環境 | 自然と共生する

貢献の最大化

天然ゴムの調達に関する貢献

小規模農家への技術提供による生産性の向上

技術や苗木の提供を通じ、生産性向上に寄与

天然ゴムは、タイヤ生産の持続可能なサプライチェーンを確保する上で極めて重要な原材料であり、主にパラゴムノキから生産されています。世界の天然ゴム生産の大半は東南アジアの小規模ゴム農家で行われており、ブリヂストンは、このような小規模ゴム農家により生産された天然ゴムを多く使用しています。しかしこれら農家の生産性は低く、天然ゴムの品質と生産量にばらつきがあります。そこで、ブリヂストンでは、生産性・品質の高い天然ゴムの苗木を配布するとともに、自社農園向けに開発した生産性向上技術をインドネシアの北スマトラ州シアンタール市に設立された農業訓練センターで指導しています。また、各地域から選抜されたインストラクター候補生に対する技術研修なども行い、小規模農家の生産性と品質の向上を支援しています。

こうした取り組みによって、天然ゴムの品質向上、農家の単位面積当たりの収量増加、天然ゴム生産に伴う土地利用の拡大抑制が期待されます。

ゴムの木の病害撲滅に向けた取り組み

根白腐病の症状

パラゴムノキの病害の一つである根白腐病は、原因菌が根に感染し、組織を腐敗させることで樹木を枯死に至らしめる病気です。発症が分かりにくく、発見の遅れが生じやすいため、天然ゴムの持続的な安定供給に対する課題となっています。ブリヂストンは、この多大な影響を及ぼす病害の撲滅に向けた取り組みを推進しています。

AIを用いた「パラゴムノキ」の病害診断技術

2020年12月、ブリヂストンは診断技術の開発を行い、広大な農園内から品種や樹齢に関係なく、迅速かつ90%前後の精度で羅病木を見分けることに成功したことを発表しました。株式会社電通国際情報サービス(現 株式会社電通総研)との共同プロジェクトであるドローンによる病害診断技術は、現地農園スタッフによる根白腐病の羅病木判定に関する「暗黙知」を人工知能(AI)に学習させ、AIの病害診断画像解析とドローンによる空撮画像を融合させています。
この技術により、根白腐病がゴムの収量に影響を及ぼす前の早い段階で、羅病木を診断・手当てすることが可能になり、ゴム農園の生産性向上に貢献します。
詳細は、当社ニュースリリースをご覧ください。

パラゴムノキ根白腐病予防に関する共同研究

2024年、ブリヂストンは福岡バイオコミュニティ※1が実施するプロジェクトに参画し、国立大学法人九州大学及びインドネシア国家研究イノベーション庁(インドネシア語:Badan Riset dan Inovasi Nasional(BRIN))と共同で、パラゴムノキの根白腐病に対する予防技術を開発し、天然ゴム農園の生産性向上に貢献する研究を開始しました。根白腐病原因菌への感染予防技術の開発に取り組むことにより、天然ゴムの収量安定化及び天然ゴム農園の生産性向上を目指します。

※1 福岡バイオコミュニティとは、内閣府が推進する「バイオ戦略」に基づき認定を受けた地域バイオコミュニティです。久留米リサーチ・パークを事務局として、福岡県と久留米市が連携し、バイオテクノロジーを核とした新産業・バイオベンチャーの創出や、バイオ関連企業・研究機関等が集積するバイオコミュニティの形成を目指しています。

パラゴムノキの遺伝子解析に関する共同研究

2026年4月、ブリヂストンは、インドネシア大学、公立大学法人横浜市立大学、公立大学法人前橋工科大学と、パラゴムノキの遺伝子解析に関する共同研究を開始しました。本共同研究は、ブリヂストンがインドネシアに保有する天然ゴム農園※1で育成したパラゴムノキおよびその遺伝子情報と各大学の先端技術を活用し、パラゴムノキのエリートツリー(安定した高い収量を持つ優良個体)を早期に選抜するマーカー選抜技術※2を確立することで、将来的な天然ゴムの生産性向上と安定供給を目指します。
詳細は当社ニュースリリースをご覧ください。

  1. ※1PT BRIDGESTONE SUMATRA RUBBER ESTATE
  2. ※2マーカー選抜:DNAマーカー(遺伝子上の目印)を用い、幼苗段階で将来の特性を予測し有望個体を選抜する育種手法。遺伝子改変は伴いません(non-GMO)

ビッグデータを活用してパラゴムノキの植林計画を最適化

事業の成長とそれに伴う環境への影響や資源の消費を切り離す「デカップリング」への挑戦をさらに進めていくため、ブリヂストンは、パラゴムノキ由来の天然ゴムを生産する農園の生産性向上に向けて研究開発に取り組んでいます。

ブリヂストンは2021年1月、30年以上先までの植林計画を最適化するシステムを開発したことを発表しました。ゴム農園は、広大な農地に複数の品種を植林しており、農地における植林の数や収穫の工数をどのように最適化するかなど、管理に関する様々な課題に直面しています。ブリヂストンは、日本の学術研究組織である統計数理研究所の助言を得て、これらの課題に対処して農園の収量増加を実現し、天然ゴムの長期にわたる持続可能な供給に貢献する革新的なシステムを開発しました。このシステムは、農園に関する様々なデータ、収量予測、樹種を含む膨大なデータを活用して、当社が開発した数理モデルと混合整数計画法を組み合わせ、「どの品種を」「いつ」「どこに」「どの程度の量を」植林すればよいかという、植林の最適なソリューションを導き出すことができます。

ブリヂストンは今後、このシステムのカスタマイズを進め、世界における天然ゴムの持続可能な安定供給に貢献することを目的として、これを他の農園にも展開したいと考えています。

詳細は当社ニュースリリースをご覧ください。

※施設の配置などを検討する際に、整数で答えが示される問題解決のための手法。

天然ゴム農園周辺の森林の回復(インドネシア)

ゴムの木の植林
地元自治体の代表者との連携会議及び生産者団体との交流

インドネシアの南カリマンタン州にあるピーティー・ブリヂストン・カリマンタン・プランテーション(BSKP)のゴム農園周辺には、火災などにより消失し、荒廃した国有林があります。ブリヂストンと早稲田大学が連携して設置したプロジェクト「W-BRIDGE」では、2012年から2020年まで、支援プロジェクトの一つとして、早稲田大学と公益財団法人国際緑化推進センター(JIFPRO)が、BSKP、Lambung Mangkurat大学、Tanah Laut県林業部と共同で、住民林業制度を活用した国有林の回復プロジェクトを実施しました。

当プロジェクトでは、荒廃した国有林をパラゴムノキと昔から自生していた樹木の混交林として造成し、さらにパラゴムノキが成長するまでの間イネやマメなどの農作物を栽培することで、生物多様性に配慮しつつ、コミュニティにとって経済的に価値の高い森林づくりを行いました。さらに、回復した森林が再び荒廃地に戻らないよう、参加住民のパトロールによる森林火災の防止活動を実施するなど、地域住民が自立でき、森林が長期的に回復・維持できる仕組み作りを目指しました。BSKPは当プロジェクト終了後も、パラゴムノキの苗木や生産技術の供与を通じ、住民の活動を支えています。

地域社会・大学・企業の三者が一体となって進めてきたプロジェクトの成果として、2020年までに累計67ヘクタールの森林造成が完了しました。また、2012年に植林したパラゴムノキからは、樹液を集め、天然ゴムの原料となるラテックスの採取が可能となっています。BSKPは2020年に近隣住民に対しラテックス採取の研修を実施し、2021年にはパラゴムノキを寄贈しました。

BSKPは、2023年末から新たな森林再生活動を開始しています。活動には、Lambung Mangkurat大学、地元の森林担当(KPH)、Tanah Laut 県林業部、JIFPRO、地元コミュニティなど複数の関係者が参加しています。森林再生プロジェクトの対象地域である約100ヘクタールにおける現在の植生の炭素蓄積量を推定するための調査や、森林再生のための様々な活動が行われています。BSKPは、対象地域向けにゴムの木の種子を提供するほか、プランテーション関連の技術に関する教育を行い、農業従事者の能力開発にも取り組んでいます。

「WWFジャパンとの連携によるプロジェクト」や「生産性向上支援の強化」についての詳細はこちらをご覧ください。

地域社会との関わりを通じた貢献

2025年は26か国で267件※1の環境貢献に関する活動(うち189件は外部パートナーと連携※2、12,774人の従業員ボランティアが参加※3)を83,432人の地域の方々に対して実施※4しました。

  1. ※1活動数の集計方法は国や地域によって異なります。
  2. ※2外部パートナーとの連携集計方法は国や地域によって異なります。
  3. ※3従業員ボランティア数は延べ人数であり、一部活動では推計値を含みます。
  4. ※4活動による直接裨益人数を集計し、集計方法は国や地域によって異なり、確認できた活動のみを対象としています。

エコピア※1の森(日本)

ブリヂストンは、地域の森林組合や自治体などと連携し、従業員や地域住民と一緒に森林整備活動に取り組んでいます。2004年より森林整備活動区域を設けて活動を開始し、現在は「エコピアの森」プロジェクトとして国内事業拠点7カ所で活動を展開しています。具体的には、間伐などの森林整備により、涵養機能や山地災害防止機能を高め、森林のCO2吸収能力、野生の動植物の生息地を保全し、森林を活用した地域の子どもたちへの環境教育を実施しています。2025年12月には、下関工場が下関市、山口県西部森林組合と共に活動している「エコピアの森 下関・深坂」が、地域住民の皆様やお客様と共に森林整備活動や環境教育を進めてきた点や希少種を含む豊かな生態系の維持に貢献していた点、そして今後も活動計画を制定している点が評価され、「自然共生サイト※2」に認定されました。

今後も地域社会との連携を深めながら、豊かな自然環境の保護と地域の発展に貢献してまいります。

  1. ※1エコピア(ECOPIA)」は当社の低燃費タイヤのブランドで、「安全性」と「低燃費性能」「ライフ性能」を高次元で実現しています。
  2. ※2自然共生サイト:国際目標「30by30(2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として保全する)」を日本で達成するために、環境省が「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を認定する制度として、2023年に創設されました。2025年4月から「地域生物多様性増進法」により法制化され施行されました。

びわ湖生命(いのち)の水プロジェクト(日本)

滋賀県彦根市において40年以上にわたり工場を運営しているブリヂストンは、2004年から地域の様々な団体と連携し、琵琶湖の水環境保護に取り組んでいます。現在、地域の方々にご参加いただく自然観察会の開催や、絶滅危惧種である「カワバタモロコ」の繁殖研究への支援など、多岐にわたる活動を行っています。これまでに76回の自然観察会を行い、5,340名にご参加いただきました。「カワバタモロコ」の繁殖研究は、工場敷地内のビオトープ「びわトープ」で実施されており、自然観察会や地域の幼稚園児を招いた田植え・稲刈りなど、地域との環境コミュニケーションの場としても活用されています。また、繁殖したカワバタモロコは近隣の小学校に提供され、子どもたちの環境学習に役立てられています。

ブリヂストンこどもエコ絵画コンクール(日本)

ブリヂストンは、2003年以来、毎年環境や自然をテーマとした「ブリヂストンこどもエコ絵画コンクール」を開催しています。このコンクールは、子どもたちが描いた絵を通じて、大人も含めた多くの人々に環境や自然の大切さを伝えることを目的としており、これまでに23回の開催を数え、延べ80万点以上の作品が寄せられています。
参加した子どもたちからは「描いた絵がステッカー(応募者全員への参加賞)になって返ってくるのが嬉しく、毎回楽しみにしている」という声や、保護者からは「絵を描くことにより、親子で環境や自然について話し合う機会が増えた」といった喜びの感想をいただいています。

この活動は、日本全国のブリヂストンの拠点や従業員を巻き込んで、グループ一丸となって推進しています。各地域の拠点では、近隣小学校と連携して地区審査を行い、子どもたちの努力を表彰する場を設けることで、地域全体の環境意識の向上にも貢献しています。また、従業員賞への投票や審査補助のボランティアなど、コンクールの様々な過程に従業員が積極的に関わることで、従業員自身の環境意識向上や社内の連帯感強化にも寄与しています。今後もグループ一丸となって、多くの人の環境意識を育む取り組みを続けていきます。

那須の清流プロジェクト(日本)

ブリヂストン那須工場では、タイヤ生産に利用している近隣の那珂川の生態系を保護し、地域の子どもたちが自然や地域資源に触れる機会を提供するため、2024年よりアユの放流会を開催しています。

当日は、近隣の保育園から園児たちが参加し、栃木県水産試験場の専門家からアユの生態系についての説明を受けた後、実際に那珂川にアユを放流します。参加した保護者の方々からは、「とても貴重な経験になり、子どもたちの魚への興味が湧いたようです」「このような素晴らしい活動に力を入れていることを初めて知りました。これからも続けてほしいです」といった感想が寄せられています。

ジャンボタニシ駆除活動(日本)

ジャンボタニシ(スクミリンゴガイ)は1980年代に食用として輸入されましたが、廃棄や放置が原因で野生化し、高い繁殖力を持つため、水稲に対する被害が大きくなっています。そのため、国際自然保護連合(IUCN)の「世界の侵略的外来種ワースト100」や、環境省・農水省による「重点対策外来種」に指定されています。

ブリヂストン北九州工場では、北九州市の環境局と連携し、隣接する響灘ビオトープで、従業員とその家族を対象に、このジャンボタニシの駆除活動と環境教育を毎年実施しており、年間約80名の方に参加いただいています。駆除活動を通じて、外来生物の影響や被害、根絶の難しさを参加者に体験いただき、自分たちが住んでいる地域環境により高い関心を持っていただくことで、「環境宣言」の「自然と共生する」活動に貢献しています。

生物多様性保全イベント(インドネシア)

インドネシアでゴム農園を運営するピーティー ブリヂストン スマトラ ラバー エステート(BSRE)では、大雨による土砂崩れが周辺の生態系へ被害を与える恐れがあることから、2021年から2025年まで毎年、生物多様性保全のためのイベントを開催してきました。地域の学生や自治体関係者、BSREの従業員など約150名が参加し、サイクリングや植樹、魚の放流、川の周辺や水面の清掃などのプログラムを通して、生物多様性の重要性を学びました。このイベントは、BSREが事業を行う様々な地域で毎年開催されており、川岸沿いの水流がきちんと管理されていることを確かめると共に、生態系保護の大切さについて若い世代に継続して教育を行っています。

マングローブ林の回復と植林(インドネシア、タイ)

インドネシアとタイでは、沿岸集落の住民と環境を守る役割を果たしているマングローブ林を復元させるため、ブリヂストン従業員が数千本のマングローブを植林しました。

また、インドネシアでは、活動の一環として、2016年以来26,040本のマングローブを植樹しました。現在は、マングローブ林の成長を維持するための定期的なモニタリングを継続して実施しています。2023年8月には、最初の植林地と同じエリアの1ヘクタールの土地に、1万本のマングローブを植林しました。

保全活動(インドネシア)

2024年に始まったサンガブアナ保全活動では、水源の保護、地域の野生動物のための食料の確保、また、地域住民の生活の向上を目的に、サンガブアナ山に100本の樹木を植えています。2024年には、捕獲した野生動物を地域住民が自主的に自然に返すための支援も行いました。

生物種の再生と森林破壊の防止を目指したマングローブ・プロジェクトとサンガブアナ・プロジェクト(インドネシア)

ブリヂストン インドネシアのマングローブ・プロジェクトは、絶滅危惧種であるWest Javan Ebony Langur(西ジャワ・ジャワルトン)やGreater Green Leafbird(オオコノハドリ)など、19種の生息地を回復させています。またジャワ島でのサンガブアナ・プロジェクトは、植林を通じて森林破壊の問題に取り組み、干ばつ、洪水、河川の環境悪化を緩和しています。この森林は23種の植物、16種の両生類、31種の爬虫類の生息地となっており、固有種や絶滅危惧種の野生生物の重要な生息地となっています。

植林の取り組み(タイ)

タイでは、タイ ブリヂストン カンパニー リミテッド(TBSC)ノンケー工場の従業員が、周辺環境の緑化活動を実施しています。地域社会や自治体、ブリヂストンのお客様と共に工場の敷地内外に緑を増やし、自然との共生を目指した活動をしています。また、ステークホルダーの協力を得ながら、「生物多様性とは何か」、「廃棄物を減らすために何をすればよいか」などについて学ぶ機会を提供するなど、子どもたちの環境意識向上にも力を入れています。植樹プログラムも立ち上げ、2013年の開始以来、延べ2,680人の地域住民と200人の従業員が参加しました。このプログラムを通じて、21,600m2の範囲に5,400本の東南アジア原産の木が植樹され、樹木の寿命に換算して推定349トンのCO2吸収に貢献しています。

地域社会での廃棄物管理(タイ)

Bridgestone Natural Rubber(BSNR)は地域との密接な関係を基盤に、重大な環境問題を特定しました。それは、2,000メートル以上にわたる道路脇のごみの投棄であり、不衛生な状況を引き起こし、病気の発生源となる可能性がありました。
2025年、BSNRは地域リーダー、地方自治体、学校、住民と協力し、包括的な廃棄物管理キャンペーンを開始しました。イベントでは、適切なごみ処理方法やポイ捨ての影響に関する教育ワークショップが開催されました。また、110名の参加者が協力して道路脇の清掃活動に取り組みました。長期的な取り組みとなるよう、BSNRは地域内に4つの教育用看板を設置し、将来世代のためにきれいな環境を保全することを呼びかけました。

工場地域での農水産業の推進(タイ)

ブリヂストン タイヤ マニュファクチャリング (タイランド) カンパニー リミテッド(BTMT)のタイヤ生産拠点であるチョンブリ工場では、2020年7月から、敷地内の未使用エリアで農業プロジェクトを実施しています。

これまで、農水産業を推進する観点から、従業員に対し農作物の植え付けへの参加を促してきました。プロジェクトを通して収穫された農産品は従業員にも配付されていて、現在はバナナやパパイヤなどを配っているほか、間もなくココナッツやグレープフルーツなども配付する予定です。

チョンブリ工場ではこの他にも、増殖に向けてバナナの新芽を配付したり、BTMT周辺で拾った乾燥葉から家庭用の培養土肥料を作ったりするなど、サステナビリティ推進に向けた様々な活動に取り組んでいます。

生物多様性教育プログラム(タイ)

タイのチョンブリ工場では、2011年から地元の小学校と連携し、従業員の子どもや地域の学生といった若者を対象に、生物多様性への意識啓発に向けた取り組みを行っています。

当プログラムは、理論的な学習と実践的な学習を組み合わせており、教育用ゲームや、BTMTエコフォレストで生態系の探索や動植物の観察を行う自然研究が実施されています。子どもたちや若者の間で環境に関する知識やライフスキルを高め、自然に対する責任感を高めることが目的です。

プログラムの最後には植林を行うことで、環境への意識を高めるだけでなく、二酸化炭素削減にも貢献しています。

Water Boy Initiative(タイ)

ブリヂストン タイランドのWater Boyチームは、790エーカーに及ぶパノムドンラック高地における水不足を太陽光発電式の水ポンプの導入によって解消し、給水エリアを2022年の264,851m2から2023年には320,000m2へと拡大しました。フェンスで囲まれた池は野生生物の生息地にもなっており、生物多様性は2019年の15種から2024年には22種へと増加しました。この中には6種の希少な大型ネコ科動物や鳥類も含まれます。

バタフライガーデン(インド)

ブリヂストン インディア プライベート リミテッド(BSID)のインドール工場とプネ工場では、2025年までに3,500本以上の苗木を植えており、両工場にある「バタフライガーデン(蝶の庭)」には、様々な種類の蝶や蛇、昆虫が生息しています。またBSIDでは、環境保護に対する意識啓発のため、オンラインと対面を合わせて60以上のイベントを開催しました。

意識啓発イベントでは、廃棄物管理、水の保全、ハチの大切さ、人とヒョウの共存、環境にやさしい生活スタイルの大切さ、生態学と食物網といった様々なトピックを取り上げています。バタフライガーデンは一般公開されており、学生の訪問も受け入れていて、BSIDの工場で育まれた生物多様性を実際に体験することが可能です。

2025年には、子どもたちのバタフライガーデン訪問イベント、ステークホルダーが参加した植林イベント、そして蝶の生涯について学ぶ地元住民を対象とした現地での意識啓発勉強会の3つの対面イベントを開催しました。

Project Green Goal(インド)

BSIDのインドール工場とプネ工場で2020年に開始されたProject Green Goalは、地域固有の生態系を保全・強化しています。2023年時点で、両工場周辺のチョウの種数は99種から170種に、鳥類の種数は69種から105種へと増加しました。また、300回を超える講習会や学校の自然クラブ、野外観察活動などを通じて、研究、生息地の設計、季節ごとの植栽、生物多様性への取り組みを促進しています。

生物多様性保全に関する教育プログラム(米国)

サウスカロライナ州のエイケン工場では、10年以上前からサウスカロライナ大学と連携し、生物多様性の保全に関する教育プログラムを地元の学校へ提供しています。また、地域の様々な生物にとって重要な植物であるダイオウマツなどの生態系復元活動も積極的に行っています。

ブリヂストンの自然保護エリアを寄付(米国)

米国では、2018年にブリヂストン アメリカス インク(BSAM)が6月5日の世界環境デーを祝して、チェストナット山の2,332ヘクタールのブリヂストン自然保護区をNPO「The Nature Conservancy in Tennessee(TNC)」に寄贈しました。この土地は、2000年までに同社がテネシー州野生生物資源庁に寄贈した6,000ヘクタールの野生生物の生息地保全地区に隣接しているため、絶滅にさらされている多くの動植物の生息地が守られ、育まれることになります。寄贈した自然保護区によるCO2吸収量は、テネシー州ナッシュビル中心部にあるBSAM本社ビルにおける25年間分のCO2排出量に相当します。

BSAMは、TNCなどの自然保護団体との協働に継続して力を注いでおり、2019年に、チェストナット山のブリヂストン自然保護区の開設を記念する式典「コミュニティー・デー」に参加しました。また、2021年にはBSAMのBridgestone Trust Fundからサウスカロライナ州の森林炭素プログラムに50,000ドルを寄付し、2022年はロングリーフパインの研究に焦点を当てて寄付を継続しました。こうした新たな取り組みの結果、当プロジェクトは研究発表を行う学者や森林を管理する行政機関、自分の土地に最も適した方法を学ぶ個人地主など、多くの人々に支持されるようになりました。

また、米国とメキシコにある5つのブリヂストンの拠点の敷地は、野生生物生息地審議会(WHC)から野生生物の生息地として認定されています。WHCと協働して、350ヘクタールを超える敷地を野生生物の生息地として保護し、生物多様性の向上に貢献しています。

ブリヂストン環境教室・生息地保全活動(米国)

テネシー州ウォーレン工場では、次世代を担う子どもたちの自然環境への関心を高めるために、野外授業や参加型の授業を通じて環境について学ぶ環境教室「Bridgestone Environmental Education Classroom and Habitat(BEECH)」を開催しています。子どもたちに環境や環境の大切さについて教えるための自然遊歩道もあります。2008年の設立以来、35,000人以上の生徒がBEECHを訪れており、子どもたちが野生動植物の生息地や水の保全について学び、自然環境への関心を高めることに貢献しています。これらの活動は、テネシー州にある4つの郡に拡大され、ホームスクーリングを行っている子どもも当プログラムに加わり、毎年対象を広げています。また、BEECHは、ウォーレン地域の学習カリキュラムにも組み込まれています。ボーイスカウトのグループも、キャンプイベントの際にこの施設を利用して自然や環境について学んでいます。彼らはバッジを取得するための課題を達成したり、貴重なスキルを身につける機会を得ています。また、ウォーレン施設はLEED認証※1を取得しており、これは持続可能性に関する世界的に認められた認証です。

※1 LEED(Leadership in Energy and Environmental Design)認証: アメリカの非営利団体「U.S. Green Building Council(米国グリーンビルディング協会、USGBC)」が開発・運営する、建築物や都市開発プロジェクトの「環境性能」や「持続可能性」を評価するための国際的な認証制度

ポリネータープロジェクト(米国)

テネシー州ダイアーズバーグにある生産拠点では、2019年からポリネーター(花粉媒介者)プロジェクトを実施しています。花粉を運ぶ動物が再び増殖することを期待して、まずは敷地内で養蜂活動を開始しました。この活動は、その後拡大し、蜂蜜の健康効果や地域社会にとってのポリネーターの重要性に関する教育イベントなども行っています。また、数名の従業員が自宅でミツバチの巣箱を管理しています。

「メリポニカルチャー・プログラム」の支援(ブラジル)

2024年、ブラジル・バイーア州の生産拠点は州環境機関と提携し、「メリポニカルチャー・プログラム」を支援しました。これは、工場が位置するジョアネス=イピタンガ環境保護区(APA)に参加する地域社会において、50の農村家庭による針なし蜂の飼育を支援するプロジェクトです。

環境教育(メキシコ)

メキシコ モンテレイにある生産拠点では、2019年から地元の小学校と高校で「Habitat School」プログラムを実施しています。地元の学校向けに開発された環境教育プロジェクトで、毎年このプログラムの一環として、生徒が作成したプロジェクトを展示する科学展を年に3回開催しています。このプログラムでは、生徒たちが自分たちのコミュニティ内にある動植物の生息地を調査することで、生態系の保全に向けたアクションを推進しています。2024年には、クエルナバカ施設が「ブリヂストン2024植林キャンペーン」を開始し、従業員や地域の子どもたち、青少年を対象に複数の教育イベントを開催し、自然について学ぶ機会、環境再生活動に積極的に参加する機会が提供されました。

従業員ボランティアによる環境保護活動(コスタリカ)

トゥリアルバ地区(コスタリカ)のFirestone Airideは、「Programa Bandera Azul Ecológica」の気候変動部門で「Bandera Azul」認証を取得しました。この認証は、環境に配慮しながら、生産工程に起因する環境への影響を低減し補償するためのより良い方法を模索する、私たちの特別な取り組みへの姿勢を示すものです。Firestoneの敷地沿いに植樹をして湧き水を守る活動や、市庁舎と連携した教育活動などが高く評価されました。

コスタリカ サンホセの施設生産拠点は、地方自治体及び保健省と提携し、使用済タイヤの回収プログラムを実施しています。2024年には、このプログラムは合計23カ所の回収拠点を設け、約140トンのタイヤを回収しました。

環境への意識啓発イベント(イタリア)

バリ工場(イタリア)では、ワークショップ、教育野外活動、サステナビリティをテーマにしたゲームなどを取り入れた「Green Camp」イベントを開催しました。エデュテインメント(教育と娯楽の融合)を通じて水循環について学ぶ「B-Drop」プロジェクトなど、子どもや学生を対象にした環境・サステナビリティに関する研修を実施しました。

サステナビリティへの意識啓発プロジェクト(スペイン)

ブルゴス工場(スペイン)では、環境月間、持続可能なモビリティを推進する「NJ Challenge」、安全運転を啓発するための慣性カーレースイベント、「モビリティ・ウィーク」写真コンテストなど、地域社会に貢献する活動を積極的に行っています。2021年には、ブルゴス工場で生まれた、サステナブル・モビリティ・アプリ(パイロット版)という同工場で働く従業員のCO2排出量削減に貢献するアイデアが、「サステナビリティ週間アワード」を受賞しました。

Green Power Car Race(スペイン)

持続可能なモビリティと環境意識の向上を促進するため、ビルバオ工場とウサンソロ工場(スペイン)では、「Green Power Car Race」を開催し、100校から400人を超える生徒が参加したほか、「Bridgestone Popular Solidarity Cycling」にも3,000人以上が参加しました。

「We Forest」プロジェクト(スペイン)

ブルゴス工場(スペイン)では、ボランティアがキンタナル デ ラ シエラにある面積1万m2の旧砂岩採石場に200本の松とオークを植えました。

国連が推進する国際森林デーがきっかけとなって2009年に立ち上げたこの植樹活動には、工場の従業員、家族、友人など50人が参加しました。

木には一本ずつ、植樹に協力した人たちの名前を記した識別マークが付けられ、次に訪れたときに木の成長具合がわかるようになっています。

この植樹活動には、従業員や家族と共に森林管理の意識を高めて重要性を確認する以外にも、土壌基盤や生物多様性、景観を改善していくという目的があります。そのため、植林と森林再生活動には専門的な教育が行われ、生態学的な森林管理技術を用いたフィールドワークも実施されました。

参加者が植林作業を行い、周辺環境に生息する様々な種について学んだ後は、伝統的にタール作りに使われてきた「マタカ」と呼ばれる窯に案内人付きで訪れてもらい、この地域の民族学的・文化的価値の振興を図りました。
このプロジェクトのスタートとなったレヴェンガの森は、1,800本の植樹により7ヘクタールが回復しています。2019年以降、このプロジェクトは、ブルゴス県内の他の地域へと活動の場を移しています。

Bicycle Town(ポーランド)

スタルガルト工場(ポーランド)は、持続可能なモビリティを推進する教育イベントを展開しています。「Bicycle Town」というイベントでは、小学校や現地警察署と協力して交通安全や応急手当に関する活動などを実施しています。また、環境課題を取り上げた展示会や電子機器廃棄物の回収、植物の苗の交換、「Tree Day」のワークショップなど、地域コミュニティを巻き込んだイベントを行っています。

Play Green(ポーランド)

ポズナン工場(ポーランド)では、2021年以降、市内の森林に1万本以上の木を植える活動を行っています。また、従業員は小学校向けの環境教育プログラム「Play Green」にも参加し、環境保護や応急手当をテーマにした授業やワークショップを実施しました。ポズナン工場は、ポーランド国有林、バブキ森林地区、ポズナン市森林局とも協力関係を築いています。

「Earth Day」の一環として、市の清掃キャンペーン「Cleaning the World with the City of Poznań」と、美化キャンペーン「We are Passionate About Recycling」の2つのキャンペーンが実施されました。

生物多様性イベント(ハンガリー)

タタバーニャ工場(ハンガリー)では、花の植樹や洪水対策のボランティア活動、国立公園の支援活動など、生物多様性関連の取り組みを実施しました。また、持続可能性をテーマにした教育イベントも開催しました。

「Trees for Homes」プログラム(南アフリカ)

ブリヂストン サウスアフリカ ピーティーワイ リミテッド(BSAF)は2024年、Food and Trees For Africa(FTFA)とのプロジェクトを拡大し、環境及び地域社会に大きく貢献しました。新しく追加された「Trees for Homes」プログラムでは、主に南アフリカのタウンシップに土着の木や果物の木を植えることに取り組んでいます。FTFAとの連携のもと、BSAFは、荒廃した地域の家に500本の木を寄贈しました。この取り組みを通して、極めて重要な緑のインフラを提供し、環境の向上、大気の質の改善を目指します。

この活動により、地域の生態系の改善という直接的なメリットだけでなく、寄贈された木を通して社会の結束を促し、コミュニティの長期的なサステナビリティに貢献することが可能です。より広範囲に向けた取り組みの一環として、2025年には合計で1,000本の木を植え、4つの菜園を作り、環境面・社会面でのウェルビーイングをさらに増進しました。