サステナビリティビジネスモデル
ブリヂストンは、使命「最高の品質で社会に貢献」の下、2020年を「第三の創業」として、サステナビリティを経営の中核に据え、持続可能な社会の実現を支えながら、企業としても持続的に成長していくことを目指し、変革を加速しています。ビジョンとして掲げる「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を持続的に提供している会社へ」の実現、持続的な価値創造の基盤構築に向けて、様々な挑戦・取り組みを進めています。
事業を通じて社会価値・顧客価値の創出を両立させ、社会、お客様、ブリヂストンが共にWin-Win-Winとなるために、商品を「創って売る」、「使う」、原材料に「戻す」という、バリューチェーン全体でカーボンニュートラル化、サーキュラーエコノミーの実現、ネイチャーポジティブの推進とビジネスを連動させる独自のサステナビリティビジネスモデルの確立を、経営戦略、中期事業計画に織り込んで推進しています。
当社グループは、2011年にリファインした「環境宣言」を起点に、「自然と共生する」ために、「資源を大切に使う」技術を開発・活用し、喫緊の課題である地球温暖化に対して「CO2を減らす」ことに取り組み、長年にわたり自然共生に向けて包括的に取り組んできました。2050年を見据えた環境長期目標を2012年に策定し、これを達成するために、2030年を目標とした環境中期目標「マイルストン2030」を2020年に公開しました。
カーボンニュートラル化に向けては、2050年を見据えた環境長期目標においてカーボンニュートラル化を掲げています。これを達成するために、2030年を目標とした環境中期目標としてCO2排出量を50%以上削減(Scope1, 2: 2011年対比)するという明確なターゲットを掲げて取り組みを推進しています。2024年のCO2排出削減率(Scope1, 2: 2011年対比)の実績は62%となり、昨年からさらに削減率を高めています。地道な省エネ活動によるエネルギー効率の改善や再生可能エネルギー由来の電力への切り替えを着実に推進することで、昨年に続いて中期目標を前倒しで達成しています。
サーキュラーエコノミーの実現に向けては、中長期の目標として、2050年に100%サステナブルマテリアル化、また、2030年までに使用する原材料に占める再生資源・再生可能資源比率40%を業界に先駆けて設定し、目標達成に向けて着実に推進しています。 2024年の再生資源・再生可能資源比率は、タイヤ事業全体の2026年の目標値39%を上回る39.9%を達成し、540千t相当の新規投入原材料の削減に貢献しました。
また、ネイチャーポジティブに向けては、中期事業計画(2024-2026)では、事業に直結する「天然ゴム・水資源の持続可能な利用に向けた活動」に注力しています。持続可能な天然ゴムの利用に向けたアプローチとして、2026年までに12,000軒の天然ゴム小規模農家を支援することを目標として設定しており、2024年には6,047軒を支援、累積の実績は2024年末で11,687軒に達しました。支援活動を通じて小規模農家の耕地面積当たりの収量を向上させ、彼らの生計を向上させることを目指すと同時に、環境影響の軽減にも貢献しています。持続可能な水資源の利用に向けては、「ウォータースチュワードシップポリシー」に基づき、2030年までに水ストレス地域※に立地する生産拠点において、それぞれの地域の事情に応じた具体的なウォータースチュワードシッププランを策定・実行していきます。2024年末時点で対象17拠点の全てで、ウォータースチュワードシッププランの策定を完了しており、2024年の対象拠点での取水量は前年比5.4%減少となりました。
※ 淡水資源の量や質の低下のリスクがある地域
ビジネス具体化シナリオと連動したサステナビリティ価値創造
中期事業計画(2024-2026)では、 サステナビリティのビジネス具体化シナリオへの統合を推進し、事業活動とサステナビリティの取り組みを相互に結び付け、持続的な価値創造に向けた基盤の構築に取り組んでいます。カーボンニュートラル、サーキュラーエコノミー、ネイチャーポジティブへの取り組みは、ビジネス具体化シナリオのコア事業、成長事業、探索事業の価値創造と連動しており、より循環型・再生型のビジネスモデルへと進化させています。
コア事業であるプレミアムタイヤ事業においては、「究極のカスタマイズ」を追求する商品設計基盤技術ENLITENやモノづくり基盤技術BCMAによる開発・生産のシンプル化を通じて、耐摩耗性やロングライフ、低転がり抵抗など、タイヤに求められる様々な性能を向上させると同時に、資源生産性やエネルギー効率の改善に取り組んでいます。これにより、顧客価値の向上と共に、ビジネスコストの削減や環境負荷の低減を両立させるモノづくりを推進し、サステナビリティターゲットの達成にも貢献しています。
ソリューション事業においては、循環ビジネスモデルであるTBリトレッドビジネスの拡大により、再生資源・再生可能資源比率を向上させていくと共に、モビリティソリューションにおける最適な運行ルートの提案などを通じて、Scope3におけるCO2削減貢献も拡大しています。
こうした取り組みを通じて、事業とサステナビリティが相互に連動し、両輪として相乗効果を生み出していくことを目指し、サステナブルな体質・基盤を強化しながら持続的な社会価値・顧客価値の創造を促進していきます。
引き続き、社会からの期待やお客様のニーズに応えながらサステナビリティビジネスモデルの確立に向けて取り組みを進めると共に、より循環型・再生型のビジネスモデルへと進化させていくことで、サステナブルな社会に向けたアウトカムを創出し、社会価値・顧客価値、企業価値の持続的な創造につなげていきます。







