環境 | 自然と共生する

影響の最小化

ブリヂストンは、環境宣言に込められた「未来のすべての子どもたちが『安心』して暮らしていくために…」という思いのもと、「自然と共生する」「資源を大切に使う」「CO2を減らす」という3つの活動に重点的に取り組んでいます。「自然と共生する」とは、生物多様性への貢献や事業活動による生態系全体への影響を最小限に抑えるためのブリヂストンの取り組みを指します。

ブリヂストンは、事業活動に伴う野生生物や自然生息地への影響を最小化する様々な取り組みを行うとともに、生産拠点や地域社会の生態系の改善に向けた活動も数多く行っています。これらの取り組みには、環境負荷の低減、水資源や他の重要な自然資源の保全、生態系の保全・復元や教育関連のプロジェクトの実施などがあります。

また、深刻化すると見込まれる社会・環境課題や、事業の成長に伴い増加する可能性のある環境に対する影響を踏まえ、従来の活動にとどまらない様々なアクションに取り組んでいます。これまでの中期目標で実施してきた環境への影響を継続的に低減するための様々な取り組みを発展させ、環境への影響をさらに最小化していきます。

調達での取り組み

ブリヂストンの「グローバルサステナブル調達ポリシー(以下、調達ポリシー)」は、環境への影響を低減し、全ての原材料について健全で持続可能なサプライチェーンを構築する姿勢を示しています。また、本ポリシーには、森林破壊の禁止、泥炭地帯の開発禁止、生物多様性への配慮、水管理、資源の保全と廃棄物削減、エネルギー使用量と温室効果ガス排出の削減、化学物質管理等に関するお取引先様への期待についても記載し、全てのお取引先様に配付しています。天然ゴムの大口需要家として、調達ポリシーには世界に広がる複雑な天然ゴムのサプライチェーンにおける重要な課題についてのブリヂストンの考えを記載しています。ステークホルダーの皆様の期待により一層応えるため、2020年9月に承認された「持続可能な天然ゴムのためのプラットフォーム」(GPSNR)の要求事項も踏まえ、調達ポリシーを2021年に改訂しました。さらに、調達ポリシーの第3版(2024年1月改訂)では、サプライチェーン全体に調達ポリシーを周知することを目的として、Tier1のお取引先様に対し、本ポリシーの適用範囲をお客様自身のサプライヤーにも拡張し、内容を共有していただくことを明記しています。

また、第三者によるアセスメントを実施し、お取引先様の環境・社会パフォーマンス・ガバナンスを数値化し、お取引先様に必要な解決策の助言や支援を行い、改善を推進します。

※ ブリヂストンと直接取引するタイヤ原材料の一次サプライヤー

「持続可能な天然ゴム」に関する取り組み

天然ゴムの消費量は、世界のタイヤ需要の拡大に比例して増加すると予測されており、現在の天然ゴム生産需要増加のトレンドは、近い将来、世界の天然ゴムが最も多く生産されている東南アジアにおける森林破壊の主な原因となる危険性があります。ブリヂストンの事業にとって、「持続可能な天然ゴム」のサプライチェーンの実現が不可欠です。「持続可能な天然ゴム」の調達は、タイヤ業界全体及びブリヂストンにとって持続可能な成長の鍵を握る課題と考え、様々な取り組みを行っています。

ブリヂストンは、自社農園で培った技術や病害対策に有効なノウハウを活用し、天然ゴム小規模農家の支援に取り組んでいます。森林破壊の抑制に向け、NGO、地域社会、及びビジネスパートナーの皆様との密接な連携によって円滑に推進した結果、2025年は13,300軒の小規模農家支援を実施し、2023年からの累積は24,987軒 に達しています。既に2023年に設定した「2026年までに12,000軒の小規模農家を支援する」目標を大幅に上回り、前倒しで達成していることから、「2026年までに30,000軒の小規模農家を支援する」というより高い目標に更新して取り組みを促進しています。

持続可能な天然ゴムについては、「調達」のページをご覧ください。

生産での取り組み:水

ウォータースチュワードシップポリシー

人口の増加に伴って世界的に水需要が増加し、国連によると世界の人口の約半分が、2035年には水不足に直面するとみられています。また、人が利用しやすい状態で存在する淡水に限ると、その量は地球上の水のたった約0.01%で、さらに地域的に偏って存在するという現状があります。

ブリヂストンでは、タイヤなどの製品の製造工程や、調達している原材料の製造過程で水を利用しており、水リスクが高い地域にも生産拠点があります。こうした背景から、水はブリヂストンの事業継続にとって不可欠な資源であるとともに、水を利用する企業としての責任があり、水資源を持続可能な形で利用していくことが重要であると認識しています。

ブリヂストンは、2020年に、公平かつ持続可能な水の利用に向けた「ウォータースチュワードシップポリシー」を策定しました。このポリシーでは、水資源を公平に、持続可能な状態で利用するためのアクションを定めています。当社グループは、取水時、拠点内での水利用時及び利用後の取り組みに関わるステークホルダーと連携して水資源の課題に取り組みます。特に、公平かつ持続可能な水の利用のために、地域の水事情を理解すること、地域と共に水利用の状況を改善すること、そして健全な水利用の状態を維持することが必要であると考えており、規制基準や社内基準に準拠しながら対応していきます。

ブリヂストンは、持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD:World Business Council for Sustainable Development)の「タイヤ産業プロジェクト」において、タイヤ業界の他の企業とも連携し、水資源を含めた環境影響項目の状況改善に努めています。詳細は、WBCSDの「タイヤ産業プロジェクト」のウェブサイトをご覧ください。

※ 水に関連する課題(水不足、洪水、規制強化など)により影響を受ける可能性

公平かつ持続可能な水利用に向けたブリヂストンの考え方

ブリヂストンは、「ウォータースチュワードシップポリシー」に基づき、水ストレス地域に立地する生産拠点を中心に、2030年までにそれぞれの地域環境に応じた具体的なウォータースチュワードシッププランを策定・実行していきます。

<ポリシーで掲げるアクション>
地域の水事情を理解する
・取水源や地域における水の利用状況、取水量と排水量のバランスについて把握します。
・地域社会における水に関する課題を理解します。
・地域の水に関する課題を解決することの重要性について、すべての従業員に対して教育します。
地域とともに改善する
・取水量を減らし、イノベーションと継続的な改善を通じて水利用の効率を向上させます。
・地域社会と協働で、地域の水循環の改善に努めます。
・お取引先様に対し、水に関する法規制の遵守を求め、水リスクの特定と適切な管理を働きかけます。
健全な状態を維持する
・取水量と排水量のバランスを保つように努めます。
・水に関する法規制や自主基準を遵守します。
・ステークホルダーの皆様との対話を通じて、水資源の保全に貢献していきます。

2024年に、対象拠点の全てでウォータースチュワードシッププランの策定を完了しました。こうした各拠点の計画には、取水量の低減や水利用の効率向上といった「ウォータースチュワードシップポリシー」の「OUR WAY」に記載されている取り組みが含まれています。各拠点でプランの実施を進めるとともに、その他の対象拠点での計画策定を順次進めていきます。

※ 水ストレス地域:淡水資源の量や質の低下のリスクがある地域

水資源に関するリスクアセスメント

ブリヂストンでは、世界資源研究所(WRI)の水リスクの分析ツール「Aqueduct(アキダクト)」などを利用して、国内外の事業拠点で水資源に関するリスクアセスメントを定期的に実施しています。その結果を踏まえて、さらに過去の渇水被害の有無や供給能力などの地域の情報を収集することで深掘り・分析し、水ストレス地域に立地する生産拠点か否かを特定しています。

水ストレス地域に立地する生産拠点として特定しています。2025年に実施した最新のAqueductの分析では、インド、インドネシア、中国、タイ、南アフリカ、トルコ、イタリアの16拠点が「非常に水リスクが高い」国・地域に分類されています。これらの特定した拠点は、事業運営に必要とされる水質と水量を、十分に確保できないリスクがあると評価されましたが、いずれもグループ内では比較的小規模な拠点であり、2025年における該当する16拠点の総取水量はグループ全体の4.53.7%となっています。

また、タイヤ工場を新設する際には、水源の水質や水量、流域のリスクアセスメントを行うとともに、水資源の効率的な利用と排水に配慮することを定めています。

ブリヂストンの生産拠点概観(2025年12月末時点)

水ストレスが高い生産拠点

その他の生産拠点

ブリヂストン アメリカス インクの流域マップ

鉱山・建設車両用大型・超大型ラジアルタイヤの生産拠点である米国のエイケン工場(2014年操業開始)では、水資源におけるリスクを最小化するため、流域マップを作成し、河川流域への影響を事前評価しています。また、工場敷地内においても、排水の性状に合わせて排水系統をそれぞれ設定し、適切な排水処理や貯水の施設を設置するとともに、多様な生物が生息する敷地内の湿地を保全するため、大雨でも施設の排水が湿地に流れ込まないように排水溝を整えるなど、敷地内外の水資源に関するリスクアセスメントに基づいた設計となっています。

水ストレス地域における取り組み例

水ストレス地域に位置する当社グループの生産拠点における2025年の取水量は2,259千m3で、前年対比3.5%減少しました。これらの拠点では、「ウォータースチュワードシップポリシー」に基づいて、地域の水事情を踏まえたウォータースチュワードシッププランを順次策定し、実行を進めています。

具体的な成果として、水ストレス地域にあるアルゼンチンのブエノスアイレス工場では、水利用の効率化に継続的に取り組んでおり、2025年に生産量当たりの取水量を2005年比で44%削減しました。

また、2019年にセメントメーカーのロマ・ネグラ社とパートナーシップを結び、工場の排水をロマ・ネグラ社のセメント製造の原材料として再利用することで、地域全体の取水量を削減しています。ブエノスアイレス工場は、2025年末までに累計58,870m3の処理水を提供してきました。また、工場内での取り組みだけでなく、ブエノスアイレス州ラバロール郊外でも水資源の保全に貢献する活動を行っています。今後も同地域における取水量の削減に貢献するプロジェクトを推進していきます。このパートナーシップは、水ストレス地域における取水と排水による影響を低減し、事業活動による環境への影響を最小化しながら貢献を最大化する、というブリヂストンの長期ビジョンを実現するものです。

インドネシアのブカシ工場(BSINb)では、水のリサイクルを強化し、処理済み産業排水をボイラー給水として再利用するため、2025年に二次処理施設としてE-WWTPを導入しました。本プロジェクトにより、クローズドループシステムを構築して排水再利用率60%を達成し、2026年までに2020年比で総取水量を31%削減する見込みであり、引き続き、水効率向上と地域の淡水源への依存低減に取り組んでいきます。

※ Enhanced Wastewater Treatment Plant:高度排水処理施設

取水による影響の低減

ブリヂストンは「取水量原単位の継続的な改善」を、「マイルストン2030」における「Key actions」の一つと位置付け、イノベーションと継続的な改善により取水量を削減し、水利用の効率向上を進めています。「マイルストン2030」の達成に向けて、PDCAサイクルを通じて取水量を毎年改善(例えば1%改善)していく継続的な取り組みを行っています。新品タイヤの生産拠点については、取水量原単位が2023年から2025年に年率0.9%改善しました。

取水量の実績は、情報の正確性と透明性を担保するため、LRQAリミテッドによる第三者保証を取得しています。

また、ブリヂストンは、国内外の生産拠点で、水の再利用・リサイクルを行うとともに、生産工程の改善や、可能な場合は雨水の回収・活用に取り組み、水の利用の効率化や水使用量の削減も進めています。

例えば、トルコのイズミット工場では、雨水や排水を回収・処理し、再利用することで地下水の取水量を減らす取り組みを行っています。これらに加え、同工場では従業員に対しての水利用に関する啓発キャンペーンなどを行うことにより、地下水の採取量を2008年比80%削減しました。また、2021年以降、再生した水の使用量は5倍に増加しました。

雨水の活用

ブリヂストンの一部の工場では、敷地内に降った雨を工程用水や敷地内の植物への散水に利用するなど、雨水の利活用に取り組んでいます。

鉱山・建設車両用大型・超大型ラジアルタイヤの生産拠点である米国のエイケン工場では、敷地内に降る雨水を集めて貯留することを工場の設計段階から検討し、約250万ガロンの貯水容量を持つ雨水貯留池を整備しました。
集められた雨水は上水道の補助的なバックアップとして利用され、ボイラーやトイレ、芝生の散水に使用されています。
2025年の月間の雨水利用量は約100万ガロンで推移しており、雨水を活用することで流域環境への影響を軽減する取り組みを引き続き進めていきます。

水の再生利用

ブリヂストンのブラジルのサンパウロ州にある工場は2016年、深層井戸水の使用量の削減に向けて、水の再生利用促進を目的とした自治体との共同イニシアチブを開始しました。プロジェクト開始以降、施設の冷却システムやボイラーで使用する水は、その半分以上が排水処理会社から供給される再生水となりました。

タイヤ モールド タイランドでは、フュージョン デベロップメント社と提携し、2014年より水の再生利用を開始しました。過去8年間(2018~2025年)で再生利用した水の量は1,385トンでした。2025年には248トンの排水を再生利用し、排水量を約50%削減しました。

排水ゼロ工場

ブリヂストン インディア プライベート リミテッド(BSID)は、工場内の工程排水と生活排水を処理するため、排水処理施設(ETP)と下水処理施設(STP)を導入しました。BSIDのプネ工場の排水処理能力は、ETPが1日400m3、STPが同250m3、インドール工場はそれぞれ60m3と360m3で、処理された排水は、工程内(冷却塔1日30 m3)で使われるほか、工場敷地内の植物への散水に再利用されます。散水は工場敷地内にある緑化地帯の約45%にあたる開けた場所で行われるため、処理水が敷地外に流出することはありません。処理水のパラメータについては全て、BSID内部と政府当局による外部の検査が行われ、BSID内部の上限値と法的な上限値をいずれも大きく下回ることが確認されています。

排水管理

ブリヂストンの「グローバル環境基準(Global Environmental Standard)」は、当社グループの排水による環境負荷を防ぐための生産拠点における最低要件を定めています。ブリヂストンの生産拠点は、その基準に基づき外部への異常排水流出を防ぐ措置を講じています。地下水や排水の汚染を防ぐために、防波堤の設置や、外部に排水が流出しないよう監視システムや遮断システムを導入しています。

水リサイクルシステムを通じた持続可能な水利用

2024年に、ブリヂストン タイヤ マニュファクチュアリング(タイランド)カンパニー リミテッド (BTMT)は、排水処理システムを更新し、水リサイクルプロセスを導入することで、社内の水管理を強化しました。この取り組みにより、クーリングタワー、チラー、製造プロセスなどの主要施設で処理水を再利用することができるようになり、工業用水への依存を減らすことができました。

このプロジェクトはBTMTのサステナビリティ目標と資源の持続可能利用に向けた取り組みに沿ったもので、リサイクル水の効率的な利用を促進することで環境への影響を最小限に抑え、コスト削減を図ることを目的としています。

導入以来、BTMTは、約208,747m3の排水を処理し、排水の67%以上である139,033m3以上のリサイクル水を再利用することができました。また、全体の排水排出量も約24%削減しています。

CDPウォーターセキュリティ質問書に対するブリヂストンの回答

CDP:英国を拠点に企業・都市の環境情報の調査・開示を行っている国際NGO。世界の機関投資家を代表して、世界の主要企業に対して、気候変動や温室効果ガス排出、水管理などに関する情報開示を求め、調査・評価を実施。

また、ブリヂストンは、これまでも積極的に生態系の保全や研究、教育活動を実施・支援してきましたが、2011年度には、さらに活動を充実させるために、事業が生態系に与える影響の定量的な評価を実施しました。国内主要工場で生物多様性ポテンシャル評価を実施し、周辺環境を踏まえた生物多様性保全への貢献の可能性を把握しました。また、国立研究開発法人国立環境研究所の協力のもと、国内4工場においてWET試験(生物影響を指標とした先進的な排水管理手法を用いて工場排水の環境影響を評価する試験)を実施し、同工場における工場排水の試験時の生態影響リスクは極めて低いとの結果を得ました。今後も、多角的な環境影響評価に取り組んでいきます。

排水、土壌、地下水汚染などの環境リスク低減に向けた取り組み例については、環境マネジメントページの「環境リスク管理」をご覧ください。

ステークホルダーとの連携 - 水源エコプロジェクト W-eco・p(ウィコップ)

ブリヂストンは、複数のステークホルダーが集まり推進するプロジェクト「W-eco・p」(ウィコップ)に参加しています。これは横浜市水道局と企業・団体とが協力し、プロジェクト対象地域が抱える水不足のリスクを抑えていく取り組みです。当社が水ストレス地域の一つとして特定しているこのエリアには化工品工場があります。このプロジェクトで携わる水源林の整備活動を通して、このエリアの水リスク軽減に寄与しています。

具体的には「エコピアの森」活動として、横浜市水道局が所有する山梨県道志村を毎年春と秋の2回、横浜地区の社員家族が訪れ、同市水道局より水源林の大切な役割や森林保護の必要性を学び、植樹や枝打ち、間伐作業等の体験を通じて水源林の保全、整備に貢献するものです。この活動は2010年より実施しており、毎年100名以上の従業員やその家族等が参加しています。

水環境保全などの社会貢献活動の事例については、貢献の最大化ページの「地域社会との関わりを通じた貢献」をご覧ください。

生産での取り組み:大気への排出

揮発性有機化合物(VOC)の排出削減

ブリヂストンは「マイルストン2030」の「Key actions」に基づき揮発性有機化合物(VOC)の排出量削減を推進しています。目標とする継続的改善(目安として1%削減/年)に対して、2025年は前年対比10%の削減となり、目標レベルを大きく上回って進捗しています。また、 製造工程で使用される、高VOC溶剤のような環境負荷が懸念される化学物質の代替物質への切り替えを進めるとともに、化学物質全体の使用量の削減に取り組んでいます。

また、スペインのブルゴス工場では、生産工程で使うセメント接着剤を全廃し、有機溶剤の使用はタイヤ修理工程のわずかな範囲内に収めています。今後も、ブリヂストンは世界各地の事業拠点においてさらなるVOC使用量削減に努めていきます。

SOx・NOxの排出削減

ブリヂストンは、PDCAサイクルを通じて毎年環境パフォーマンスを改善(例えば1%改善)していくことを継続的改善として推進しています。環境負荷の低減における継続的改善は「マイルストン2030」の「Key actions」の一つとなっており、ブリヂストンの工場では、重油から天然ガスへ燃料転換を進めることで、硫黄酸化物(SOx)や窒素酸化物(NOx)の排出削減に取り組んでいます。既に燃料の約8割を天然ガスでまかなっており、2021年には甘木工場で重油から都市ガスへの燃料転換を完了しました。2025年の生産拠点におけるSOx排出量は、前年比5.0%減の471トン、NOxの排出量は、前年比1.3%減の1,484トンとなりました。

CO2の排出削減

取り組みの詳細は「モノづくりの過程におけるCO2排出量削減」をご覧ください。

大気への排出などの環境リスク低減に向けた取り組み例については、環境マネジメントページの「環境リスク管理」をご覧ください。

化学物質管理の取り組み

有害化学物質の管理

ブリヂストンは、有害化学物質の責任ある管理を製品スチュワードシップと環境責任の中核的要素と位置付けています。化学物質が適切に管理されない場合、人の健康や環境に潜在的なリスクをもたらす可能性があることを認識し、事業を展開する各国・各地域で適用される化学物質規制の遵守だけでなく、先進的な国際基準を参考に、より高度な化学物質管理を実施しています。

グローバルな規制遵守と整合基準

ブリヂストンの化学物質管理フレームワークは、事業を展開する全ての国・地域における化学物質に関する適用規制への完全な遵守を基盤とし、国際的に認められた基準と、これに整合した内部要件の適用を組み合わせたものです。このアプローチを通して、環境への影響の最小化、従業員と消費者の安全の保護、そしてバリューチェーン全体での透明性の向上を推進しています。

ブリヂストンでは、ブリヂストン環境マネジメントポリシーPDFに基づき、全ての事業活動において化学物質を適切に管理すると共に、懸念物質の段階的な廃止・削減に取り組んでいます。

世界的な懸念物質の管理

ブリヂストンは、各地域特有の要件に加え、主要な国際枠組みで特定された国際的に認知された物質カテゴリーも管理の対象に入れています。これには、ストックホルム条約で規制される残留性有機汚染物質(POPs)、内分泌かく乱作用の可能性のある物質、及び長期的な環境または人体への健康被害をもたらす化学物質が含まれます。

これらの物質は、必要に応じてブリヂストンの既存の化学物質管理プロセスや規制監視活動を通して対応されているほか、該当市場における制約事項、禁止事項、及び適切な廃棄要件との整合といったリスクベースの管理措置も講じています。

EU ― REACH規則

ブリヂストンは、EU域内で製造される製品またはEU域内に輸入される製品について、EUのREACH規則に準拠した強固なコンプライアンスプロセスを整備し、REACH規則に基づく制限物質、高懸念物質、及びその他の規制要件に関連する適用義務に対応しています。

EU市場向けでない製品・用途については、ブリヂストンは物質の危険性、暴露の可能性、規制動向、並びに顧客及び社会の期待を考慮したリスクベースの化学物質評価手法を採用しています。この評価に基づき、物質の削減、代替、またはその他の適切な管理策を講じています。この手法により、地域ごとの規制要件に適合しつつ、ブリヂストンのグローバル事業全体で一貫した責任ある化学物質管理を推進しています。

多環芳香族炭化水素(PAHs)の管理:

ブリヂストンのタイヤは全て、REACH規則の付属書XVIIのPAHs規制に準拠しています。これらの制限値は、EU域外市場向けを含むブリヂストンの全ポートフォリオにおいて、グローバルに適用されています。

※ ベンゾ[a]ピレン、ジベンゾ[a,h]アントラセン、ベンゾ[a]アントラセン、クリセン、ベンゾ[j]フルオランテン、ベンゾ[b]フルオランテン、ベンゾ[k]フルオランテン、ベンゾ[e]ピレンの8物質を指しています。

高懸念物質(SVHCs)の管理:

ブリヂストンは、REACH規則の高懸念物質(SVHCs)候補リストの更新を継続的にモニタリングしています。自社製品に使用される原材料について体系的なレビューを実施して、リスト掲載物質を特定すると共に、関連するリスクを管理しています。

米国 ― TSCA

米国では、有害物質規制法(TSCA)に従って化学物質を管理し、規制状況やお取引先様のコンプライアンス状況の確認などを行っています。

日本 ― PRTR法※1及びPCB含有物※2の管理

日本では、化学物質管理システムを運用し、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律(PRTR法)に基づいた報告およびコンプライアンスを推進しています。ポリ塩化ビフェニル(PCB)を含む機器の管理については、日本の規制に基づき、適正保管、点検、及び計画的な廃棄を行っています。

  1. ※1PRTR法とは、「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」の通称。Pollutant Release and Transfer Register の頭文字をとったもので、環境汚染物質排出・移動登録制度を規定したもの。具体的には、人の健康や生態系に有害である恐れがある化学物質について事業者が行政に報告し、行政が対象事業者の排出・移動量を集計公表する制度。
  2. ※2ポリ塩化ビフェニルの総称。絶縁性や不燃性などの特性から電気機器の絶縁油として使用されていましたが、毒性が強く、現在は使用禁止となっています。生物によって分解されにくく、発がん性が認められています。

産業連携

ブリヂストンは、主要な業界団体と連携し、責任ある化学物質管理を支援し、規制や科学分野の動向を把握しています。ブリヂストンは、欧州タイヤ・ゴム製造協会(旧ETRMA)、米国タイヤ製造者協会(USTMA)、日本自動車タイヤ協会(JATMA)のメンバーとして積極的に活動しています。

ブリヂストンはこれらの団体を通じて、化学関連及び環境ワーキンググループに参加し、技術知見の提供、ベストプラクティスの共有、新たな化学規制や化学物質関連リスクに関する業界全体の理解促進に貢献しています。こういった外部連携は、ブリヂストンの化学物質管理システムを補完し、地域を横断した、情報に基づいた一貫性のある先見的な化学物質管理アプローチを支えるものです。

ブリヂストンは、化学物質に関する規制環境と社会的期待は変化し続けると考えており、強固なガバナンス、リスクに基づく意思決定、規制順守、業界及びその他のステークホルダーとの連携を通じて、化学物質管理の強化に引き続き取り組んでいきます。

効果的な管理システムを維持し、新たな科学の発展や規制動向をモニタリングし、全地域で一貫した基準を適用することで、製品ライフサイクル全体において化学物質を責任を持って管理し、人体の健康と環境の保護に貢献します。

廃棄物の削減

取り組みの詳細は「モノづくりを通じた資源循環」をご覧ください。

製品での取り組み

環境負荷物質の使用量削減

ブリヂストンは、揮発性有機化合物(VOC)や鉛など環境負荷が懸念される化学物質の代替物への切り替えを進めるとともに、継続的に使用量削減にも取り組んでいます。例として、ゴムと金属を接着させる接着剤に含まれているテトラクロロエチレンについては、代替品への切り替えを実施し、2008年に全廃しました。鉛については、スチールコード工場で鉛を一切使用しない製造方法を開発して全廃し、化工品工場においても接着剤の切り替えを実施し、大幅な削減を達成しています。 今後も新たな目標を設定し、さらなる削減を進めていきます。

生分解性バイオポリマーの開発

ブリヂストンは、内閣府が主導する「ムーンショット型研究開発制度pdf」の一つである「非可食性バイオマスを原料とした海洋分解可能なマルチロック型バイオポリマーの研究開発pdf」に、東京大学、三菱ケミカル株式会社、株式会社クレハ、九州大学、名古屋大学、山形大学、地球環境産業技術研究機構(RITE)、産業技術総合研究所(AIST)、愛媛大学、東京工業大学と共に参加しています。本プロジェクトでは、高分子材料の分解にマルチロック機構を導入することにより、トレードオフの打破を目指します。超分子や自己修復、動的架橋などの最先端のポリマー技術を自然の生態系保全に展開しています。回収困難なプラスチックや残留性物質の海中分解を対象として、分解性と耐久性を両立するマルチロック機構を導入し、オンデマンド分解を実現します。また、非可食性バイオマスを開発原料とすることでCO2削減も同時に達成します。

建築免震用積層ゴム 高減衰ゴム系積層ゴムXシリーズ フレア形「X0.4T」

免震構造に用いられる積層ゴムは何種類かに大別できますが、ゴム材料の減衰性を高めた高減衰ゴム系積層ゴムは、減衰機能を兼備しているため特別なダンパー(鋼材、鉛、オイルダンパーなど)を併用せずに設計が可能なことから、設置スペースや施工・管理面で合理的であり、環境負荷も小さい積層ゴムとして位置付けられます。ブリヂストンでは、早期から高減衰ゴム系積層ゴムの開発に取り組み、これまでも商品を市場に提供してきました。2011年に荷重履歴依存性を大幅改良した新高減衰ゴム系積層ゴム「H-RB (X0.6R)」、当該商品の低弾性タイプである「X0.4S」、2015年に超低弾性タイプの高減衰ゴム「X0.3R」を開発。2024年には限界特性を向上させたフレア形「X0.4T」を開発し、高減衰ゴム系積層ゴムXシリーズの商品ラインアップの拡充を行っています。