ニュースリリース

ソフトロボティクスの事業化に向けアセントロボティクス社と資本業務提携

~ソフトロボットハンドとAI ソフトウェアを組み合わせたピースピッキングロボットシステムを開発~

2023年02月01日

 株式会社ブリヂストンは、知能ロボットシステムを開発・販売するアセントロボティクス株式会社(以下、アセントロボティクス)と資本業務提携契約を締結しました。両社は今後、ブリヂストンのソフトロボットハンドとアセントロボティクスのAIソフトウェアを組み合わせたピースピッキングロボットシステム※1を開発し、その実用化を目指します。

 ブリヂストンは、ソフトロボティクス事業を通じてゴムの力ですべての人の生活を支えることで、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」※2に掲げる「Empowerment すべての人が自分らしい毎日を歩める社会づくり」にコミットしていきます。

左から、アセントロボティクス株式会社 代表取締役兼最高経営責任者(CEO) 久夛良木健氏、
株式会社ブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズ CEO 兼 探索事業開発第1部門長 音山哲一

 近年、Eコマースの拡大などによる物流需要が増加する中、少子高齢化に伴う労働力不足やCOVID-19に起因する非接触化ニーズの高まりを受け、物流業界では作業の自動化が求められています。この課題を解決する選択肢として、ヒトと協働することができる柔らかいロボット、ソフトロボティクスが注目されています。

 ブリヂストンは、タイヤやホースの開発・生産におけるノウハウを活用したゴム人工筋肉(ラバーアクチュエーター)※3の開発を行っています。このゴム人工筋肉の柔軟性、耐衝撃性、軽量・高出力といった特徴を活かし、ロボットの「指」となる部分にゴム人工筋肉を搭載したソフトロボットハンドを用いて様々な形・硬さ・重さのモノを"いい感じ"につかむ動作を実現することで、ピースピッキング作業の自動化を目指しています。2022年7月には複数のパートナーとともに物流倉庫等におけるピースピッキング自動化に向けた実証実験を開始しており※4、2023年1月には当社初の社内ベンチャー「ソフトロボティクス ベンチャーズ」を設立するなど、ソフトロボティクスの事業化に向けた取り組みを加速しています。

 ブリヂストンは今回の資本業務提携を通じて、ロボットの「手」をブリヂストンのソフトロボットハンドが、「目」と「頭脳」をアセントロボティクスのAIソフトウェア群が構成するピースピッキングロボットシステムを開発します。これにより、物流の作業現場でロボットが対象物を即座に認識・判別し、多種多様なモノを"いい感じ"につかむことで、対象物や状況に応じて自律的に作業することが可能となります。今後、ブリヂストンはこのシステムを物流に関わる事業者様等に提供していく予定です。こうした取り組みを通じて、現在はヒトの器用さに依存している物流現場でのピースピッキングの自動化の実現を目指します。

株式会社ブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズ CEO 兼 探索事業開発第1部門長 音山哲一のコメント
 独自のAI技術を持つアセントロボティクスとの資本業務提携は、ソフトロボティクスの事業化に向けた大きな一歩であり、大変嬉しく思います。アセントロボティクスとの共創を通じて、ゴムのしなやかさを活かし状況に応じて柔軟に対応できるソフトロボティクスの実用化を目指します。また、新たに立ち上げた社内ベンチャー「ソフトロボティクス ベンチャーズ」では、新しい事業をゼロから創り出したいという人財が早期の事業化に挑戦しています。こうした取り組みを通じ、ソフトロボティクスが人々の暮らしに寄り添い、それを支える新しい社会を実現していきたいと考えています。

アセントロボティクス株式会社 代表取締役兼最高経営責任者(CEO) 久夛良木健のコメント
 アセントロボティクスは世界規模で高まる流通、物流領域の更なる自動化の流れに向けた、最先端のAI技術を活用した知能ロボットシステム開発に取り組むと共に、急速に市場が活性化しつつある「デジタルツイン時代」に向けた各種センシング技術※5への取り組みを加速します。
 逼迫する流通、物流のさまざまな課題に柔軟に対応するためには、定型化された反復作業のみを行う旧来型のロボットではなく、多種多様な対象物をフレキシブルに扱うことができ、且つ、現場の環境に応じて人間のオペレーターと協調して自律的に動作可能な知能ロボット群の導入が期待されています。
 この度、ブリヂストン ソフトロボティクス ベンチャーズの提供するソフトロボットハンドの有するゴム人工筋肉のしなやかさを活かしながらもしっかりと掴むという特徴を活かすことにより、これまで適用が困難であった不定形の生鮮食品や冷蔵冷凍品等にも対応できるソリューションが提供できるなど、アセントロボティクスのAIソリューションの活用範囲がさらに拡大することに期待しています。

ソフトロボティクス事業の詳細についてはこちらのウェブページをご参照ください。
https://www.bridgestone.co.jp/products/softrobotics

<アセントロボティクス株式会社 概要>

  1. 1会社名:アセントロボティクス株式会社
  2. 2本社所在地:東京都渋谷区広尾1-6-10 Giraffa 11階
  3. 3代表者:久夛良木 健
  4. 4事業内容:産業用ロボット向けのAIソフトウェアの研究・開発、販売
  1. ※1ソフトロボットハンド、AIソフトウェア、カメラを一体として組み合わせてピースピッキング(品物を一つひとつ運び出す作業)を行うロボットシステム。
  2. ※2ブリヂストングループは、「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」というビジョンの実現に向けて、企業コミットメント「Bridgestone E8 Commitment」を制定しました。これを未来からの信任を得ながら経営を進める軸とし、ブリヂストンらしい「E」で始まる8つの価値(Energy、Ecology、Efficiency、Extension、Economy、Emotion、Ease、Empowerment)を、ブリヂストンらしい目的と手段で、従業員・社会・パートナー・お客様と共に創出し、持続可能な社会を支えることにコミットしていきます。
    https://www.bridgestone.co.jp/corporate/news/2022030101.html
  3. ※3ゴム人工筋肉(ラバーアクチュエーター)の詳細については下記ウェブページをご覧ください。
    https://www.bridgestone.co.jp/technology_innovation/rubber_actuator/
  4. ※4ソフトロボティクス事業の事業化へ向けてソフトロボットハンドを用いた物流現場でのピースピッキングの実証実験を開始
    https://www.bridgestone.co.jp/corporate/news/2022082901.html
  5. ※5デジタルツイン時代に向けたアセントロボティクスのソリューションについては以下のリンクをご覧ください。
    https://www.youtube.com/watch?v=Gd-l5xz3Jtk

本件に関するお問い合わせ先

<報道関係> 国内広報部 TEL:03-6836-3333
<お客様> お客様相談室 TEL:0120-39-2936

以上