CSR

Environment(環境)|自然と共生する

影響の最小化

ブリヂストングループは、事業活動に伴う野生生物や自然生息地への影響を最小化するさまざまな取り組みを行うとともに、生産拠点や地域社会の生態系の改善に向けた活動も数多く行っています。これらの取り組みには、環境負荷の低減、水資源や他の重要な自然資源の保全、生態系の保全・復元や教育関連のプロジェクトの実施などがあります。

調達での取り組み

「持続可能な天然ゴム」に関する取り組み

天然ゴムの消費量は、世界のタイヤ需要の拡大に比例して増加すると予測されており、ブリヂストングルーブの事業にとって、「持続可能な天然ゴム」のサプライチェーンの実現が不可欠です。「持続可能な天然ゴム」の調達は、タイヤ業界全体および当社グループにとって持続可能な成長の鍵を握る課題と考え、さまざまな取り組みを行っています。

ブリヂストングループは、2018年に「グローバルサステナブル調達ポリシー」を策定しました。本ポリシーには、天然ゴムを含む全ての原材料について、持続可能なサプライチェーンを構築する、という当社の姿勢が反映されています。また、天然ゴムの大口需要家として、世界に広がる複雑な天然ゴムのサプライチェーンにおける重要な課題についての当社の考えも記載しています。

アグロフォレストリーの推進 天然ゴム農園での生物多様性保全

アグロフォレストリーの推進 ゴム農園での生物多様性保全
共同研究の様子

天然ゴム農園への技術指導を通じて、小規模農園の生産性を上げることは、アグロフォレストリーと呼ばれる混合栽培を支援することにもつながり、生物多様性の保全面でも意義深い取り組みです。ブリヂストングループは、世界アグロフォレストリーセンターへの委託研究により、アグロフォレストリーを実施している地域の生物多様性が比較的高いことを確認しています。

天然ゴムの共同研究推進

共同研究の様子
共同研究の様子

ブリヂストンは、2003年よりインドネシア技術評価応用庁 (BadanPengkajian dan Penerapan Teknologi) と天然ゴムの共同研究に取り組んでいます。天然ゴムの生産性向上を目的に、ゲノム情報を活用したゴムの生産能力が高い木の選抜・増殖技術とゴムノキの病害の早期診断技術の開発を進めています。2015年は、クローン増殖技術「Ex-Vitro法 (挿し木法の1種)」や遺伝子データを活用した簡易病害診断技術<LAMP法>の確立など、農園での実用化につながる大きな進展がありました。

調達における生物多様性への配慮

「グローバルサステナブル調達ポリシー」では、お取引先様と一緒に進めてきた化学物質の管理や排水・排気・廃棄物排出などの環境への影響の最小化、温室効果ガスの削減などの施策に加え、お取引先様の商品のライフサイクル全般にわたっての生物多様性への配慮もお願いしています。さらに、有害物質が当社調達品に混入しないよう、お取引先様と一体となった化学物質管理体制の強化を進めています。本ポリシーは12言語で世界各地に展開され、海外のお取引先様にも配慮をお願いしています。

生産での取り組み

取水による影響の低減

「生物多様性への「影響の最小化」の主要なアクションの一つとして、「取水の影響低減」を掲げています。ブリヂストングループは、生産工程において冷却水や蒸気を利用しており、これら水資源の持続的な利用は、当社グループの事業継続と切り離せない課題です。このため、当社グループ全体の生産拠点における取水量原単位※1を2020年までに2005年比35%削減することを目標とし、取水量削減活動を進めています。2018年は、取水量削減率が37%となり、目標を上回りました。

生産拠点における取水量の目標と実績(原単位)

中国やメキシコなど、深刻な水不足が懸念される地域の多くの生産拠点で、冷却水の循環利用、製造プロセスの改善による効率的な水資源の利用、雨水の活用などを進めています。

トルコのイズミット工場では、雨水や排水を回収・処理し、再利用することで地下水の取水量を減らす取り組みを行っています。これらに加え、従業員に対して水利用に関する啓発キャンペーンなどを行うことにより、同工場では10年間でおよそ50%の取水量削減を達成しました。これらの取り組みは、ブリヂストングループアワード2019の表彰案件に選ばれています。

また、当社グループの全ての生産拠点において、関連法の遵守に向け、水処理システムや油水分離器の整備など、排水に関しても取り組みを進めています。

取水量の実績については、第三者機関であるロイド レジスター クオリティ アシュアランス リミテッドの検証を受け、情報の正確性と信頼性の確保に努めています。

  1. ※1事業ごとに生産量や売上高当たりの取水量を原単位として管理しており、それらの削減率の加重平均値を指標としています。取水量には他社によって再生された水や雨水は含まれていません。

雨水の活用

ブリヂストン カーボンブラック タイランド (BSCB) の雨水貯留池

ブリヂストングループの一部の工場では、敷地内に降った雨を工程用水や敷地内の植物への散水に利用するなど、雨水の利活用に取り組んでいます。

水の再生利用

ブラジルのサンパウロ州にある工場は2016年、深層井戸水の使用量の削減に向けて、水の再生利用促進を目的とした自治体との共同イニシアチブを開始しました。プロジェクト開始以降、施設の冷却システムやボイラーで使用する水は、その半分以上が排水処理会社から供給される再生水となりました。

新工場設計における水資源に関するリスクアセスメント

BSAMの流域マップ

タイヤ工場を新設する際には、水源の水質や水量、流域のリスクアセスメントを行うとともに、水資源の効率的な利用と排水に配慮することを定めています。さらに、持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)が発行しているGlobal Water Tool※1やWorld Resources Institute(WRI)Aqueduct※2などを用いて、既存工場の水リスクの評価を行うとともに、拠点ごとに対応策を検討しています。

米国で2014年に操業した建設・鉱山車両用大型・超大型ラジアルタイヤの生産拠点となるエイケン工場では、水資源におけるリスクを最小化する為、流域マップを作成し、河川流域への影響を事前評価しています。また、工場敷地内においても、排水の性状に合わせて排水系統をそれぞれ設定し、適切な排水処理や貯水の施設を設置するとともに、多様な生物が生息する敷地内の湿地を保全する為、大雨でも施設の排水が湿地に流れ込まないように排水溝を整える等、敷地内外の水資源に関するリスクアセスメントに基づいた設計となっています。

  1. ※1WBCSDが開発した水リスク評価ツール。
  2. ※2「World Resources Institute (WRI):世界資源研究所」が開発した水リスク評価ツール。

CDPウォーターセキュリティ質問書に対する当社の回答

(CDP(旧名称:カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト):英国を拠点に企業・都市の環境情報の調査・開示を行っている国際NGO。世界の機関投資家を代表して、世界の主要企業に対して、気候変動や温室効果ガス排出、水管理等に関する情報開示を求め、調査・評価を実施。)

国際指標を取り入れ 多角的に環境影響を評価

ブリヂストングループは、これまでも積極的に生態系の保全や研究、教育活動を実施・支援してきましたが、2011年度には、さらに活動を充実させるために、事業が生態系に与える影響の定量的な評価を実施しました。国内16工場で生物多様性ポテンシャル評価を実施し、周辺環境を踏まえた生物多様性保全への貢献の可能性を把握しました。また、独立行政法人国立環境研究所の協力の下、国内4工場においてWET試験 (生物影響を指標とした先進的な排水管理手法を用いて工場排水の環境影響を評価する試験) を実施し、同工場における工場排水の試験時の生態影響リスクは極めて低いとの結果を得ました。今後も、多角的な環境影響評価に取り組んでいきます。

製造工程におけるVOCの削減

ブリヂストン産業用化成品部門の塩素系VOCの使用量推移
ブリヂストン産業用化成品部門の塩素系VOC使用量推移

ブリヂストングループは、揮発性有機化合物(VOC)など、環境負荷が懸念される化学物質の代替物質への切り替えを進めるとともに、化学物質全体の使用量の削減に取り組んでいます。

欧州・中近東・アフリカ地域では、VOCの削減目標を掲げ、生産量1トン当たりの有機溶剤の使用量を2021年に2.12キログラムまで削減する取り組みを進めており、2018年の使用実績は1.92キログラムでした。スペインのビルバオ工場、ブルゴス工場、イタリアのバリ工場、フランスのベチューン工場では、イタリアにある当社技術センターと連携し、長年に渡り研究を進めた結果、タイヤ生産工程での有機溶剤の使用に伴うVOC排出量を83%削減しました。

また、当社グループの産業用化成品部門においては、生産拠点での塩素系VOC溶剤の使用量削減に積極的に取り組み、2010年から2018年の8年間で約99%の大幅な使用量削減を達成しました。また、米国にあるブリヂストン エーピーエム カンパニーのアッパーサンダスキー工場とディクソン工場では、自動車用シートの製造に使用する接着剤をVOC(有機溶剤系)から水系に段階的に切り替え、全廃しました。今後も、世界各地の事業拠点において更なるVOCの使用量削減に取り組んでいきます。

燃料転換による大気中へのSOx・NOxの排出削減

ブリヂストングループの工場では、重油から天然ガスへ燃料転換を進めることで、硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)の排出削減に取り組んでいます。

新工場建設地における生態系の復元活動

米国で2014年に操業した建設・鉱山車両用大型・超大型ラジアルタイヤの生産拠点となるエイケン工場では、新工場建設にあたり、敷地内に在来種の植物を植樹し、生態系の復元に取り組んでいます。米国南部では、過去150年間に、様々な生物にとって重要な植物であるロングリーフパインの生態系が、人為的な要因により失われてきました。ブリヂストン アメリカス・インク (BSAM) は、野生生物生息地審議会 (Wildlife Habitat Council) からの情報提供を受けながら、3万本という大規模なロングリーフパインを植樹しています。また従業員による鳥の巣箱設置や定点カメラによる生息動物の観察、敷地内の遊歩道や休憩所 (パビリオン) を活用した新入社員へのオリエンテーションの実施など、従業員と地域住民の生物多様性保全に関する環境教育の場としても活用しています。

  • ロングリーフパインの植樹
    ロングリーフパインの植樹
  • ロングリーフパインの植樹
  • 従業員が製作した巣箱
    従業員が製作した巣箱
  • 従業員が製作した巣箱

化学物質の適正管理・使用量削減

ブリヂストンは、使用している化学製品、化学物質の取扱量や排出量・移動量を化学物質管理システムで管理しています。その結果を元に、PRTR法※1対象物質の排出・移動量等を適切に行政機関へ報告しています。 また、PCB含有物※2の適正管理については、PCB特別措置法※3を踏まえ、変圧器やコンデンサーなどのPCB含有廃棄物及び使用機器を適正に保管するとともに、適正処理を推進しています。

  1. ※1PRTR法とは、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」の通称。Pollutant Release and Transfer Register の頭文字をとったもので、環境汚染物質排出・移動登録制度を規定したもの。具体的には、人の健康や生態系に有害である恐れがある化学物質について事業者が行政に報告し、行政が対象事業者の排出・移動量を集計公表する制度。
  2. ※2ポリ塩化ビフェニルの総称。絶縁性や不燃性などの特性から電気機器の絶縁油として使用されていましたが、毒性が強く、現在は使用禁止となっています。生物によって分解されにくく、発がん性が認められています。
  3. ※3「ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法」の通称。PCB廃棄物を保管する事業者は、政令で定める期間内にPCB廃棄物を処分することと、毎年度PCB廃棄物の保管及び処分の状況を都道府県知事 (または保健所設置市長) に届け出ることなどが義務づけられています。

製品での取り組み

環境負荷物質の使用量削減

ブリヂストンは、揮発性有機化合物 (VOC) や鉛など環境負荷が懸念される化学物質の代替物への切り替えを進めるとともに、継続的に使用量削減にも取り組んでいます。VOCについては、2010年までに2000年比で35%削減するという削減目標を掲げ、計画的に削減を進めた結果、2010年には42%削減を達成しました。2011年には更に前年比20%削減し、今後も新たな目標を設定し、さらなる削減を進めていきます。

特に、ゴムと金属を接着させる接着剤に含まれているテトラクロロエチレンについては、2005年より全般的に代替品への切り替えを実施することで、使用量を削減してきましたが、2008年には使用量ゼロを達成しました。また、主にウレタンフォームの製造過程で使用される塩素系溶剤ジクロロメタンについても計画的に削減を進めており、シートパッドについては全廃しています。

鉛についてはスチールコード工場での工程見直しや化工品工場での接着剤の切り替えにより、大幅な削減を達成しています。

免震用積層ゴム 高減衰ゴム系Xシリーズ 低弾性タイプ「H-RB (X0.4S) 」

免震用積層ゴム「H-RB (X0.4S) 」

免震構造に用いられる積層ゴムは幾つかの種類に大別できますが、ゴム材料の減衰性を高めた高減衰ゴム系積層ゴムは、減衰機能を兼備しているために特別なダンパー (鋼材、鉛ダンパー等) を併用する必要がないことから、設置スペースや施工・管理面で合理的であり、環境負荷も小さい積層ゴムとして位置づけられます。ブリヂストンでは、早い時期から高減衰ゴム系積層ゴムの開発に取り組み、これまでにも商品を市場に提供してきました。2011年に本格上市した、荷重履歴依存性を大幅改良した新高減衰ゴム系積層ゴム「H-RB (X0.6R) 」に加え、当該商品の低弾性タイプであるX0.4S を開発し、軽荷重の柱や建物への適用を可能とした高減衰ゴム系積層ゴムXシリーズの商品ラインアップの拡充を実現しました。

エマルジョン粘着製品「AHシート」

エマルジョン粘着製品「AHシート」

エバーライトAHシートはブリヂストンが長年培ってきた軟質ポリウレタンフォームの技術と最新の粘着加工技術を結集・結合させて開発した、高性能な、粘着剤付き、軟質ポリウレタンフォームのシートです。このシートを使うことで、様々なフォームを容易に対象物へ接着させることができます。また、このシートは水系エマルジョン粘着製品であり、有機溶剤を用いた製品より高い安全性を有します。また、お客様による部品リユースなどのために、不要部品の取り外しや分別ができるよう、再剥離機能を持たせた工業用のエバーライトAHシートも展開しています。