CSR

Environment(環境)|資源を大切に使う

アクション1:そもそもの原材料使用量を削減

考え方

ブリヂストングループでは、人口増加・経済成長と、資源消費・環境負荷の因果関係を切り離す「デカップリング」の実現に向けた取り組みが重要と考えており、これを実現するために、資源生産性の向上を図っています。また、各製品の原材料使用量を削減する新たなビジネスモデルや技術開発も進めています。

開発・研究事例

原材料使用量削減によるタイヤの軽量化

タイヤの原材料を半分にするハーフウェイトタイヤ

今後見込まれているグローバルなタイヤ市場での需要拡大に向けて、ブリヂストングループでは、タイヤの需要拡大がそのまま資源消費量の増加につながらないよう、原材料使用量の削減を目指す技術開発を行っています。

この技術は、タイヤに必要な耐久性や安全性などの性能を確保しながら重量を軽くするという、難易度の高いもの。ブリヂストングループは、サプライチェーンの上流から下流までを有する強みを活かして、タイヤの材料開発、商品設計、生産技術、それぞれの分野で研究を進めています。

かつてない耐久性を追求 「High Strength Rubber」

ブリヂストンは2018年、ゴムと樹脂を分子レベルで結び付けた世界初のポリマーの開発※1に成功し、2019年3月に「Tire Technology International Awards」においてEnvironmental Achievement of the Yearに選ばれました。このポリマーは、一般的な合成ゴムより耐破壊特性が高い天然ゴムと比較して、耐亀裂性が5倍以上※2、耐摩耗性が2.5倍以上※3、引張強度が1.5倍以上※4という画期的な性能を有します。

今回開発した「High Strength Rubber(HSR)」は、ブタジエンやイソプレンなどの合成ゴム成分とエチレン※5などの樹脂成分を当社独自の改良型Gd触媒※6を用いて分子レベルで結びつける(共重合※7)ことにより開発したハイブリッド材料です。HSRは天然ゴムを凌駕する強度と耐摩耗性を有することから、例えばタイヤの次世代材料として有望であり、より少ない材料使用量でタイヤに求められる様々な性能を達成できる可能性があります。今後も、この新開発ポリマーをタイヤやその他の製品に商業利用する可能性を探っていきます。

今回開発に成功した世界初のポリマー High Strangth Rubber
  1. ※1当社調べ。
  2. ※2JIS K 6270(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張疲労特性の求め方-定ひずみ方法)を用いて試験。
  3. ※3JIS K 6264-2(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-耐摩耗性の求め方-改良ランボーン摩耗試験)を用いて試験。
  4. ※4JIS K 6251(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方-)を用いて試験。
  5. ※5プラスチックや化学繊維など石油化学製品の基礎原料。重合して得られるポリエチレンは、最も広く使用されている合成樹脂。
  6. ※6当社が開発した、高性能なゴムを合成できる重合触媒。
  7. ※72種類以上の成分(モノマー)を1つの化合物として結びつける反応のこと。

航空機用タイヤの最新ラジアル構造RRR(トリプルアール)

ラジアル構造の断面図
ラジアル構造の断面図

ブリヂストンは、最新ラジアル構造 (RRR (トリプルアール) =Revolutionarily Reinforced Radial) を航空機用タイヤに採用しています。内部に高弾性・高強力繊維を用いてより高い安全性を確保するとともに、高い弾性を持ち、より強力なコードを用いた新しいベルト構造により、7〜10%のタイヤの軽量化を実現し、燃料消費量を減少させることもできます。耐摩耗性の向上による着陸回数の増加や、省エネルギーに貢献しています。

タイヤの省資源化と低燃費性能向上を目指すゴム複合体の研究

タイヤの各部材をより薄くすることで、タイヤ重量を低減し、タイヤ使用時の低燃費性に貢献するとともに、使用する原材料の削減による省資源化にもつながります。しかし、部材を薄くするためには十分な耐久性能の確保が必要で、既存技術の枠を超えた強靭な材料の開発が必要です。ブリヂストンは、内閣府が主導する革新的研究開発推進プログラム「ImPACT」に参画し、「超薄膜化・強靭化『しなやかタフポリマー』の実現」の一環として取り組んだ研究成果を2018年に発表しました。

本研究により、タイヤの燃費特性に寄与する材料物性を15%向上するとともに強度を約5倍に向上した全く新しいゴム材料を実現できました。現在、新規ゴム材料を用いたタイヤの試作・評価を行っており、省資源化や低燃費性能の向上を通して、持続可能な社会の実現に貢献すべく、2020年代前半の実用化を目指しています。

同硬度異密度パッド

同硬度異密度パッド

従来、シートパッドの軽量化を図るには、低密度原料を用いるのが一般的でしたが、それによって乗り心地や耐久性などとの両立が難しいケースがありました。ブリヂストンでは、自動車用シートパッドの乗り心地を保ちながら軽量化が図れる同硬度異密度パッド成型を初めて量産化しました。これはシートパッド全体を低密度化するのではなく、乗り心地を左右し、耐久性が求められる部分に高性能原料を、それ以外の部分には低密度原料を用いる新工法の開発により実現しました。また、この技術を応用して、ニーズに応じて腿うらに触れる部分の硬さを尻下の部分の硬さと変えることにより、更なる乗り心地の向上を図っています。

省エネゴムクローラ「ECO2-TRACK」

省エネゴムクローラ「ECO2-TRACK」

厳しい使用環境下でも磨耗、外傷やゴム欠けを最小限に抑えるため高耐久ゴムを開発しました。この高耐久ゴムによリスチールコードや芯金を保護し、ゴムクローラの長寿命化を達成するとともに、乗り心地の向上と強いグリップの両立を実現しています。また、防錆性を向上させた独自のスチールコードを使用し、耐脱輪性を向上させるハイスティフ設計を採用しています。

さらに芯金端クラックの発生を最小限に抑える独自のプロエッジ技術により、当社従来品と比べて約4倍の芯金端クラックヘの耐久性を実現しました。これらの技術により「ECO2-TRACK」は長寿命によるコスト改善、廃棄処分量削減に貢献しています。

※隣り合う芯金の横方向への動きを、ハイスティフ突起により抑制する構造設計

輸送での取り組み

保管期間中の品質確保や輸送中の外傷防止のため、輸出用タイヤには包装材が使用されています。ブリヂストンでは、これを無包装化、簡略化するなど、包装材の削減に取り組んでおり、包装する場合でもリサイクル可能な材料を使うなど環境に配慮しています。ブリヂストンは、今後も包装材の削減活動をお客様のご理解とご協力のもとで継続していきます。