I N T E R V I E W

軽量で賢く、美しく。未来モビリティを形にするEmiliaの哲学

Onda Solare

Onda Solare

Solar car name
Emilia 5.9
Dimension
1.30 m × 4.95 m x 1.26 m
Weight
--
Appealing point
Emilia 5.9は、空力効率、軽量複合材技術、そしてインテリジェントな設計を融合したソーラーカーです。
フルコンポジットモノコック構造をベースに、15kWhのバッテリーと革新的な複合材サスペンションシステムを搭載し、卓越した強度と軽量性のバランスを実現しました。
さらに、リサイクル複合材や3Dプリント部品を採用することで、質量と環境負荷を低減。オフラインでも機能するAIシステムを組み込み、ドライバー支援と性能モニタリングを可能にしました。
革新的で効率的、そして信頼性の高いEmilia 5.9は、オーストラリアで3,000km以上を走破し、複合材サスペンション設計によりCSIROテクニカル・イノベーション賞を獲得しました。
Team Member

BWSC 2025を振り返って、レースの感想を教えてください。

2025年のBridgestone World Solar Challengeを振り返ると、私たちは誇りとさらなる挑戦心を感じています。 誇りというのは、ソーラーカー「Emilia 5.9」を3,000km以上走破し、Cruiserクラスで完走、3位入賞、さらにCSIROテクニカル・イノベーション賞を受賞できたことです。これは、車両性能の最適化に向けて膨大なエネルギー、研究、そして努力を注いだ私たちにとって、非常に素晴らしい成果でした。 同時に、この経験は私たちの野心をさらに高めました。最終目標は優勝でしたが、今回の結果は、私たちが世界トップレベルと競えることを証明しました。この挑戦は自信を強め、チームワークを深め、ソーラーモビリティの限界をさらに探求するモチベーションを高めてくれました。

チームの特徴を教えてください。

私たちの強みは、学術研究、産業界との協力、そしてボランティアの情熱を一つのチームに融合していることです。エンジニア、研究者、学生が同じ情熱でソーラーカーの設計・製作に取り組んでいます。
この環境は世代間でのノウハウの継承を可能にし、個人の成長と技術革新を促進します。多様なバックグラウンドとスキルを持つメンバーが集まることで、創造性、適応力、問題解決力が高まり、複雑な課題にも柔軟に対応できます。私たちは課題を、学び、改善し、持続可能なエンジニアリングの限界を再定義する機会と捉えています。

今大会のマシンの特徴はなんですか?
また、マシン開発において、最も苦労した点と、それをどう乗り越えたか、あわせて教えてください。

「Emilia 5.9」は、空力効率、軽量設計、先進的な複合材技術のバランスを追求した車両です。
主な特徴は、15kWhの高効率バッテリーパック、ほぼ全てを複合材で構成した軽量モノコック構造、革新的な複合材サスペンションシステムです。
さらに、非構造部品の多くを3Dプリンティングで製作し、精度と軽量化を両立しました。
また、AIを統合したドライバーアシストと性能モニタリング機能を搭載し、オフライン環境でも信頼性を確保しました。外装・内装の美しさにもこだわり、機能性、快適性、デザイン性を融合させています。
最大の課題は、複合材を主体としながら、安全性や性能を損なわずに可能な限り軽量化することでした。そのため、構造要素の設計・モデリング・最適化を徹底し、反復試験、応力解析、厳格な製造管理を行いました。
その結果、私たちのチーム史上最も軽量かつ効率的なCruiserクラス車両を完成させ、オーストラリアのアウトバック3,000kmを走破し、複合材サスペンション設計でCSIROテクニカル・イノベーション賞を獲得しました。

ソーラーカーにとって、タイヤはどれくらいの重要度を占めていますか?
また、ブリヂストンのENLITENタイヤについて思いますか?2027年大会に向けて求める性能などがあれば教えてください。

タイヤはソーラーカーにとって最も重要な要素の一つです。限られたエネルギーで走るため、転がり抵抗、重量、耐久性は効率と総エネルギー消費に直接影響します。
BWSC 2025ではBridgestone ENLITEN™タイヤを使用しましたが、その性能は非常に優れていました。低転がり抵抗により車両効率が向上し、空力性能にも寄与して総エネルギー消費を削減できました。
2027年に向けては、タイヤに組み込みセンサーを搭載し、圧力・温度・摩耗をリアルタイムで監視できる「スマートタイヤ」や、長寿命化・廃棄物削減につながる自己修復素材の採用に期待しています。

ブリヂストンは、原材料の調達から製品の使用・リサイクルに至るまで、バリューチェーン全体でのサステナブル化を推進しています。
皆さんのチームでは、車両開発やチーム運営において、環境負荷低減や持続可能性に関してどのような取り組みをされていますか?

サステナビリティは私たちのプロジェクト哲学の根幹です。
Emilia 5.9の設計では、エネルギー消費を最小化するため軽量複合材を優先し、内装には耐久性とリサイクル性に優れたエコレザーやネオプレンなどの環境配慮素材を採用しました。
また、イタリアの持続可能なモビリティ推進プロジェクト「GreenWave Project(MOST)」の一環として、車両前後部の製造用型にリサイクル複合材を使用し、環境負荷を大幅に削減しました。
さらに、Onda Solareプロジェクトに関連する博士課程研究では、バッテリーパックのライフサイクル評価(LCA)を実施し、その結果を査読付き科学誌に発表しました。この研究は、バッテリー製造の環境影響に関する重要な知見を提供し、より持続可能な設計への改善に役立っています。

BWSCはサステナブルなモータースポーツを体現する象徴的なレースですが、今回の経験やチャレンジが将来のモビリティにどのように繋がると考えていますか?

BWSCは単なるレースではなく、革新のための実験場です。過酷な条件下での競技は、車両の効率性、信頼性、適応性を極限まで試し、現実世界の課題に対応する方法を教えてくれます。
Emilia 5.9での取り組みは、真のサステナビリティが革新、知識、協力によって達成されることを示しました。ここで得た教訓は、将来の自動車設計に影響を与え、よりスマートで軽量、持続可能なモビリティソリューションの実現につながります。

BWSC 2027に向けた目標と意気込みを教えてください。

BWSC 2027には、これまで以上に強く、速く、効率的な車両で挑みます。目標は変わりません。Cruiserクラスで優勝を目指し、技術とサステナビリティの限界を探求します。
空力設計、複合材、製造技術をさらに進化させ、学生・大学・産業界との連携を拡大します。競技を超えて、未来のエンジニアを鼓舞し、ソーラーモビリティの可能性を世界に示すことが私たちの使命です。

BWSC 2027への出場を目指す仲間たちへエールをお願いします!

BWSCは単なる技術競争ではなく、情熱、忍耐、そしてチームワークの挑戦です。
オンロードでの経験は素晴らしく、同時に過酷です。直面するのは機械的な問題だけでなく、戦略、物流、モチベーションの課題です。負荷は大きいですが、得られる知識、友情、そして成長は何ものにも代えがたい価値があります。