてに優先する」を徹底し、安心・安全を支える技術者集団として、社会・お客様からの信頼に応えていきます。

これからも、将来にわたり社会・モビリティを支える企業であり続けるため、イノベーションを通じて挑戦を重ねていきます。

私が、ブリヂストンで商品開発に携わる原点は、学生時代の原体験にあります。学生時代、タイヤを替えただけでクルマの挙動や走りが劇的に変わることに、言葉にできないほどの衝撃と感動を覚えました。中でも、当社のスポーツタイヤ「POTENZA RE71S」の圧倒的な性能に、「タイヤ一つで、ここまで変わるのか」と感激したことは、ブリヂストンへの入社を決意するきっかけとなりました。あのときの感動を、今度は自ら商品を創る立場として届けたい―その思いが、当社で新しい挑戦をしたいと考えたきっかけであり、原動力になっています。

CPOとして私が担う役割は、ゴム・タイヤメーカーとして当社の根幹である商品開発を通じて、感動や価値を生み出すことのできる魅力的な商品を、世界各地のお客様へ届けていくことです。私にとって魅力的な商品とは、「ブリヂストンの商品を使っていて良かった」とお客様に実感していただけるものです。単に性能の良いものを創るのではなく、その商品を通じて、安心・安全や走る喜びといった体験価値を高めていくことこそが、商品開発の目指す姿だと考えています。

タイヤと一言で言っても、小型乗用車向けから超大型の鉱山車両用、さらには航空機用まで用途は様々です。しかし、どの商品においても共通して大切にしているのは、「お客様の顔を思い浮かべながら創ること」です。ブリヂストンの商品開発の大きな強みは、米州、欧州、日本、アジア・大洋州の4極に開発拠点を有し、現物現場でそれぞれの地域特性を深く理解した開発を行っていることです。それぞれの市場で、お客様に近い場所で開発ができる強みを、グローバル技術プラットフォーム(GTP)を通じて地域を超えて結びつけ、強い現場力とシミュレーションなどのデジタルを融合させることで、商品開発の可能性をさらに広げていきます。

こうした挑戦になくてはならないものが、人と組織の力です。商品開発に携わるチームメイト一人ひとりが誇りを持ち、自らの思いや夢を商品に込められる組織でありたいと考えています。意思決定を迅速に行えるシンプルな体制のもと、世界中の仲間たちと「ワンチーム」となり、挑戦する楽しさやワクワク、それぞれの夢を共有しながら、現物現場で事実とデータを深く理解し、自ら考え、改善・解決に挑むマインドセットを大切にしています。その結果が、開発の質だけではなく、効率の向上につながっていくと考えています。

この縮図が、モータースポーツ活動です。2026年末からは、新たな挑戦であるABB FIA Formula E 世界選手権へのタイヤ供給が始まり、チームメイトたちとワクワクしながら準備を進めています。極限の条件下で、安心・安全を絶対条件に、短期間で高難度な開発が求められるモータースポーツは、まさに開発の真価が問われる舞台です。そして、チームが一つにならなければ世界で戦うことはできません。グローバルチームが一体となって挑み、そこで得られた配合技術や計測技術、接地コントロール技術は、市販用タイヤや次世代のタイヤ技術にも確実に活かしていきます。さらに、ORタイヤのように一見異なる分野においても、共通する技術課題を通じて相互に技術を高め合い、継続的な性能・品質向上につなげています。

創立100周年に向けて、様々な挑戦を積み重ねていくことで、お客様の期待を超える商品を創り出し、走るワクワク、そして安心・安全な移動を支え続けるチームでありたいと考えています。

私たちブリヂストンのモノづくりを取り巻く環境は、米国の関税影響をはじめ、原材料価格やエネルギーコストの上昇、グローバルでの人財獲得競争の激化など、これまで以上に厳しさを増しています。このような先行き不透明な状況の中で当社が生き抜き、成長を続けるためには、変化を敏感に捉え、現場に根差した迅速かつ的確なアクションを積み重ねていくことが不可欠です。そして、当社は、創立100周年となる2031年に向けて、タイヤ・ゴム業界における世界No.1奪回、その先も持続的に成長するための道筋を描いていかなければなりません。

グローバル技術プラットフォーム(GTP)は、今後の成長に向けて、タイヤメーカーとして当社が培ってきた技術基盤をさらに強化するために設置されました。その中で生産は、モノづくりというメーカーの根幹を担う機能です。外部環境の厳しさに加え、顧客価値を高めるために商品が高度化・複雑化し、生産難度が年々高まる中で、魅力的な商品の供給とコスト競争力の向上を両立させることが必要であり、CMOとしてはそのコスト競争力の向上が最重要課題であると捉えています。

当社は、日本をモノづくりの中核としながら、世界各地の生産拠点やグローバルチームと一体となり、多様な価値観や技術を融合させた取り組みを、足元と先を見据えた2軸で推進しています。足元で生産性向上や原価改善を着実に積み重ねると同時に、次世代のモノづくりを担う生産技術検討を進めています。そこには、設備の自動化や、デジタル・AI技術の活用なども積極的に取り入れていかなければなりません。サステナビリティにおいても、事業戦略と連動した形で貢献を継続していきます。

競争力向上は、工場や生産機能の取り組みだけでは実現せず、バリューチェーン全体での連携を重視し、特に製品・材料の設計・開発部門と密接に協働することで、設計段階から生産まで一貫した最適化を図り、品質・コスト・スピードの向上につなげていきます。また、GTPでの連携に加え、WEST CTOや各地域事業の生産部門との連携を通じ、各工場の競争力を相互に理解し、高め合う体制づくりを進めています。現場同士がつながり、学び合うことこそが、グローバルでの競争力を押し上げると考えています。

そして、これら全ての取り組みを支えているのが、人財の力です。私自身、生産システム・製造技術開発から、日本、アメリカ、アジア地域の工場など、長年にわたり生産現場に向き合ってきました。その経験を通じて実感しているのは、競争力の本質は、現場で考え、継続的に改善を積み重ねる人財そのものにあるということです。ブリヂストン独自のデミング・プランの基本思想である「良い品質の製品は、良い体質の会社から生まれる」に基づき、全員参加のTQM活動や人財育成を通じて、改善マインドと仕事のオーナーシップを一人ひとりが発揮できる現場づくりをさらに強化していきます。このような、チームメイト一人ひとりの生産性・創造性の向上とチームワークが、激動の環境を生き抜くための抜本的な競争力につながっていきます。

世界No.1奪回に向けて、生産現場・モノづくり領域での挑戦を、世界中のチームメイトたちと共に積み重ねることで、将来にわたって成長し続けることができる基盤を強化していきます。

WEST CTOチームの使命は、WEST地域全体における安全、品質、技術、オペレーションを強化し、持続的な競争優位性の源泉とすることです。活動領域は、生産、サプライチェーン、調達、研究開発、サステナビリティにわたり、多様な市場において、バリューチェーン全体で一体となり、社会価値と顧客価値の創造を目指しています。この使命を果たすためには、高い技術力だけでなく、機能・地域を横断し、本社機能であるGTP(グローバル技術プラットフォーム)とも連携する強いチームワークが不可欠です。

24MBP期間中、WEST CTOチームは、事業基盤の強化に最優先課題として取り組むとともに、将来を見据えた技術の土台作りを進めてきました。事業基盤については、地政学リスクや市場の構造変化による不確実性の高まりに対応するため、オペレーションのリーン化・効率化、生産設備の稼働率向上、及びサプライチェーン全体におけるレジリエンスの強化に注力してきました。これらの取り組みは、欧州事業の収益性向上などビジネス体質の改善につながり、成長に向けた基盤を固めることができたと考えています。

この基盤の上に、新商品の展開や持続可能なサプライチェーンの構築など、将来を見据えた技術開発を推進し、ブリヂストンの成長とお客様への価値提供のさらなる向上を図っていきます。一方で、世界No.1奪回に向けて、多くの課題があることも認識しています。

2026年以降、質を伴った成長へ本格的に舵を切る中で、オペレーションのシンプル化、デジタル技術やシミュレーションの活用、データ主導の研究開発活動の実現を通じて、競争力を高める技術の進化に注力していきます。こうした取り組みによって、魅力的な商品・サービスを、それぞれの市場に最適な形でより早く投入し、顧客価値の向上を図ります。

WESTには様々な市場があり、お客様のニーズも大きく異なります。そのため、技術とオペレーションの進化は、各市場に適応しながら展開できる拡張性を備える必要があります。この実現に向けては、デジタル化と標準化が重要な要素であるとともに、米州及び欧州の市場に深く根ざした技術開発拠点を活用したイノベーションの推進が不可欠です。私の役割は、これまでのブリヂストンでの25年以上にわたる経験を活かし、これらの技術開発拠点やバリューチェーンの各チームとGTPを結びつけ、ブリヂストンの技術進化を加速していくことにあると認識しています。

また、企業理念であり重要な当社のレガシーである「現物現場」は、今後も技術イノベーションを導くものであり続けます。意思決定や行動が、常に現場の実態にしっかりと根ざしたものとなるよう意識し、チームワークを強化しながら、2031年のブリヂストン創立100周年に向けた取り組みを推進していきます。

さらに、成長は常に安全を前提としていなければなりません。「安全はすべてに優先する」は絶対に譲れないものであり、イノベーション、実行力、競争優位性を支える基盤です。安全の基盤として、バリューチェーン全体における品質と信頼の向上を支え、今後も確実に受け継いでいきます。