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メキシコウルトラマラソンでみた情熱と夢

  • オリンピックチャンネル

番組シリーズ:Olympic Outposts presented by Bridgestone
世界各地の思いがけない場所で生まれ、息づいているスポーツへの情熱に触れる旅

メキシコ・チワワ州奥地に広がる大渓谷バランカ・デル・コブレの小さな町、ウリケ―― "走る民族"と呼ばれるメキシコの先住民、タラウマラ族が住む地。彼らの存在を有名にしたのが、ウルトラマラソン(注釈1)「カバロ・ブランコ」です。今回、彼らと共に走ることを夢見てきたという持久系スポーツ(注釈2)のアスリートで冒険家のコリン・オブラディー選手が、メキシコに飛び「カバロ・ブランコ」に参戦。世界最年少の「冒険家グランドスラム」達成記録を持つオブラディー選手は、辺境のレースで何を掴むのか。タラウマラ族やアスリート達がこのマラソンにかける情熱に迫ります。

注釈1
42.195kmを超える距離を走るマラソン(本文に戻る)

注釈2
長距離走、マラソン、トライアスロン、登山など、普段の練習から運動量や持続時間が多く、エネルギーの消費が高いスポーツ(本文に戻る)

メキシコウルトラマラソンでみた情熱と夢

「カバロ・ブランコ」はメキシコの厳しい地形を50マイル(約80km)も走り続ける過酷なレースです。曲がりくねった道は時に川にぶつかり、岩を飛び跳ねたり、水に濡れたりして進まなければいけません。さらに、参加するランナーたちは、サンダルで走る年配女性からブーツにジーンズ姿のティーンエイジャーまで、特別なトレーニングなど受けていないタラウマラ民族の村人たち。そこに世界中から何千キロも旅してきたランナーたちが加わり、まさに見たこともない、不思議な光景が広がります。

元よりこの「カバロ・ブランコ」とは、何年も前にこの地を訪れたアメリカ人ランナーの名に由来しています。走ることを重要な文化のひとつとして長く守り続けてきたタラウマラ族の美しく力強い走りに魅せられたアメリカ人ランナー、カバロ・ブランコがこのレースを実現させました。

元来タラウマラ族にとって、「走ること」は生活の一部。「走ること」に自然に向き合い、生きるタラウマラ族と走ることは多くのランナーに素晴らしいインスピレーションを与えます。やがてこのレースはベストセラー「BORN TO RUN」で有名になり、世界中から多くのアスリートたちが参加する大会となりました。

メキシコウルトラマラソンでみた情熱と夢

もうひとり、「カバロ・ブランコ」を語るのに欠かせない人物がタラウマラ族のエース、ミゲル・ララ選手(MIGUEL LARA)です。過去に3度優勝しており、去年に続いて今年は連覇がかかっています。「人と走ることで多くを学ぶ」という彼の言葉のように、速く走ること、勝利することだけが目的ではないというタラウマラ族。その走る姿は、厳しい勝負の世界に身を置くランナーたち、そしてオブラディー選手に新たな気付きを与えます。

メキシコウルトラマラソンでみた情熱と夢

朝5時、まだ暗いうちに始まったレースは、山岳地帯の舗装されていない土塊だらけのアップダウンが激しい道を進みます。小川の中であろうとサンダルで駆け抜け進んでいくタラウマラ族のランナーたちに「正直自分は彼らと比べると軟弱だ」と苦笑しながら、素晴らしい景色に疲れも吹き飛ぶとマラソンを楽しむオブラディー選手。日が昇り、暑さからより一層ハードになる道のりも、周りの環境と"「カバロ・ブランコ」に参加しているということ"が走り続けるモチベーションになる、と前向きにゴールを目指します。

メキシコウルトラマラソンでみた情熱と夢

過酷なコースを1日中ひたすら走り続け、さすがに終盤は厳しい表情を見せたオブラディー選手。精神的・肉体的に強さが求められた自分との闘いを制し、両手を挙げてゴールを切ると観衆からは拍手が。「信じられないような体験だった。とても疲れたけど、自分自身が試された。すごくインスパイアされました!」と興奮気味に語るその表情は達成感で溢れていました。

一方、淡々とレースを進めたララ選手は、その精神力の強さを見せつける6時間18分という素晴らしい記録で自己ベストを更新し、見事連覇を達成。ララ選手をはじめ、落ち着きがあって、世界最高のランナーであるタラウマラ族の謙虚で力強い走り方に触れ、まだ自分が完成しきっていないと自覚したオブラディー選手。この体験を、自身の競技人生でもきっと忘れない、と語ります。

メキシコウルトラマラソンでみた情熱と夢

タラウマラ族と共に走るという夢を叶えて終えた「最高の1日」。カッパー・キャニオンのダイナミックで剥き出しの自然の中で、自分と闘いながら走り続けるオブラディー選手と、ひたむきで力強いララ選手のランニングも必見です。ぜひ映像でお楽しみください!

コリン・オブラディ
トライアスロン選手として活躍した後、七大陸最高峰を132日、北極点・南極点と七大陸最高峰のすべてに到達する「冒険家グランドスラム」を139日で達成して、2つの世界最短記録保持者となる。2018年12月には世界初の南極大陸無支援単独横断に成功。

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