CSR

Environment(環境)|自然と共生する

貢献の最大化(調達)

パラゴムノキの簡易病害診断技術

菌糸束
菌糸束
子実体
子実体

ブリヂストンは、将来にわたって天然ゴム資源の大部分を担うパラゴムノキの病害である根白腐病※1を、簡単かつ迅速、また正確に診断する画期的な簡易病害診断技術を確立し、2015年に発表しました。当社が確立したのは、LAMP法※2と呼ばれるバイオテクノロジーを応用した診断技術です。これは、当社で解析した病原菌の遺伝子配列情報をベースに開発した試薬キットを利用することで、フィールドにおいても特別な装置を使うことなく、目視でも簡易に病害菌の有無を確認することができる画期的な先端技術です。本技術により、土壌中の病原菌が原因で感染が拡大する根白腐病の早期発見が可能となり、羅病木から健全木への感染拡大の抑制が期待できます。また、本技術は知識や経験の有無にかかわらず利用可能であることから、被害の抑制やメンテナンスが容易になるなどの効果が期待できます。今後、当社はインドネシアや国内の大学との連携を継続、さらに強化し開発を推進すると共に、これらの技術の普及を通じて、パラゴムノキの保護と天然ゴムの安定供給に貢献していきます。

  1. ※1根白腐病とは、糸状菌の一種であるパラゴムノキ根白腐病菌(Rigidoporus microporus,ネッタイスルメタケ)が引き起こす病気です。根に感染し組織を腐敗させることで、樹木を枯死に至らしめます。感染初期の発見が困難です。現状では抜本的な対策がなく、発症した場合、罹病部位の切除、薬剤処理により対処します。感染部位には、以下の写真のような菌糸束、子実体(キノコ)が現れます。
  2. ※2LAMP法とは、栄研化学が開発した遺伝子増幅法です。土壌中の病原菌に特異的なDNA配列を増幅させ、検出するものです。

天然ゴム農園周辺の森林の回復

ゴム林の様子
現地成果報告会の様子

インドネシアの南カリマンタン州にあるピーティー・ブリヂストン・カリマンタン・プランテーション(BSKP)のゴム農園周辺には、火災等により消失し、荒廃した国有林があります。ブリヂストンと早稲田大学が連携して設置したプロジェクト「W-BRIDGE」では、支援プロジェクトの1つとして、早稲田大学と公益財団法人国際緑化推進センターが、BSKP、Lambung Mangkurat大学、Tanah Laut 県林業部と共同で、住民林業制度を活用した国有林の回復プロジェクトを2012年より実施しています。

当プロジェクトでは、荒廃した国有林をパラゴムノキと昔から自生していた樹木の混交林として造成し、さらにパラゴムノキが成長するまでの間イネやマメなどの農作物を栽培することで、生物多様性に配慮しつつ、コミュニティにとって経済的に価値の高い森林づくりを目指しています。更に、回復した森林が再び荒廃地に戻らないよう、参加住民のパトロールによる森林火災の防止活動も実施しています。それらを通じて、地域住民が自立でき、森林が長期的に回復・維持できる仕組み作りを目指しています。BSKPは当プロジェクトによりパラゴムノキの苗木や生産技術の供与を通じ、住民の活動を支えています。

2018年時点で、累計70ヘクタールの森林造成が完了しました。この取り組みは、森林回復と地域住民の生活向上に向けた画期的な解決策であると非常に高く評価されています。2016年8月にはインドネシアの環境林業大臣が、2017年5月にはインドネシア大統領が現地を訪れ、その成果が認められました。

  • 天然ゴム農園周辺における住民参加型の森林回復活動
    インドネシア環境林業大臣の視察
  • 天然ゴム農園周辺における住民参加型の森林回復活動
    インドネシア大統領の視察

小規模農家への技術提供による生産性の向上

技術や苗木の提供
技術や苗木の提供
技術や苗木の提供を通じ、生産性向上に寄与

世界の天然ゴム生産の大半は東南アジアの小規模ゴム農家で行われており、ブリヂストングループはそこで生産された天然ゴムを多く使用しています。しかしこれら農家の生産性は低く、天然ゴムの品質と生産量にばらつきがあります。そこで、ブリヂストングループでは、生産性・品質の高い天然ゴムの苗木を配布するとともに、自社農園向けに開発した生産性向上技術などを提供し、小規模農家の生産性と品質の向上を支援しています。

こうした取り組みによって、天然ゴムの品質の向上、農家の単位面積当たりの収量の増加、天然ゴム生産に伴う土地利用の拡大抑制が期待されます。