調達

ミッション

持続可能な調達活動を通じ
社会価値を創造する

私たちは、長期的に環境、社会、経済をよりよくしていくため、次に掲げる4項目をサプライチェーン全体に浸透させていくことで、持続可能な社会と価値創造の実現に向け、誠実に取り組みます。

  1. 1. 透明性
  2. 2. コンプライアンス
  3. 3. QCD(品質、コスト、供給)& イノベーション
  4. 4. 持続可能な調達活動

グローバルサステナブル調達ポリシー

ブリヂストングループの持続可能なサプライチェーンの実現に向けた活動は、ステークホルダーに環境面、社会面、経済面で長期的な利益をもたらします。この活動は、2018年に策定した「グローバルサステナブル調達ポリシー」に基づき、長期的に環境、社会、経済をよりよくするため、お取引先様と協力して持続可能なサプライチェーンの早期実現に貢献していきます。また、2050年を見据えた環境長期目標として掲げる「100%サステナブルマテリアル化」の実現に向けて、取り組んでいます。本ポリシーにより適正な調達先選定要件を明確にし、ベストプラクティスを促進し、また、関連業界にとってのコミュニケーションや改善のツールとしても活用しています。

本ポリシーの策定に当たっては、国連の「世界人権宣言」や「ビジネスと人権に関する指導原則」、国際労働機関(ILO)の各種条約、ISO26000(社会的責任に関する手引)とISO20400(持続可能な調達に関する手引)など、広く社会に認められている人権の国際規範及び基本原則に細心の注意を払いました。本ポリシーをもとに、長期的に環境、社会、経済をよりよくするためにも、お取引先様と協力して持続可能なサプライチェーンの早期実現に貢献していきます。

ブリヂストングループでは、「継続的に利用可能な資源から得られ、事業として長期的に成立し、原材料調達から廃棄に至るライフサイクル全体で環境・社会面への影響が小さい原材料」をサステナブルマテリアルと位置付けています。詳しくはこちらのページをご覧ください。

ポリシー策定のプロセス(2018年)

ポリシーの改訂

2020年9月に承認された、「持続可能な天然ゴムのためのプラットフォーム」(GPSNR)の要求事項も踏まえ、ステークホルダーの皆様の期待に応えるため、当社グループは調達ポリシーを2021年中に改訂する予定です。当社グループは2020年12月に、2050年を見据えた環境長期目標においてカーボンニュートラル化を目指すことを明確に示すとともに、2030年に向けて当社が排出するCO2総量の50%削減を目指すことを発表しており、主要な改訂点である、お取引先様の皆様に対するカーボンニュートラルなサプライチェーン推進への期待は、まさにこれを具現化したものです。また、環境に配慮した調達、人権の尊重を促進する新たな要求事項も記載します。

※基準年:2011年

焦点を当てている項目

本ポリシーは、下記の4項目に焦点を当てており、当社グループとお取引いただく際に必ず実施いただきたい事項と、持続可能なサプライチェーンの早期実現のために実施をお願いしたい事項とを定めています。

  • 透明性 ― 調達に関わるトレーサビリティーの向上と、優れたガバナンス体制の構築を含めて定めています。
  • コンプライアンス ― 当社グループが事業を展開する国及び地域で適用される全ての法律と規制を遵守すべきことを定めています。
  • QCD(品質、コスト、供給)&イノベーション ― 高品質の製品とサービスをタイムリーかつ適切な価格で供給するとともに、国際社会の発展に寄与する革新的なテクノロジーを追求すべきことを定めています。
  • 持続可能な調達活動 ― 環境関連法令の遵守などの環境への責任ある調達活動、差別のない最低賃金の遵守や強制労働防止、結社の自由と団体交渉などの人権の尊重、安全で健全な働きやすい労働条件、水利用、土地の利用及び保全、防災、レジリエンス(変化に対処する能力)に関する事項に取り組むことを定めています。

推進体制

世界各地のブリヂストングループ従業員から構成されるサステナブル調達ワーキンググループは、グローバルサステナブル調達ポリシーを策定・展開し、グループ全体で行う取り組みや活動を企画して進捗状況を確認し、その内容をグローバルサステナビリティコミッティ及び、ブリヂストングループの経営執行に関する最高位の会議体であるグローバル経営執行会議(Global EXCO)に報告します。

「グローバルサステナブル調達ポリシー」の実行

「グローバルサステナブル調達ポリシー」の導入以降、ブリヂストングループ全体で教育を実施し、中でも調達、法務、技術、顧客対応など数百におよぶチームの教育活動を積極的に行ってきました。

本ポリシーは全てのお取引先様に配布され、全てのレベル1及び2の主要なお取引先様には本ポリシーをご理解いただいたかどうかの確認をお願いしています。2020年末の時点で、99%を超えるレベル1及び2のお取引先様に本ポリシーに賛同いただいたことを確認しています(お取引先様の区分は下表をご参照ください)。

  1. ※1「ポリシー」における「必ず実施いただきたい事項」及び「実施をお願いしたい事項」への対応状況。
  2. ※2原料や製品がどこから調達され、どのように生産され、誰が関わり、これらの原料または製品の調達がサプライチェーンに関わる全ての人に与える影響を明確に知り、確認するための能力。

ブリヂストングループは数年にわたり、お取引先様に「グローバルサステナブル調達ポリシー」などの当社の活動を十分にご理解いただくため、事業活動を行う様々な地域で「調達方針説明会」を毎年開催してきました。説明会では、本ポリシーで焦点を当てている、透明性、コンプライアンス、QCD &イノベーション、そして環境への配慮や人権の尊重といった持続可能な調達活動の4項目についてお取引先様にご説明しています。2020年は、主にグローバルと日本の事業における主要なお取引先様147社に日本での説明会にご参加いただきました。

第三者評価を通じた持続可能な調達活動の推進

「グローバルサステナブル調達ポリシー」とグローバルCSR体系「Our Way to Serve」に基づき、ブリヂストングループはお取引先様とともに持続可能な調達活動と競争力の向上に取り組んでいます。

ブリヂストングループは、新規及び既存のお取引先様に対して、サステナビリティに関する国際的な調査・評価機関であるEcoVadis社による、環境・社会・ガバナンス(ESG)に関するアセスメントを実施しています。エネルギー消費、水、生物多様性、汚染、廃棄物、お客様の安全、労働安全、労働慣行、人権、汚職、贈収賄、不正行為、マネーロンダリング、持続可能な調達などに関するESG課題について、当社グループの「グローバルサステナブル調達ポリシー」に照らして評価しています。2021年4月時点で、60%のタイヤ原材料のお取引先様(レベル1及び2)に、EcoVadis社によるアセスメントを受けていただき、さらに、そのうちの64%が、当社グループが定める持続可能な調達活動の基準である、総合平均45点以上のスコアを満たしています。

そして、当社グループの目標としては、タイヤ原材料のお取引先様の購入金額ベースにして、2021年4月時点の89%から、2023年までに95%以上のお取引先様にEcoVadis社のアセスメントを受けていただくこととしています。

なお天然ゴムに限れば、2020年は、購入量ベースで90%以上のお取引先様にEcoVadis社によるアセスメントを受けていただきました。

お取引先様の能力強化支援

第三者機関の評価を用いてお取引先様の環境・社会パフォーマンス・ガバナンスを数値化し、お取引先様に必要な解決策の助言や支援を行い、改善を促します。

当社グループでは、調達ポリシーの内容とアセスメントの結果に基づき、お取引先様のESG活動の改善に向けた支援として、各地域において持続可能な調達のためのセミナーを年に1回実施しています。2019年に日本で開催されたセミナーには、65社のお取引先様にご参加いただきました。

また、2019年にはブリヂストン シンガポール ピーティーイー リミテッド(BSSG)が100以上の天然ゴム生産工場を訪問し、天然ゴムの品質改善やトレーサビリティー向上の取り組みを支援しました。さらに、EcoVadis社によるアセスメントのスコアに基づき、3か所の天然ゴム生産工場に再度訪問し、さらなるESG向上のための活動を支援しました。2020年は新型コロナウイルス感染症拡大への対応として、お取引先様との会議を対面方式からオンライン形式に切り替えました。これにより、BSSGは天然ゴムのサプライチェーンにおけるトレーサビリティー及び持続可能な調達の強化を継続して実施することができました。

天然ゴムの持続可能な調達

タイヤ・ゴム業界におけるグローバルリーディングカンパニーとして当社グループは、世界的に増加する天然ゴムの需要に継続して対応を進めながら、調達拡大により生じる環境及び社会リスクなどの重要課題にも取り組んでいます。

当社グループでは、バリューチェーン全体で持続可能性を具体化しながらも、特に天然ゴムの持続可能な調達に注力しています。その中において、特に調達ポリシーに記載されている、環境への取り組み、人権の尊重、公正な労働慣行の支援、そして透明性の向上に取り組んでいます。また、森林破壊の防止にも取り組んでおり、調達・生産活動を通じて、気候変動や野生生物の保全にとって極めて重要な原生林や高保護価値(HCV)、高炭素貯蓄(HCS)地域の保護・再生を進めています。

天然ゴムは再生可能な資源であり、世界で何百万人もの人々の生計を支えています。天然ゴムのサプライチェーンは複雑に何階層にもわたっており、小規模農家、中規模から大規模の農園、原料ディーラー、加工工場、ゴム製品製造業者などで構成されています。また、天然ゴムは様々な製品の主要原料となっていますが、その7割はタイヤに使われています。天然ゴムの大半は東南アジアの小規模農家や大規模農園で栽培されており、栽培に600万人以上が携わっているとも言われています。

当社グループでは、この複雑な天然ゴムサプライチェーン全体のトレーサビリティーと持続可能性を向上させるために、天然ゴムのトレーサビリティーに関する新たなKPIを導入し、2023年までに天然ゴムの直接のお取引先様からサプライチェーンの購入地域の情報を100%収集するための取り組みを進めています。

新型コロナウイルス感染症拡大により、対面での会議が困難になるなど、お取引先様とのコミュニケーション手段を限定せざるを得ない状況となっています。そのため、2020年10月、サステナブル調達ワーキンググループは、情報へのアクセスを簡潔化し、様々なステークホルダーに向けた内容を集約した、持続可能な調達に関するマイクロサイトを立ち上げました。このマイクロサイトはグループ全体の「A Layered Journey」キャンペーンの一環で発表され、ブリヂストングループが天然ゴムのバリューチェーンの各段階でどのように持続可能で責任ある取り組みを行っているかを伝えています。また、人と自然にプラスの影響をもたらす持続可能な取り組みを実践するため、このキャンペーンを通じてお取引先様に当社グループとの連携を呼び掛けています。

天然ゴムのサプライチェーンにおける能力強化支援

世界の多くの天然ゴムは、南米と東南アジアの熱帯雨林に生育するHevea brasiliensis(パラゴムノキ)から採取されます。森林の破壊リスクを回避するため、当社グループはパラゴムノキの苗木を小規模農家の方々へ配布するとともに自社農園向けに開発した生産性向上技術の研修も行っています。当社グループは2005年からインドネシアだけで37万本の苗木を小規模農家へ配布し、世界では総額約2億1,400万円に相当する560万本の苗木を寄付しています。さらに当社グループではゲノムデータを利用して育種技術や栽培方法を改良し、パラゴムノキの病害耐性や生産性の向上に貢献しています。

  1. ※1ドル=107円で換算

病害診断技術の開発

世界のゴム農園の9割以上が集中する東南アジアでは、パラゴムノキが根白腐病に感染してしまう被害が深刻化しています。特に対処が効果的である感染初期段階における診断技術の確立が課題となっていますが、当社グループでは衛星画像やDNA、葉の色や温度の測定値などを利用した早期診断の技術を開発しました。

詳しくは「貢献の最大化(調達)」をご覧ください。

自社農園における地域貢献

当社グループが自社農園を運営するにあたり、自然と共生し、地域の農園や小規模農家と共存することが不可欠だと考えています。

当社グループの自社農園では、安全かつ清潔な水や無償の医療サービスを提供し、また幼稚園から高校まで26の学校を運営し、350名以上の教員が従事しています。そして持続可能で安価な電力供給を確保できるように再生可能エネルギーも導入しています。

特に東南アジアでは、自社農園で開発した生産性向上の技術支援をしており、2018年と2019年には、数百の小規模農家が高品質のパラゴムノキの栽培や移植、病害の防除や最適な採取方法のワークショップに参加しました。

「持続可能な天然ゴムのためのプラットフォーム」

当社グループは、サステナビリティの取り組みを着実に進めていますが、さらなる向上のためには業界全体の協力が不可欠だと考えています。当社グループは、同業他社とともに「持続可能な天然ゴムのためのプラットフォーム」(GPSNR)を始動させました。GPSNRを通じて、人権尊重の促進、土地収奪や森林破壊の回避、生物多様性や水資源の保全、天然ゴムの収量の向上、サプライチェーンの透明性とトレーサビリティー向上のための基準づくりを進めています。

2020年、当社グループはGPSNRのエクゼクティブコミッティのメンバーとして、GPSNRの方針の構成要素を策定する上で主導的な役割を担いました。これは天然ゴムの持続可能性に関する一連の方針で、GPSNRのメンバー企業は自社のサプライチェーンにおいてこれを実践することを約束しています。方針には森林破壊や土地の転換の禁止、人権の尊重、透明性、監視、報告などが含まれており、GPSNRメンバーと協議を重ね協働で策定しました。当社グループは引き続き、GPSNRのメンバーや、NGO、天然ゴムサプライヤー、お客様などの様々なステークホルダーとともに、天然ゴムのサプライチェーンの透明性とトレーサビリティー向上に向けた取り組みを積極的に推進していきます。

WWFとの協働

2020年、サステナブル調達ワーキンググループは、国際的な環境保全団体であるWWFとの協働を開始しました。これはブリヂストンのサプライチェーンが、とりわけ人権尊重や環境保全などについて「グローバルサステナブル調達ポリシー」に準拠しているかどうかを確認するデューデリジェンスプロセスを検討し、開発するためのものです。本協働は、持続可能な天然ゴム生産の強化と小規模農家の生産能力向上の支援を目的としています。

公正な調達活動の推進強化

ブリヂストングループでは、公正な調達活動をより一層強化するため、国内外で様々な取り組みを進めています。

ブリヂストングループは2018年に、誠実さをもって事業に取り組むため、世界各地の従業員に向けた指針として「行動規範」を発行しました。この中で、企業理念の使命である「最高の品質で社会に貢献」の実現に向けて、一人ひとりの従業員が果たす役割を常に意識し、グローバルCSR体系「Our Way to Serve」を実践していくことの重要性を説いています。

さらに日本では、「取引先満足度調査」を定期的に実施し、調査対象のお取引先様150社について公正な調達活動がどのような形でどの程度行われているかを確認しています。2020年の調査結果では、満足度は高い水準を維持(90%)した一方で、一部のお取引先様からはコミュニケーションについてさらなる改善のご要望をいただきました。

ブリヂストンでは、オンラインでのアンケートを実施し、お取引先様のご意見・ご要望のさらなる理解に努めています。今後も継続してお取引先様の声を事業に反映していきます。

ブリヂストンは2020年、下請法の講習会をオンデマンド方式に切り替え、受講者の方のご都合に合わせて受講できるようにしました。

社内監査の強化

ブリヂストンは、グループ各社における公正な調達活動の能力向上に向けて監査チームを編成し、調達・購買業務全般の監査を年1回実施しています。

また、監査体制の強化に取り組み、日本の事業所相互の監査(クロス監査)も実施しています。現在、国内15の事業所が近隣の事業所との相互監査に加わっています。これにより、内部の監査員は、監査を受ける側と実施する側の両方の視点から監査に取り組む訓練ができ、監査能力の強化につながります。

紛争鉱物をめぐるサプライチェーンのリスク管理

当社グループの調達ポリシーは、コンゴ民主共和国及びその周辺の紛争地域で採掘されている紛争鉱物(すず、タングステン、タンタル、金)も含めた、全ての原材料を対象としています。当社グループは、380を超える世界の企業や組織が参加する「責任ある鉱物イニシアチブ(RMI)」が作成する、「紛争鉱物報告テンプレート(CMRT)」と「コバルト報告テンプレート(CRT)」を用いて、サプライチェーン全体のリスク評価を行っています。紛争鉱物を含む可能性のある製品のお取引先様には毎年、このCMRTおよびCRTの記入と当社へのご提出をお願いしています。

併せて当社グループは、タイヤ製品の原材料を調達する製錬業者を全て特定できており、いずれの業者も、RMIによる「責任ある鉱物保証プロセス(RMAP)」を遵守しています。