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空力か、発電か。その狭間で見つけた答え──東海大学のマシン開発の舞台裏

東海大学ソーラーカーチーム

東海大学ソーラーカーチーム

Solar car name
25 Tokai Challenger
Dimension
5780㎜ x 1540㎜ x 1010㎜
Weight
138㎏
Appealing point
空気抵抗の削減と太陽電池による発電量の両立のために、2017年型から洗練し続けてきたモノハル形状を採用し最大限に軽量化した車体です。
Team Member

BWSC 2025を振り返って、レースの感想を教えてください。

2025年大会を終えて、結果は5位となり、悔しさの残る大会となりました。優勝を目指して活動してきましたが、上位チームの車体には多くの優れた点があり、改めて自分たちの課題や力不足を実感しました。また、今年は大会の開催時期が前倒しとなった影響で、製作期間が短縮され、授業期間とも重なるなど、例年通りの準備が難しい状況でした。その中でも、メンバー一人ひとりが自分の役割をしっかりと果たし、限られた時間でベストを尽くせたと感じています。

チームの特徴を教えてください。

東海大学の学生が所属しており、理工系の学生だけでなく経営学部や観光学部など文系の学生も多く所属しています。長年World Solar Challengeに参戦しており、2009年と2011年のそれぞれで優勝し2連覇を達成したことのあるチームです。

今大会のマシンの特徴はなんですか?
また、マシン開発において、最も苦労した点と、それをどう乗り越えたか、あわせて教えてください。

前回大会に比べ、レギュレーションの変更により車体が大型化しましたが、空力性能を極限まで追求したデザインを実現しつつ、ソーラーパネルの搭載面積を最適化することができました。
最も苦労した点は、この空力性能と発電性能の両立です。空気抵抗の低減を重視する空力担当者と、発電量の最大化を目指す電気班の間では、設計方針を巡る意見の議論が絶えませんでした。しかし、シミュレーションを用いて、両者の要求を満たす妥協点を見つけ出す努力を重ねてきました。

ソーラーカーにとって、タイヤはどれくらいの重要度を占めていますか?
また、ブリヂストンのENLITENタイヤについて思いますか?2027年大会に向けて求める性能などがあれば教えてください。

タイヤはコーナリング時だけでなく、オーストラリアの強い横風が吹いてる環境でも車両の安定性に大きな影響を与えるため非常に重要です。特にソーラーカーの場合は、エネルギー効率が非常に重要であり、低ころがり抵抗のENLITENタイヤはBWSCには欠かせません。また、パンクによるロスを少なくするため耐久性も重要です。今年のタイヤは十分な性能でしたので2027年大会でも引き続き、低ころがり抵抗、高耐久のタイヤにしていただきたいです。

ブリヂストンは、原材料の調達から製品の使用・リサイクルに至るまで、バリューチェーン全体でのサステナブル化を推進しています。
皆さんのチームでは、車両開発やチーム運営において、環境負荷低減や持続可能性に関してどのような取り組みをされていますか?

設計段階から使用する素材の絶対量を最小限に抑えることでリデュースを設計思想レベルで体現することができ、サステナビリティへの貢献の一つとなっています。また、過去大会に参戦した車両から部品の再利用を行い、2023年型車両では再生材の炭素繊維を使用しました。

BWSCはサステナブルなモータースポーツを体現する象徴的なレースですが、今回の経験やチャレンジが将来のモビリティにどのように繋がると考えていますか?

カーボンニュートラルなモビリティ社会の実現に向けて、革新的なエネルギ技術や開発促進,新しい技術などを試し共有する場となっていると思います。サステナブルな技術や人材を育てている象徴的なレースであると考えています。エンジニアを目指す若者同士が世界を舞台に競い合うことで個々の技術を高めることができる機会です。この経験をもとにエンジニアになったときに将来のモビリティ開発に活かすことができると思います。

BWSC 2027に向けた目標と意気込みを教えてください。

「再び世界の優勝を争う集団に復帰し、その先頭を走る」ことです。BWSC2025で痛感した課題を乗り越えるため、私たちは過去の設計思想や常識にとらわれない、革新的なマシン開発に挑戦していきます。

BWSC 2027への出場を目指す仲間たちへエールをお願いします!

「太陽の力だけで3000kmを走り切る」という夢を追いかける、皆さんは「同志」であり、そして最高の「ライバル」です。 皆さんの革新的なマシンと、その挑戦にかける情熱に、心からの敬意を表します。しかし、我々も負けるつもりはありません。 持てる技術の粋を集め、最高のチームワークで、このレースに挑みます。 互いの持てるすべてをぶつけ合い、クリーンエネルギーの可能性を世界に示す、最高のレースをしましょう。アデレードのゴールで、互いの健闘を讃え合えることを楽しみにしています!