世界保健機関(WHO)は、所得水準別死因分析に基づき、各国・地域ニーズに応じた健康改善に取り組むことが重要であると指摘しています。ブリヂストンは、地域住民の健康状態を改善し、より健康的なライフスタイルを持続的な文化として根付かせることで地域社会に貢献します。
2024年は、24の国と地域で222件※1の健康に関する取り組み(うち206件は外部パートナーと連携※2、7,789人の従業員ボランティアが参加※3)を57,432人の地域の方々に対して実施※4しました。

- ※1活動数の集計方法は国や地域によって異なります。
- ※2外部パートナーとの連携集計方法は国や地域によって異なります。
- ※3従業員ボランティア数は延べ人数であり、一部活動では推計値を含みます。
- ※4活動による直接裨益人数を集計し、集計方法は国や地域によって異なり、確認できた活動のみを対象としています。
全国ボランティア週間(米国)
所得格差が大きくなっている米国では、多くの家庭が食料不安に直面しています。ブリヂストン アメリカス インク(BSAM)は、米国の全国ボランティア週間に、食糧配給団体であるナッシュビルのThe Branch(テネシー州ナッシュビル)及びAkron-Canton Regional Foodbank(オハイオ州アクロン)と協力して食料品の寄付活動を行いました。ブリヂストン従業員は経済的困難に直面している世帯向けに、寄付された食料品を分類し、ミールキットを用意しました。
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ボランティア月間:「United Way of Greater Nashville」(米国)
ブリヂストン従業員は経済的困難に直面している世帯を支援している「United Way of Greater Nashville」を支援するため、合計で70万ドル以上の寄付を集めました。また、「ギビングキャンペーン」の期間中は、145人の従業員が「United Way of Greater Nashville」に参加する非営利団体(NGO)でボランティア活動に従事しました。
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「OnWheels」アプリ支援-すべての人のアクセシビリティ向上に向けて(ベルギー)
ブリヂストン ヨーロッパ エヌヴィー エスエー(BSEMEA)は、ブリュッセル市内での車いすユーザーの移動ニーズへの対応、またアクセシビリティの向上に向け、「OnWheels」アプリと連携した活動を実施しました。合計20人の従業員ボランティアが、実際に車いすを使って市内の60カ所を訪問し、アプリにアクセシビリティに関する情報や位置データを登録。スロープや入口など、車いす利用者にとって重要な機能・特徴に関する情報収集を行いました。このデータはアプリユーザーに提供され、移動に問題を抱える人々にとってよりインクルーシブな環境を作り出す一助となっています。
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B-Olympic(BSEMEA)
「B-Olympic」は、ブリヂストン従業員により活動的・健康的なライフスタイルを身に付けてもらうことを目的とした、ユーザーフレンドリーなデジタルプラットフォームです。このプログラムは、ランニング、サイクリング、スイミング、ウェイトリフティングに加えショッピングやガーデニングなどあらゆる種類の活動を提案し、これらをキロメートル(km)に換算します。このほかにも従業員のやる気を引き出すため、ウェビナー講習などの高品質なコンテンツを提供しました。
BSEMEAでは7年前から、より活動的・健康的なライフスタイルを従業員に奨励することを目的に、従業員が運動や日常生活でkmを集める意欲的な目標を毎年設定しています。年間目標が達成されると、BSEMEAは14の地域のがん慈善団体へ寄付を行っています。
2024年は歴史的な節目の年となりました。ブリヂストン従業員は、オリンピック開催期間中に全体で約2,350時間(140,928分)体を動かし、その後も運動・活動を継続した結果、年間目標の202.4万kmを達成しました。B-Olympicプログラムは地元の慈善団体に153,900ユーロを寄付しました。過去7年間の活動の寄付総額は100万ユーロを超えています。
この取り組みにはEMEA全域から何千人もの従業員が参加しており、健康目標の達成という点だけではなく、がん撲滅運動に大きな変化をもたらすという点で、結束したチームの集団努力が持つ影響を明確に示しています。
「Handi Free Riders」への支援活動(フランス)
「Handi Free Riders(HFR)」は、障がいのあるライダーを10年近くにわたって支援し、オートバイへの情熱を取り戻してもらう活動を続けてきた団体です。オートバイでの大事故を経験したライダーによって設立されたHFRの使命は、障がいのあるライダーがオートバイへの愛着心を再び呼び起こし、サーキットに戻って来られるようにすることです。
ブリヂストンは2016年からこの団体を支援しており、年間1万5,000ユーロを寄付しています。HFRの取り組みによって、多くのライダーが数カ月から数年ほどをかけた辛抱強い努力の末にバイクをまた運転できるようになっています。バイクへの復帰は、多くのライダーにとって、希望を持って障がいの克服を目指す新しい人生行路になっています。
困難な時代の食料安全保障(シンガポール)
ブリヂストン アジア パシフィック ピーティーイー リミテッド(BSAPIC)とブリヂストン タイヤ セールス シンガポール(BSTSG)は、支援を必要とする人たちに毎日10,000食以上を提供するWilling Heartsを4年継続して支援しています。具体的な2024年の活動は下記の通りです。
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1.タイヤの装着支援
安全なモビリティの実現のため、BSAPICとBSTSGは、Willing Heartsとその15台の車両に対し、タイヤの安全研修と点検プログラムを実施し、車両の安全確保のためタイヤを提供しました。また、Willing Heartsの車両の整備を行う、BSAPICとBSTSGのお客様であるH-Tyresと連携し、今後Willing Heartsの希望に応じてタイヤの装着を支援していきます。 -
2.食糧支援
10名の従業員ボランティアが、49か所に約117食分の食料を届けました。この作業を終えた後、各ボランティアはWilling Heartsに戻り、食料配給所での支援に参加しました。 -
3.食料配給所でのボランティア
ブリヂストン従業員23名が、調理や食事をパックに詰めたりするエリアにそれぞれ割り当てられ、支援活動を行いました。



Yang Yai Jai Dee:「Big Tires, Big Heart」活動(タイ)
2019年に開始されたYang Yai Jai Dee:「Big Tires, Big Heart(大きなタイヤ、大きなハート)」活動は、ボランティア精神、社会的責任、そしてチームワークを育成し、タイ全域において地域社会にポジティブなインパクトを生み出すことを目指しています。地域社会に貢献したいと考えているブリヂストン タイヤ マニュファクチャリング(タイランド) カンパニー リミテッドの従業員を対象としており、5人以上が1グループとなってボランティア活動を行っています。従業員それぞれのスキル、努力を活かしたアクションを促し、地域コミュニティに目に見える成果をもたらすことが目的です。
従業員グループより提案される様々なプロジェクトは、マネジメント層のレビューと承認を経て実行に移されます。レビューは毎月実施され、月1件程度承認されています。 同活動が開始されて以降、150人以上の従業員が、20を超える学校・施設の改修プロジェクトに参加しています。
2024年には9つのプロジェクトが承認されました。
学校施設の整備(4プロジェクト):
- シーサケット県のBan Non-Lan Schoolの校庭を修繕・塗り直し
- ブリーラム県のBaan Ten Pra Schoolの運動場を改修
- チョンブリー県のWat Nong Ka Kha Schoolで施設整備を実施
- マハーサーラカーム県のBan Kok Yai Schoolで学生食堂のリフォームを実施
衛生設備の改修(2プロジェクト):
- サケーオ県のBaan Phon Sa Wan Schoolに新しい洗面台を設置
- シーサケット県のBaan Sam Kha Schoolで便器を交換
塗り直し(2プロジェクト):
- サケーオ県のBaan Jareon Suk Schoolで学校フェンスを塗り直し
- チャチューンサオ県のBann Nong Saeng Schoolで多目的校舎の床を塗り直し
コミュニティ支援(1プロジェクト):
- チャンタブリー県のThawornwanaram寺院で便器を交換
この取り組みには、地域コミュニティと参加した従業員の双方から、非常に前向きな感想が寄せられています。多くの従業員が地域社会、特に自分たちの母校に還元をしていることに誇りを感じており、ブリヂストンが掲げるバリューへのつながりを深める結果となっています。また恩恵を受け取る側の人々も、学校や施設が目に見える形で良くなったことに感謝の意を表しています。地域コミュニティと力を合わせて活動を行うことで、従業員はブリヂストンの評判を高めているだけでなく、社会に長期的かつ有意義なインパクトをもたらしています。
スポーツイベントにおける健康サポ―ト(日本)
ブリヂストンは、10年以上にわたり、工場拠点がある地域社会でのスポーツイベントを通じて、健康な社会づくりに貢献するとともに、地域の活性化を図っています。
関工場では、「ふどうの森トレイルラン」や「せきサイクルツーリング」、「関シティマラソン」などのイベントに参加し、大会当日の救護ボランティアとして出場選手をサポートしています。従業員はAEDを携帯し、自転車で選手の伴走を行い、緊急事態に備えています。また、工場近隣で開催されるスポーツイベントでは、駐車場やトイレの貸し出しを行い、大会運営にも貢献しています。
下関工場では「維新・海峡ウォーク」において参加者へドリンクを提供し、防府工場では「防府読売マラソン」の走路整理や給水所でのボランティア活動を行っています。これらの取り組みを通じて、ブリヂストンは地域のスポーツ・健康イベントの運営を支え、地域社会の健康促進に寄与しています。
今後もブリヂストンは、地域社会との連携を深め、健康で活力ある社会の実現に向けた活動を継続していきます。
看護実習生の受け入れ(日本)
ブリヂストン関工場では、不足する看護人材の育成、特に産業看護における人材育成に貢献するため、看護学生の実習受け入れを行っています。この取り組みは、県内の大学から「企業での看護学生実習の受け入れ先が少なく、働く人の看護(産業看護)を学ぶ機会が十分にない」との相談を受け、2004年に始まりました。現在では、受け入れる大学や看護学校が増加し、年間100名を超える学生を受け入れています。
実習では、保健師や安全担当の従業員の業務を通じて学ぶほか、一般従業員へのインタビューや健康管理提案を行うことで、従業員の健康増進にも寄与しており、ブリヂストンの健康経営推進にも貢献しています。中には、卒業研究実習を当工場で行う学生もおり、約4カ月にわたる社員の健康に関する実証実験のフィールドとしても活用されています。
看護実習を受けた学生の95%以上が「産業看護への理解が深まり、興味が増した」と感じており、その中には本実習を通じて進路希望が変わり、実際に企業保健師として働き始めた方もいます。また、この活動は他のブリヂストン工場にも広がりを見せ、同様の実習が行われており、ブリヂストンの取り組みが産業看護における人材育成に広く貢献しています。







