ミッション
- 人権と責任ある
労働慣行を推進する - 私たちは、多様な人々を受け入れる文化を醸成します。
ブリヂストングループのすべての事業体と事業拠点は、倫理的な労働慣行を取り入れ、従業員と信頼関係を築き、多様性と人権を尊重します。
ブリヂストンは、真のグローバルリーディングカンパニーとしてあらゆる面で真摯に行動し、世界各地域で展開している当社の事業活動において、人権を尊重し適正な労働環境の整備を進めています。この取り組みは、「2050年 サステナブルなソリューションカンパニーとして社会価値・顧客価値を提供する会社へ」という当社ビジョンを実現する上で重要であり、当社が掲げる「Bridgestone E8 Commitment」、なかでもすべての人が自分らしい毎日を歩める社会づくりにコミットする「Empowerment」の基盤となります。ビジョンの実現に向け、ステークホルダーの皆様と連携して、事業、製品そしてサービスによって、実際に、または潜在的にもたらし得る人権への影響に対処し、改善していきます。
ブリヂストンでは「グローバル人権方針」に基づき、人権の尊重が日々の業務に組み込まれています。本方針は、国際的に認められた人権基準に対する当社グループの姿勢を明確にし、当社グループ内外のすべてのステークホルダーが、ブリヂストンとお取引先様に期待される行動を定めています。また本方針は、「ダイバーシティ、エクイティ及びインクルージョン(DE&I)の尊重」、「差別とハラスメントの禁止」、「職場の安全・衛生の推進」、「適正な労働環境整備の推進」、「結社の自由及び団体交渉の保障」、という5項目を掲げています。ブリヂストンは、従業員、お客様、お取引先様、ビジネスパートナー、及び、当社が事業を展開する地域の人々との関わりにおいて、「グローバル人権方針
」に定める人権に関する諸原則を遵守することに努めます。この方針が定める通り、ブリヂストンは、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」(UNGPs)及び「国際人権章典」(IBHR)、ならびに国際労働機関(ILO)の「労働における基本的原則及び権利に関するILO宣言」が定める人権を尊重し、支持しています。当社は、サプライヤー、協力会社、販売会社、お客様を含む、当社と共に事業を行うパートナーの皆様にも、本方針に示される諸原則を支持いただきたいと考えています。これらの人権尊重に係る姿勢は、ブリヂストンの「行動規範」及び「グローバルサステナブル調達ポリシー」とも共通するものです。
「グローバル人権方針」は、前述の国際基準により国際的に認められた人権に関する諸原則を尊重するという、ブリヂストン全体の一貫性のあるコミットメントを示すものとして、グローバル経営執行会議体(Global EXCO)の承認を経て、Global CEOの支持と署名のもとに、2022年に改訂されました。
特にグローバル企業に対して、ステークホルダーや社会から、人権への取り組みや行動に対する責任がより具体的に問われるようになってきており、当社グループにおいてこのミッションの重要度は一層増しています。ブリヂストンは、ビジネスモデルやバリューチェーン、優先課題、経営方針、事業戦略などに人権への取り組みを積極的に組み込み、その実行を通じて社会価値と顧客価値を創出し、ステークホルダーの皆様からの信頼につなげていきます。
グローバル人権方針

ブリヂストンは、「グローバル人権方針」に基づき、多様な人権課題への取り組みを推進しています。
推進体制
ブリヂストンの人権尊重の取り組みは、Global CEOを議長とする事業戦略・執行を統括する最高位の会議体であるGlobal EXCOが支持・主導しています。また、経営・執行では、経営戦略や経営課題に基づいたコミッティを設置しており、サステナビリティコミッティが包括的なサステナビリティフレームワークを整理し、人権や労働慣行を含むサステナビリティの取り組みを計画・実行しています。
サステナビリティコミッティ傘下の人権・労働慣行ワーキンググループ(WG)は、前述の国際的に認められた人権基準を尊重するというブリヂストンのコミットメントを各戦略的事業ユニット(SBU)及び地域で実践する役割を担っています。人権・労働慣行WGは、各SBUの人事担当責任者などで構成され、グローバル本社の人権専門機能がサポートしながら、人権デューディリジェンスのプロセスやブリヂストンの「グローバル人権方針」の浸透、事業活動に関連する人権リスクの評価・予防・軽減・報告などの人権に関する活動を計画・管理しています。また、人権・労働慣行WGは、グローバル調達コミッティや環境WGと協力し、バリューチェーン全体の人権課題に包括的に取り組んでいます。ブリヂストンの経営層が重要な人権に係る取り組み及び進捗状況を着実に把握できるよう、WGの計画と進捗を少なくとも四半期ごとにサステナビリティコミッティに報告しています。
目標とKPI
2022-2025年の実績及び2026年の目標とKPI
ブリヂストンは、人権・労働慣行のミッション達成に向け、次のような目標やKPIを設定しました。
| 2022年 | 2023年 | 2024年 | 2025年 | 2026年(目標) | |
|---|---|---|---|---|---|
| グローバル人権方針実行ガイドラインの実施※1 | - | 100% グループ会社107社 |
※実行ガイドラインの改訂 | 100% グループ会社146社※3 |
100% グループ会社162社 |
| 人権リスク調査票(Human Rights Risk Assessment Survey:HRRAS)実施率※2 | 100% グループ会社104社 |
100% グループ会社107社 |
100% グループ会社146社※3 |
100% HRRASは2027年に実施予定 |
|
| 強制労働、児童労働に係る実行ガイドライン禁止事項違反件数 | 0 | 0 | 0 | 0 |

- ※1対象会社における「グローバル人権方針実行ガイドライン」の実施
- ※2アセスメント対象における「人権リスク調査票」の実施率
- ※32025年6月時点で推定された当初の対象会社数は175社でしたが、2025年10月の経営体制の変更に伴い、対象会社の再編・統合が行われた結果、対象会社数が再評価され、146社に減少しています。
人権デューディリジェンスのプロセスの進展と改善が認められ、外部評価機関による評価が大幅に向上しました。ブリヂストンは引き続き、人権を尊重するというコミットメントを事業活動全体で果たせるよう努めるとともに、2025年以降も人権への取り組みを継続的に改善していきます。
ブリヂストンにおける人権デューディリジェンス
人権リスクマネジメントアプローチ
ブリヂストンはデューディリジェンスの体制とプロセスを変化に応じて継続的に見直し、発展させる事に重きをおいています。2022年に「グローバル人権方針」を改訂後、人権尊重のコミットメントを実行するための体制基盤を整備しました。外部の人権専門家、SBUリーダー、そして現場の従業員の協力の下、地域性とのバランスも考慮した「グローカル」なアプローチを取り入れたPDCAサイクルの実施を通じて、クリティカルな人権リスクを効果的に予防・管理するために、グローバルで人権デューディリジェンスのシステムの強化に取り組みました。2021年に基盤構築に着手してから、当社の体制は、グローバル企業としての責任を果たせるレベルにまで改善されました。
ブリヂストンは今後も、事業活動における人権リスクを予防・軽減し、コントロールするために、デューディリジェンス体制の強化に取り組むとともに、社会情勢や事業環境、そしてステークホルダーの期待の変化を先読みし、これらに対応していきます。ブリヂストンは、人権の尊重とこれに係る取り組みこそ、良いビジネスを創るとともによりレジリエントなバリューチェーンの形成につながり、持続可能な価値と事業活動を支え、人権リスクフリーな製品が主流となる市場・事業慣習に貢献すると考えています。社会、お客様、そして事業に関わるすべてのステークホルダーの皆様から信頼されるパートナーを目指し、これからも人権の尊重に努めてまいります。
人権デューディリジェンスのプロセス
ブリヂストンでは、グループの事業拠点ならびにサプライチェーン全体において定期的に人権デューディリジェンスを実施しています。バリューチェーン全体における人権及び環境に関するデューディリジェンスのプロセスと取り組みの概要については、Holistic Due Diligence Approach(英語のみ)をご覧ください。
事業拠点においては第三者機関の専門家との協力の下、UNGPsに沿って取り組みを大きく拡充・加速させており、社会の期待に応えるだけでなく、それを上回るように、包括的デューディリジェンスのプロセスを継続強化しています。このプロセスの各ステップにおいて、社内外のステークホルダー及び第三者機関の専門家とのエンゲージメントを行っています。

※ 地理的、政治的、社会的、産業的、または事業上の要因から人権が深刻なリスクにさらされる可能性のある拠点
人権基準の尊重

ブリヂストンは、「グローバル人権方針」を人権デューディリジェンスのプロセスの中核に据えており、「グローバル人権方針実行ガイドライン」(「実行ガイドライン」)では、「グローバル人権方針」に基づいた具体的な行動指針と基準を定めています。2024年には、ますます高まる社会からの期待や法的要求などを反映し、ステークホルダーやお取引先様との緊密な連携の下、あらゆる労働者の人権の尊重を目指すため、「実行ガイドライン」を改訂しました。「実行ガイドライン」は、世界中のグループ会社が「グローバル人権方針」を遵守して事業活動を行うこと、また日々の活動において「グローバル人権方針」が掲げるコミットメントを確実に実践することを目指しています。この目標を達成するために、改訂された「実行ガイドライン」では以下を定めました。
- 1. 「グローバル人権方針」が掲げるコミットメントの実現に向けたブリヂストンの人権基準
- 2. 人権リスクおよび違反の予防・是正を含む人権リスク管理をグループ会社が実践する際の指針
- 3. 当社従業員および派遣労働者、コンサルタント、サービス提供者/業務委託労働者等第三者ビジネスパートナーに雇用される労働者を含むあらゆる労働者の人権を尊重するための具体的な取り組み
「実行ガイドライン」の改訂プロセスにおいては、ステークホルダーエンゲージメントも重視しました。人権・労働慣行WGは第三者機関の人権専門家の協力とアドバイスを得た上で、人権に関する国際基準を参照し、「実行ガイドライン」の草案を作成しました。このような国際基準には、人権に関する国際憲章(世界人権宣言(UDHR)、市民的および政治的権利に関する国際規約(ICCPR)、及び経済的、社会的および文化的権利に関する国際規約(ICESCR))、 労働における基本的原則及び権利に関するILO 宣言、企業と人権に関する国連指導原則、OECD多国籍企業行動指針などが含まれます。「実行ガイドライン」は全SBUの人事担当者、法務担当者、及び各地域のグループ会社を代表する従業員がレビューしたほか、サステナビリティコミッティの承認も得て策定されました。
「実行ガイドライン」の概要
| 対象会社 | (株)ブリヂストン、海外統括会社、グループ会社 |
|---|---|
| 目次 各章が取り上げる人権項目 |
|
| 適用範囲 | ブリヂストンの事業拠点で従事するあらゆる労働者(当社従業員および派遣労働者、コンサルタント、サービス提供者/業務委託労働者等第三者ビジネスパートナーに雇用される労働者を含む) |
| 「実行ガイドライン」の概要 |
各章では、当社グループの人権基準として禁止する行為や、人権リスクマネジメントプロセスの導入・実施に向けた取り組みを定めています。これらの実施事項は、当社グループ各社がリスクマネジメントの成熟度を段階的に高められるよう、次の3つのレベルに分類されています。 必須実施事項 当社グループ各社及び各拠点が、日々の業務において標準的な手順として必ず実施すべき事項です。これらは、当社グループにとって人権リスクマネジメントシステムの強化に不可欠な基盤となるものであり、また遵守することで、サステナブルな社会価値・顧客価値の創出、ならびにステークホルダーとの信頼関係の構築に貢献すると考えています。 推奨実施事項 当社グループ各社及び各拠点における人権リスクマネジメントプロセスを強化する積極的な取り組みです。 先進的実施事項 国際人権基準に準拠した先進的な取り組みです。 当社グループ各社は、国内及び地域の法的義務や定められた基準を満たすことに加え、本ガイドラインで定める必須実施事項、または労働者代表との協約・協定のいずれか、労働者にとってより強力な人権保護を規定する基準を遵守することが求められています。 [実行ガイドライン基準※(PDFファイル)] |

実際及び潜在的な負の影響の特定と評価
ブリヂストンは、グループの全事業拠点において、人権に対する実際及び潜在的な負の影響を特定、評価、優先順位付けするためのリスク評価プロセスを導入しています。
2021年には、拡充された人権デューディリジェンスサイクルの第一段階として、第三者リスク分析提供機関であるVerisk Maplecroft、サステナビリティ分野における主要な国際的機関であるBSRと連携し、世界各地の事業拠点における人権リスク・エクスポージャー※の評価を実施し、重視すべき人権課題を特定しました。
※ 人権リスクにさらされる可能性
ブリヂストンは、これらの評価結果を受け、当社グループが重視すべき顕著な人権課題として、労働時間、差別のない均等な機会、職場でのハラスメント、強制労働、児童労働、労働安全衛生を特定しました。地理、法規制、産業及び事業の観点からリスクにさらされている可能性が高い人権の領域に対して、事業拠点での人権デューディリジェンス活動に優先的に取り組んでいます。
重視すべき人権課題の詳細については「2021年リスク評価
」をご覧ください。
一次リスクアセスメント:「人権リスク調査票」
「人権リスク調査票」は、ブリヂストンが「実行ガイドライン」に基づきグループ各社のリスクマネジメントの成熟度や取り組みを評価することで、事業活動全般における潜在的な人権リスクを特定・評価し、優先順位付けを行うために用いる一次人権リスクアセスメントプロセスです。ブリヂストンは、特定された潜在的なリスクについて、その規模、範囲、救済困難度といった深刻度に加え、発生の可能性を評価し、優先度を決定します。「人権リスク調査票」及びリスク評価においては、地理的なリスクや業界特有のリスクに加え、従業員、非従業員、及び子ども、若年労働者、移民、LGBTQIA+の方々、障がい者、女性など、特に脆弱な立場にあるステークホルダーへの影響も考慮しています。
| アセスメント項目 アセスメント項目の概要は「質問票(PDF) |
以下の人権分野に関するリスクマネジメントの方針、プロセス及び手続き、並びに報告・確認された事案:
|
|---|---|
| アセスメント対象 | (株)ブリヂストン、地域統括会社、子会社 |
| 形式 | セルフアセスメント形式の人権リスク調査票 |

インパクトアセスメント:詳細な社内深掘調査
ブリヂストンは、2022年以降に外部専門家が実施した評価から得られた知見と経験を基に、現在、社内の詳細なアセスメントプロセスを構築しています。このプロセスは、「人権リスク調査票」の結果を検証し、実際の人権への負の影響を特定するとともに、ブリヂストンの事業拠点での「実行ガイドライン」の効果的な実施を保証・支援するための第2の防衛ラインとしての役割を果たします。このプロセスの構築にあたり、ブリヂストンは、ライツホルダーへの影響に加え、各事業活動の性質や固有のリスク(地理的リスクや業界特有のリスクを含む)を考慮するため、社内外の専門家の支援を得ています。また、ブリヂストンは業界のベンチマークや基準、外部の地理的リスクデータ、社内のアセスメント結果など、様々なデータソースも活用しています。2027年初頭までに詳細な社内深掘調査プロセスを整備することを目指して取り組んでおり、随時、進捗状況を提供していきます。以前に実施された詳細評価については、「2022-2023年に実施された詳細評価
」をご覧ください。
負の影響の停止、是正及び救済
ブリヂストンは、自社の事業活動に対するデューディリジェンス活動の一環として、特定された人権及び環境への実際の負の影響を解消し、是正するための体系的なプロセスを導入しています。特定された負の影響の原因やその要因となる活動、及びその性質を分析し、当該影響を停止、是正、防止するための計画を策定しています。また、適切な措置を策定し、計画を実施するために、影響を受けるステークホルダー及び/またはその代表者と協議・連携を行っています。
2024年12月に人権基準を強化した「実行ガイドライン」の改訂版を発表した後、2025年7月に新たな基準に照らしてグループ各社のリスクマネジメントの成熟度を評価するため、「人権リスク調査票」を刷新し、ベースライン評価として実施しました。2025年に実施された「人権リスク調査票」の結果に基づき、ブリヂストンは今後も、全ての事業拠点において「実行ガイドライン」の効果的な実施を標準化し、強化していきます。「人権リスク調査票」の結果及び軽減策の詳細については、以下をご覧ください。
| 2025年 アセスメント対象 |
アセスメント実施済みの対象 | 実施率 | 改善が必要な領域 |
|---|---|---|---|
| 146のグループ会社 | 146のグループ会社 | 100% | 5 |

| 実行ガイドラインの人権領域 | 実行ガイドラインの基準 | 改善点 | 改善・軽減策 | 状況 |
|---|---|---|---|---|
| 苦情処理メカニズムと規定違反への対処 | IG VIII. 2. (c) BridgeLine は、労働者が社内規定で定義された禁止行為に関連する懸念事項を通報できる正式な内部通報システムとする。 |
パプアニューギニア: BridgeLineが整備されていなかった。 |
1) BridgeLineシステムの導入 2) 管理職向けに研修を実施、また全労働者に対しBridgeLineの目的と利用方法を周知 |
2025年12月に完了 |
| 強制労働 | IG I. 2. (a) 労働者に対して、賦課金、採用・雇用・配置に係る手数料、またはその費用を請求することを禁止する。 |
台湾: 現地法で認められている、または法的に許容される慣行に従い、人材派遣会社から出稼ぎ労働者に採用手数料が請求されていた。 |
人材派遣会社に対し、当該慣行の廃止を要請し、同社が労働者から採用関連の手数料を徴収しないことを契約上合意 | 2026年6月30日までに完了 |
| 児童労働と若年労働者 | IG II. 2. (d) 18 歳未満の若年労働者による深夜労働・時間外労働を禁止する。 |
オーストラリア: 18歳未満の若年労働者が時折法定内で時間外労働をしていた。 |
18歳未満の若年労働者の時間外労働を禁止する人権・労働慣行方針を策定 | 2026年6月30日までに完了 |
| 差別の禁止とダイバーシティ、エクイティ及びインクルージョン(DE&I) | IG. III. 1. (b) 雇用条件として、身体検査、妊娠、処女性、HIV/AIDS に関する違法な医療検査及び避妊薬の使用を強制すること。 |
タイ: 採用時の健康診断または採用前の健康診断において、合法的に妊娠検査が実施されていた。 |
当該慣行を廃止 | 2026年1月までに完了 |
| 差別の禁止とダイバーシティ、エクイティ及びインクルージョン(DE&I) | マレーシア: 採用時の健康診断または採用前の健康診断において、合法的にHIV検査が実施されていた。 |
当該慣行を廃止 | 2026年1月までに完了 |

外部人権監査
ブリヂストンは、お客様からのご要望に応じ、人権に係る現地監査を受け入れ、これに参加しています。ブリヂストンは、信頼されるパートナーであるためにはこのような監査に取り組むことは不可欠であると同時に、人権リスクマネジメントの水準向上にも寄与するものと考えています。
2025年9月、米国サウスカロライナ州にあるOR超大型タイヤを生産するエイケン工場で、Sedex SMETA監査が実施されました。当工場では、大型及び超大型のオフロード用ラジアルタイヤを生産しています。Sedex SMETAは、企業の労働基準、安全衛生、環境パフォーマンス、倫理基準を評価する、広く認知されている社会監査フレームワークの一つです。監査の結果、これら4つの評価の柱において、エイケン工場はSMETAの要件を満たしており、強固なマネジメント体制を整備していることが確認されました。人権の分野では、ブリヂストンのグローバル方針に則ったエイケンOR工場の現地方針及び手順が、当工場の成熟度をより明確に示していました。監査で特定された改善の機会を踏まえ、ブリヂストンは、適切に生活賃金分析の実施可能性を検討することで、人権への取り組みを引き続き前進していきます。
【クリス・バーデン(エイケンOR工場長)からのコメント】
エイケンOR工場では、ブリヂストングループの「グローバル人権方針」に沿って人権の尊重と責任ある労働慣行の促進に取り組んでいます。このコミットメントの一環として、顧客であるBHPの要請により、当工場がSMETA監査の対象に選ばれたことを真摯に受け止めました。監査結果により、当工場が期待される基準を遵守していることが確認され、お客様との価値の共有が実証されたことを嬉しく思います。
私たちは、今回の結果は監査での対応にとどまらず、ブリヂストングループとしてのグローバル戦略、SBUからの徹底した誠実なサポート、そして現地チームによるブリヂストングループのコミットメントを日々の業務で実践する揺るぎない取り組みが結集した「グローカル」なチームワークとパートナーシップの成果であると考えています。
実施状況と結果の追跡
ブリヂストンは、「人権リスク調査票」を用いて定期的に評価を実施し、全事業拠点でのリスクマネジメントの成熟度と慣行の改善状況をモニタリングしています。
さらに、ブリヂストンは、是正策及び救済策の実施状況をモニタリングし有効性を評価するためのプロセスを開発しています。有効性の評価では、対策が実施されたかどうかだけでなく、それら負の影響の防止、軽減、または解消において有意義な成果を上げているかどうかも検証されます。このプロセスでは、特定されたリスクへの適切な対応、再発の低減、ステークホルダーからのフィードバック、是正措置計画に定められたマイルストーンの達成状況など、定性的・定量的指標を組み合わせて検証が行われます。ブリヂストンは2027年初頭までにこの評価プロセスの確立を目指しており、随時、進捗状況を提供していきます。
事業活動への人権取り組みの定着:Firestone Liberiaでの「グローカル」な取り組みの事例
ブリヂストンは、原材料の採掘から製造、サービス、販売に至るまで、世界中の拠点で幅広い事業を展開しています。また、リベリア、インドネシア、タイに4つの天然ゴム内製事業所も保有しており、各事業所はブリヂストンの全ての事業にとって不可欠な天然ゴムの調達・供給において極めて重要な役割を果たしています。天然ゴム事業の持続可能性を確保することは、社会や地域社会への負の影響を防ぐだけでなく、ステークホルダーとの相互成長と発展を促進するうえでも、ブリヂストンの重要な使命です。
Firestone Liberia(FSLB)はブリヂストンが所有する最大級の天然ゴム農園の一つで、様々なステークホルダーや地域社会との協力・連携のもとで運営されています。グループの一員として、FSLBは、ブリヂストンの「グローバル人権方針」及びその「実行ガイドライン」、並びに「グローバルサステナブル調達ポリシー」を遵守し、事業活動全般において人権の尊重と責任ある労働慣行の推進に強くコミットしています。またFSLBは、倫理的な事業慣行、透明性の確保、及び事業権付与契約の条項を含むリベリアの国内法の遵守という責任も果たしています。
このコミットメントは、ブリヂストングループ本社、地域の統括会社、及び現地のFSLBチームとの連携を通じて強化されています。グループの人権デューディリジェンスプロセスの一環として、FSLB及びその事業運営を管理する地域統括会社は、FSLBの方針や手順が「グローバル人権方針」及びその「実行ガイドライン」に沿っているかを確認・検証しています。また、FSLBは「人権リスク調査票」を用いたグループの定期的な評価に参加し、ブリヂストングループ本社及び地域統括会社による現地視察も受け入れています。これにより、全チームが、FSLBが人権に対する一貫した取り組みを維持していることを再確認することが可能となっています。
さらに、リベリア特有の社会経済的状況を鑑み、またFSLBが地理的及び産業的要因に伴う潜在的な人権及び環境リスクにさらされていることから、FSLBはグループ全体の取り組みに加え、ISCC PLUS(持続可能性および炭素に関する国際認証プラス)認証の活用など、リスクマネジメント体制を強化するための取り組みを導入しています。ISCC PLUSにより、FSLBは、天然ゴム農園としての事業環境を考慮しつつ、適切な人権リスクマネジメントを実施していることを独立した視点から確認することが可能となります。
2023年にISCC PLUS認証を取得以降、FSLBは毎年、森林破壊を伴わない活動、環境リスクマネジメント、安全な労働環境、及び責任ある調達に重点を置いた外部監査を受けています。これらの監査結果に基づき、FSLBは、特に薬品の取り扱いと緊急対応能力に関連する安全衛生に関するプログラムを強化しました。またFSLBは、労働者の権利遵守状況を定期的に監視するための内部監査制度を策定し、実施を開始しました。これには、協力会社の労働基準や労働慣行に加え、福利厚生や報酬を含む請負労働者の労働条件及び生活状況も含まれます。詳細は、FSLBのISCC認証概要報告書(PDF)
をご覧ください。
FSLBの取り組みは、単に責任ある事業運営にとどまりません。FSLBが事業を展開するリベリア・ハーベルでは、水道、衛生、電力、教育、医療といった国が提供する基本的なインフラが依然として限られています。FSLBは、リベリア経済の繁栄において民間セクターが果たす極めて重要な役割を認識し、一企業が提供できる最大限の範囲において、医療、教育、飲料水、住宅といった必須サービスへのアクセスを提供することで、従業員や請負労働者、そして農園内及び周辺の地域社会を支援しています。特に医療に関しては、FSLBは請負労働者とその扶養家族が、自社の従業員と同等の医療サービスを受けられるよう保証しています。その他にも、飲料水の定期的な水質検査の実施、トイレタンクの回収・清掃、請負会社が請負労働者の扶養家族のためにスクールバスを調達できるよう支援するといった取り組みを行っています。
同時に、FSLBはこうした取り組みの限界も認識しており、地域社会やステークホルダーと積極的に対話し、そのフィードバックを継続的な改善に繋げています。ブリヂストンの公式通報窓口であるBridgeLineに加え、FSLBは追加の窓口を設け、全てのステークホルダーが疑問や懸念を報告できる体制を整えています。
2025年、FSLBは、ガバナンスと責任ある調達を専門とする現地の第三者助言機関と提携し、全てのステークホルダーが利用できるフリーダイヤル「9494」を開設しました。技術とインフラ面から、この新たな「Speak Up」チャネルでは、より簡単かつ確実な通話接続が可能です。報告は助言機関が受付を行い、FSLBチームに転送され、さらなる検証、調査、そして必要に応じて解決策が講じられます。連絡先情報を提供した通報者には、プロセス全体を通して定期的に進捗状況が報告され、透明性と見通しを確保しています。またFSLBは、安全の確保とステークホルダーとの信頼関係の構築を重視し、ステークホルダーが懸念を表明できるよう、障壁を取り除き、対話の促進に努めています。
FSLBは2025年に報告された全事案を適切に処理し、必要に応じて解決策を講じています。この結果、同年に登録された事案は全てクローズされています。いかなる事案も、当社の他の通報制度を通じて寄せられた懸念と同様に、当社グループの社内調査手順に沿って適切な部署によって速やかに調査され、関係者のプライバシーと機密性も適切に守られています。
FSLB及びブリヂストン各社は、全てのステークホルダーから信頼されるパートナーとなるため、引き続き様々な指摘や声に真摯に対応し、改善の機会につなげてまいります。
人権に関する研修
人事担当者の意識向上に向けた取り組み
経営層、人事担当者、そして現場の従業員を含むすべてのグループ会社の従業員の間で、ブリヂストンの人権尊重の取り組みに関する認識を高め、教育を拡充するため、各SBUでは様々な学習機会・研修を企画しています。
各地域での取り組み
Bridgestone WEST: 米州(BSAM)および欧州・中近東・アフリカ(BSEMEA)地域
Bridgestone WESTは、認知度と可視性を最大限に高めるため、米州、欧州、中近東、アフリカ地域からグローバル人事機能(採用、人材管理、報酬・福利厚生、HRビジネスパートナーなど)が一堂に会したHRコミュニティ会議において、ブリヂストンの人権に関する取り組みの最新情報を共有しました。加えて、各国の人事担当者向けに、従業員のライフサイクルに関係するガイドライン要件の主要な人事プロセスへの取り入れ方に関する講習会を複数回開催し、新しい「実行ガイドライン」を推進しました。講習会では、人権・労働慣行WGが管轄するより幅広い活動にも焦点を当て、参加者が懸念を打ち明けたり、慣行とのギャップを特定したり、またベストプラクティスの共有や共通の解決策の特定を行うことができるよう、開かれたディスカッションの場も設けました。この講習会に参加した人事担当者は、2025年下期に人権・労働慣行WGと連携して実施された「人権リスク調査票」によるアセスメントにも参加しました。ブリヂストンは、Bridgestone WEST内に非公式な人権コミュニティを設立することは、デューディリジェンス活動を強化する上で極めて重要な一歩であると考えています。意識の向上、一貫した実践の促進、そして各国間の連携を強化することで、潜在的な人権侵害を防止し、組織全体でのより強固な人権文化の醸成に貢献しています。
アジア・大洋州・インド・中国地域(BSAPIC):
ブリヂストンアジアパシフィック(BSAPIC)は、すべてのグループ会社の人事担当者向けに新しい「実行ガイドライン」の要件を説明し、実践に向けた説明会を実施します。同時に、BSAPICの人権・労働慣行チームは、グループ会社の人事チームの懸念やベストプラクティスの共有、改善計画を策定するための指導と支援を実施しています。2025年の下半期には、BSAPICのグループ会社も「人権リスク調査票」によるアセスメントに参加し、「実行ガイドライン」に基づき強化された人権・労働慣行に係る各社の規定と手順を評価し、ギャップを特定し、さらなる改善のための緩和計画を策定につなげていきます。
日本:
日本セグメントでは、グループ会社の人事担当者向けにガイドラインに関する説明会を実施しています。説明会では、ガイドラインの実施におけるキーポイントに焦点を当てるほか、ベストプラクティスの共有も行っています。加えて、実施にあたって起こり得る懸念や問題にも対処しています。日本セグメントはガイドラインの実施を促進するために、継続して取り組みを行うことで、グループ会社の関係者及び人事担当者の育成を目指しています。日本セグメント傘下グループ会社においても、2025年下期の「人権リスク調査票」によるアセスメントに参加し、2026年1月までに改善策を完了しました。2026年には、「実行ガイドライン」の必須実施事項に関する標準的な手順の策定を推進し、その実施を強化する予定です。
全従業員を対象とした「グローバル人権方針」と「行動規範」に関する研修
ブリヂストンは、「グローバル人権方針」と「行動規範」に関する教育を定期的に実施しています。2023年に続き、2024年には対象とした従業員の94.7%にあたる30,040人に対し人権教育を行いました。また、すべての管理職は、ハラスメントやいじめなどのテーマを含む「行動規範」についても定期的に研修を受けています。
人権・労働慣行WGは、グローバル調達コミッティとグローバル本社のサステナビリティ専門機能と協働で、包括的デューディリジェンス及びリスクアセスメントプロセスの一環として人権研修プログラムを推進しています。この研修プログラムの内容は、人権上の影響につながる具体的な状況や要因についての認識を高め、当社グループの事業活動と人権の関係について理解し、バリューチェーン全体で人権を尊重していくことの重要性をより深く理解できるように構成されています。
内部通報システム
ブリヂストンは、「グローバル人権方針」の遵守を確実なものとするため、従業員及びすべてのステークホルダー(協力会社、お取引先様、消費者、お客様を含む)に対し、質問や懸念事項について支援を求めるための複数の手段を整備しています。「行動規範」に明記されている通り、これには上司、人事部門、法務部門、各地域のチーフ・コンプライアンス・オフィサー、内部監査部門に加え、第三者が運営する通報窓口「BridgeLine」が含まれます。
ブリヂストンは、声を上げることを奨励しており、誰もが安心・安全に「BridgeLine」を利用できるようにしていきます。また報復を禁止する体制を整え、通報者に対するいかなる報復的行為も決して容認しません。








