ブリヂストングループアワード2024では、「Solutions for Sustainability Business(社会価値・顧客価値の両立)」、「Value Creation for Society(社会価値創出)」、「Value Creation for Customers(顧客価値創出)」、「Management Fundamentals(基盤強化)」という4つの「創出した価値の対象」で分類して、審査・選定しました。その中で、「Bridgestone E8 Commitment」で掲げるブリヂストンらしい8つの価値創造に大きく貢献した、9件の事例が表彰されました。
「社会価値・顧客価値の両立」表彰2件
中国EV時代におけるBridgestone (China) Investmentの戦略的アプローチ
中国
Bridgestone (China) Investment(以下、BSCN)では、当社のビジョン「サステナブルなソリューションカンパニー」達成に向けて、中国で急速に増加するEV需要において競争優位性を獲得するために取り組みを強化してきました。戦略的アプローチ、明確な戦略方向性、クロスファンクションでのチームワーク、一人ひとりの持つ強い使命感といった強みを活かし、EVのリーディングカンパニーから、グローバルで初めてビジネスを獲得しました。加えて、当初計画よりも6ヶ月早く供給を開始することにも成功しました。この実現にあたっては、中国・無錫工場でのグリーン化が重要な役割を果たしました。無錫工場は中国政府から「National Green Factory(環境負荷を減少させ、持続可能性を重視する工場)」として認定され、顧客からの信頼とブランドの向上に寄与しました。


ENLITEN & BCMAを活用した日本向け断トツ商品「REGNO GR-XIII」の発売
日本
「新たなプレミアム」と位置付ける商品設計基盤技術ENLITEN※1を日本国内で初めて市販用タイヤに搭載したREGNO GR-XIIIは、新次元のプレミアム顧客価値と社会価値との両立が求められていました。設計においては、「薄く・軽く・円く」を追求し、エッジを効かせた断トツ性能による顧客価値向上に加え、再生資源・再生可能資源比率の向上を実現しました。また、BCMA※2による変革で、モジュールを共有する子商品の開発効率化によるビジネスコスト削減にも寄与しています。
- 参考: 当社ニュースリリース「新たなプレミアムを実現する「ENLITEN」を搭載した 「REGNO GR-XIII」を発売」
- ※1商品設計基盤技術ENLITENは、サステナビリティへつながる環境性能、市場やお客様のご要望によって顕在化している要求(ニーズ)、潜在的な要求(ウォンツ)を叶えるだけでなく、多様なクルマ・使用環境における特性に合わせて、市場・お客様が想像もしえない新たな価値を提供する性能(インスパイア)にエッジを効かせる「究極のカスタマイズ」を追求する技術です。
- ※2BCMA(Bridgestone Commonality Modularity Architecture)は、タイヤを構成するモジュール(部材)を集約し、異なる商品間で共有することで、開発・生産のリードタイムを短縮してお客様迅速に価値を提供するとともに、環境負荷低減とビジネスコストダウンを目指すモノづくり基盤技術で、ENLITENと連動し、「究極のカスタマイズ」を支えています。

「社会価値創出」表彰3件
Bridgestone Aircraft Tire Europe の変革とイノベーション
ヨーロッパ
BRIDGESTONE Aircraft Tire (EUROPE), S.A.(以下、BAE)は、航空機用リトレッドタイヤ市場に新品プレミアムタイヤ及びリトレッドタイヤ、ソリューションを提供するとともに、ベルギーで航空機リトレッドタイヤ工場を運営しています。BAEは、自発的な安全促進活動、一部の製造工程の自動化、現地で生産されたグリーンエネルギーの使用などの活動を、全社として取り組みました。この取り組みの成果として、オペレーションの安全性と生産性の向上が実現し、従業員のエンゲージメントも改善された他、ベルギーで先進的な製造業に贈られる「Factory of the Future 2024」を受賞するなど、社外からも評価されました。


彦根工場における女性活躍推進から生まれた現物現場の生産工程のプロセス改善
日本
彦根工場では、すべての人が働きやすく、誰もが活躍できる職場に向けて、生産現場の職場環境について女性を起点とした改善を実施しました。女性特有の体調変化に配慮した休養所の設置や、高重量の積み荷を持ち上げるための設備の導入といった改善活動は、女性技能員による自発的かつ地道な現物現場での課題発見・提案により実現したものです。これにより、一人ひとりのマインドチェンジから職場全体のカルチャーチェンジにつながり、安定した品質経営や、生産性・人的創造性の向上にも貢献しました。環境変化をチャンスと捉え、更なる改善による価値の増幅を通じ、一人ひとりがいきいきと働き、ビジネスに貢献していく当社のDE&I推進のモデルケースとなりました。

ブリヂストンイタリアによる交通安全プログラムの展開
ヨーロッパ
イタリアでは、交通死亡事故が深刻な社会問題となっており、若年層向けの教育活動が最優先事項とされています。当社のイタリア国内にある3つの拠点(販売部門、Bridgestone Technology Center Europe、バリ工場)は、イタリア赤十字社(以下、ITRC)と提携し、若年層向けの交通安全プログラムを立ち上げました。学校やキャンプでイベントを行い、約30,000人の参加者と、当社およびITRCからの2,500人のボランティアが参加しました。ITRCとのパートナーシップを2026年も継続することで、社会価値をさらに増幅していきます。


「顧客価値創出」表彰2件
ブリヂストン アメリカスによるラストマイルビジネスへのアプローチ
北米
ブリヂストン アメリカス インク(BSAM)は、ラストマイルデリバリーのリーディングカンパニーとの長年にわたるビジネスの中で、信頼関係を培ってきました。現物現場で彼らの困りごとを確認する中で、顧客オペレーションの生産性向上に向けて、プレミアムタイヤ、サービスネットワークを活用したタイヤ関連メンテナンスサービス、デジタルを活用したタイヤの状況や点検結果などの迅速な情報共有を組み合わせたソリューション提案を行い、同社から新規ビジネスを獲得しました。今後、「Bridgestone FleetCare」プログラム(断トツ商品、リトレッド、メンテナンスサービス、モビリティソリューションの包括的なパッケージ)への進化・統合を図ることで、「戦略事業」として生産財系BtoBソリューションを拡充していきます。
顧客との共創による樹脂配管リサイクル
日本
商品を「創って売る」「使う」、原材料に「戻す」という当社のバリューチェーン全体で価値の循環を目指す中、化工品の樹脂配管事業では、戸建住宅の国内トップメーカーである積水ハウス株式会社との共創を通じて、日本初となる給水給湯樹脂配管の水平リサイクルを開始しました。双方のビジョンに共通する持続可能な社会の実現に向けて、リサイクル可能な材料を使用した樹脂配管を生産・販売する当社と、リサイクルのための回収システムを持つ同社のそれぞれの強みを活かして、マテリアルリサイクルに向けた共創を進めています。このような取り組みを通じて、資源の有効活用やサーキュラーエコノミーへの移行に向けた取り組みを加速しています。
- 参考: 当社ニュースリリース「積水ハウスとブリヂストン、日本初となる給水給湯樹脂配管の水平リサイクルを開始」
「基盤強化」表彰2件
鉱山車両用(OR)タイヤにおける、市況変動に対応するサプライチェーン基盤強化 ~「Bridgestone MASTERCORE」を中核にした「断トツ商品」の展開拡大~
日本
鉱山業界は世界経済の動向に敏感で、市況変動が大きいビジネスです。その中で、鉱山車両用(OR)タイヤビジネスは世界の大規模な鉱山現場の生産性に大きな影響を与えるため、市況変動に柔軟かつ迅速に対応してタイヤを生産・販売することが極めて重要です。本取り組みでは、サプライチェーン全体で「PDCA※」などの業務品質の基本動作を徹底し、グローバルでのタイヤ需要見通しやお客様の要望への柔軟な対応を推進しました。これにより、「断トツ商品」の展開拡大とソリューションとの連動によるお客様への価値提供を実現しました。
- ※PDCAは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Act(改善)」の4つのステップで構成されており、当社はこのサイクルを回すことでビジネス体質を継続強化しています。

Bridgestone Retail Operation(米国直営小売)での車両点検のデジタル化
北米
Bridgestone Retail Operation(以下、BSRO)の店舗では、12,000台のデジタル点検アプリをインストールしたタブレットを導入し、2,200以上の店舗で8,000人以上のチームメンバーを対象としたデジタル研修を実施しました。2か月に渡るBSROの挑戦は、現場に大きなカルチャーチェンジをもたらし、顧客との信頼関係の強化、店舗収益の拡大オポチュニティに繋がりました。また、このデジタル点検プログラムは、現場のオペレーション効率化によるビジネスコストダウンに繋がるとともに、紙の使用量削減により、サステナビリティにも貢献しています。










