CSR

Environment(環境)|資源を大切に使う

アクション1: そもそもの原材料使用量を削減する取り組み

考え方

人口増加とライフスタイルの高度化に伴う需要の増加により、何も手を打たなかった場合 (BAU:Business as usual) 、2050年頃には、需要の増加によって資源使用量も数倍に増加し、地球の自浄能力・扶養力を超えてしまう懸念があります。このため、人口増加・経済成長と資源消費・環境負荷の因果関係を切り離す「デカップリング」の実現に向けた取り組みが最も重要と考えています。

ブリヂストングループは、「デカップリング」を実現するために、資源生産性の向上を図っていきます。たとえば、タイヤの場合は、快適性や安全性といった機能を犠牲にすることなく、低燃費性能などの環境性能を継続的に向上していくことが、今後も引き続き求められると考えていますが、同時に、原材料使用量を削減する技術開発やビジネスモデル化も進める必要があります。
この考え方を受け、ブリヂストングループでは、原材料使用量を半減する「ハーフウェイトタイヤ」のコンセプトタイヤを2011年のジュネーブモーターショーと東京モーターショーで発表しました。また、パンクして空気圧がゼロになっても所定のスピードで一定の距離を走行可能な「ランフラットテクノロジー採用タイヤ」※1の普及により、ほとんど使用されずに廃棄されるスペアタイヤをなくすことも原材料使用量の削減に貢献できると考えています。加えて、すべての商品に共通する、耐久性向上による長寿命化技術開発も進めています。

  1. ※1実車試験、または、ISO規格に基づいた室内ドラム試験において、速度80km/hで80kmの距離を走行可能です。
    実車試験とは、実際の車両を用いて所定の室外のコースを走る試験を指します。
    室内ドラム試験とは、直径2mの円筒状のドラムと呼ばれる金属製回転体に、1本のタイヤをISO規格が指定する荷重にて押し付けることで、室内の試験設備において実際の走行状態を模擬した試験を指します。

タイヤの原材料を半分にするハーフウェイトタイヤ

タイヤの原材料を半分にするハーフウェイトタイヤ

今後見込まれているグローバルなタイヤ市場での需要拡大に向けて、ブリヂストングループでは、タイヤの需要拡大がそのまま資源消費量の増加につながらないよう、原材料使用量の半減を目指す「ハーフウェイトタイヤ」の技術開発を行っています。

この技術は、タイヤに必要な耐久性や安全性などの性能を確保しながら重量を軽くするという、難易度の高いもの。ブリヂストングループは、サプライチェーンの上流から下流までを有する強みを活かして、タイヤの材料開発、商品設計、生産技術、それぞれの分野で研究を進めています。

ゴムのしなやかさと樹脂の強靭さを兼ね備えた次世代材料の開発

ブリヂストンは2018年、ゴムと樹脂を分子レベルで結び付けた世界初のポリマーの開発※1に成功しました。このポリマーは、一般的な合成ゴムより耐破壊特性が高い天然ゴムと比較して、耐亀裂性が5倍以上※2、耐摩耗性が2.5倍以上※3、引張強度が1.5倍以上※4という画期的な性能を有します。今回開発した「High Strength Rubbe(r HSR)」は、ブタジエンやイソプレンなどの合成ゴム成分とエチレン※5などの樹脂成分を当社独自の改良型Gd触媒※6を用いて分子レベルで結びつける(共重合※7)ことにより開発したハイブリッド材料です。HSRは天然ゴムを凌駕する強度と耐摩耗性を有することから、例えばタイヤの次世代材料として有望であり、より少ない材料使用量でタイヤに求められる様々な性能を達成できる可能性があります。また、タイヤ以外の製品へのHSR適用についても積極的に検討を進めていきます。

今回開発に成功した世界初のポリマー High Strangth Rubber
  1. ※1当社調べ
  2. ※2JIS K 6270(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張疲労特性の求め方-定ひずみ方法)を用いて試験
  3. ※3JIS K 6264-2(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-耐摩耗性の求め方-改良ランボーン摩耗試験)を用いて試験
  4. ※4JIS K 6251(加硫ゴム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方-)を用いて試験
  5. ※5プラスチックや化学繊維など石油化学製品の基礎原料。重合して得られるポリエチレンは、最も広く使用されている合成樹脂
  6. ※6当社が開発した、高性能なゴムを合成できる重合触媒
  7. ※72種類以上の成分(モノマー)を1つの化合物として結びつける反応のこと

航空機用タイヤの最新ラジアル構造RRR (トリプルアール)

ラジアル構造の断面図
ラジアル構造の断面図

ブリヂストンは、最新ラジアル構造 (RRR (トリプルアール) =Revolutionarily Reinforced Radial) を航空機用タイヤに採用しています。内部に高弾性・高強力繊維を用いてより高い安全性を確保するとともに、高い弾性を持ち、より強力なコードを用いた新しいベルト構造により、7〜10%のタイヤの軽量化を実現し、燃料消費量を減少させることもできます。耐摩耗性の向上による着陸回数の増加や、省エネルギーに貢献しています。

本技術を採用したタイヤは、2008年10月、ボーイング777-300ER型機に採用されました。ボーイング777-300ER型機の主脚には、片側6本、合計12本のメインタイヤがあり、全数を従来型のタイヤから交換することにより、約80キログラム機体重量※1が軽くなります。

本技術を採用した航空機用タイヤの供給により、当社は、2009年に続き2年連続で、「ボーイング・サプライヤー・オブ・ザ・イヤー賞」を受賞しました。また、当社の航空機用タイヤが装着された787ドリームライナーが、2011年より就航しています。

  1. ※1ブリヂストン同社製品比較

強靭分子複合体による省資源タイヤの研究

タイヤの各部材をより薄くすることで、タイヤ重量を低減し、タイヤ使用時の低燃費性に貢献するとともに、使用する原材料の削減による省資源にもつながります。しかし、部材を薄くするためには十分な耐久性能の確保が必要で、既存技術の枠を超えた強靭な材料の開発が必要です。ブリヂストンは、内閣府が主導する革新的研究開発推進プログラム「ImPACT※1」に参画し、「超薄膜化・強靭化『しなやかタフポリマー』の実現」に向け研究を進めており、2016年にその成果を発表しました。この活動を通して、これまでの限界を超えた高強度材料を開発し、更なる省資源タイヤの実現を目指します。

ゴムローラーを用いた実証検証結果

強靭分子複合体による省資源タイヤの研究

耐久走行時の摩耗速度を基準配合と比較すると、本研究成果を適用した開発ゴム配合は摩耗速度が60%低減することを確認し、開発指針の妥当性を確認しました。

  1. ※1「ImPACT ; Impulsing Paradigm Change through Disruptive Technologies Program」とは、実現すれば産業や社会のあり方に大きな変革をもたらす革新的な科学技術イノベーションの創出をめざし、ハイリスク・ハイインパクトな挑戦的研究開発を推進することを目的として創設されたプログラム。

同硬度異密度パッド

同硬度異密度パッド

 従来、シートパッドの軽量化を図るには、低密度原料を用いるのが一般的でしたが、それによって乗り心地や耐久性などが損なわれるケースがありました。ブリヂストンでは、自動車用シートパッドの乗り心地を損なわずに軽量化が図れる同硬度異密度パッド成型を初めて量産化しました。これはシートパッド全体を低密度化するのではなく、乗り心地を左右し、耐久性が求められる部分に高性能原料を、それ以外の部分には低密度原料を用いる新工法の開発により実現しました。また、この技術を応用して、ニーズに応じて腿うらに触れる部分の硬さを尻下の部分の硬さと変えることにより、更なる乗り心地の向上を図っています。

省エネゴムクローラ「ECO2-TRACK」

省エネゴムクローラ「ECO2-TRACK」

 厳しい使用環境下でも磨耗、外傷やゴム欠けを最小限に抑えるため高耐久ゴムを開発しました。この高耐久ゴムによリスチールコードや芯金を保護し、ゴムクローラの長寿命化を達成するとともに、乗り心地の向上と強いグリップの両立を実現しています。また、防錆性を向上させた独自のスチールコードを使用し、耐脱輪性を向上させるハイスティフ設計を採用しています。

 さらに芯金端クラックの発生を最小限に抑える独自のプロエッジ技術により、従来比約4倍の芯金端クラックヘの耐久性を実現しました。これらの技術により「ECO2-TRACK」は長寿命によるコスト改善、廃棄処分量削減に貢献しています。

※隣り合う芯金の横方向への動きを、ハイスティフ突起により抑制する構造設計

エコスリムボックス

エコスリムボックス
「エコスリムボックス」のマーク

 ブリヂストンスポーツ株式会社では包装紙の使用量を削減したゴルフボール用パッケージ「エコスリムボックス」を開発し、2009 年より商品に採用しています。従来、上箱と下箱に分かれていたパッケージを一つにし、紙の使用量を当社従来品対比、ボール12個入りで約24%、ボール15個入りで約18%削減しました。その後2010年には当社従来品対比、ボール12個入りで約30%削減した新しいパッケージを開発し、商品への採用を継続しています。パッケージデザインには「エコスリムボックス」のマークを掲示し、お客様に環境の側面からも商品を選んでいただけるようにしています。

輸送での取り組み

保管期間中の品質確保や輸送中の外傷防止のため、輸出用タイヤには包装材が使用されています。ブリヂストンでは、これを無包装化、簡略化するなど、包装材の削減に取り組んでおり、包装する場合でもリサイクル可能な材料を使うなど環境に配慮しています。ブリヂストンは、今後も包装材の削減活動をお客様のご理解とご協力のもとで継続していきます。